先生の40歩後ろを歩く私

木の実

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プロローグ

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  1.

   あれはいつだったでしょうか。

「すごい荷物だね、落としたら大変だ」
入学してばかりで戸惑っていた私の手に触れた、あなたの右手が忘れられません。
   
   桜並木の道を、新しい教科書をいっぱいにして運びながら歩いていた私に、あなたは手を差し伸べてくれました。

   あなたは先生でした。スーツの胸ポケットにあったネームプレートに、
「国語   福田誠」と書いてあったのを、私はその時からずっと記憶しています。

  私はあなたを好きになりました。

  叶うことのない、あなたのことを。
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