シたい彼女と寝てたい彼女

とちのとき

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♡♀ 第九章 悶々彼女と芽生える彼女 ♀Zzz

18話

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◆私達はリズさんと共に穢れの澱みを抜けたその先の41層目、“呪詛の宴”と呼ばれる区域に足を踏み入れた。そこは霊体系の魔物、様々な死霊達が飛び回る場所だった。
 アンデッドである私とエルテはまだ狙われる様子はなかったけど、メリランダとリズさんは常に死霊の唱える闇魔法から身を守りつつ戦う必要がある。でも恐らく、それがリズさんの狙いなんだと思う。

 リズは三人に向かって話し始める。
 「見ての通り、ここではほぼ物理攻撃が通らない霊体系と戦う事になるわ。闇魔法への対処はもちろん、精気を奪う近接攻撃にも注意が必要よ。適切な魔法の選択や仲間と敵、周囲の状況にも常に気を配る事。特にメリランダは魔力の消耗を抑えつつ、同時に迅速に敵を倒す事を覚えなさい。それとシホちゃん達は、敵は自分達を狙ってくるものと想定して動いてね。深層部に進めば敵は待ってはくれないわ」

 三人は返事をすると戦闘態勢に入る。メリランダは小声で何か詠唱すると、自分に対闇魔法の光のヴェールを纏った。
 死霊の群れに向かっていく三人。飛び回る死霊達との闘いをリズは少し離れて、真剣な眼差しで観察する。
 メリランダとエルテは敵の弱点である聖魔法を駆使し着実に仕留めていたが、シホは剣技も通用しない相手に、並みの攻撃魔法でしか応戦出来ないもどかしさを感じていた。
 その事はリズもすぐに気付いていた。三人は魔物の群れを片付けると、シホは少し肩を落としながらリズに助言を求める。
 「これまでは前衛でそれなりに戦えてる気になってたけど、これじゃ二人の背中を守れる気がしない・・・・。聖魔法で弱点を突ける訳でもないし、何て言うか器用貧乏な感じ。どうしたら良いですか?」
 「状況が状況なら臨機応変に戦える能力ではあるのだし、器用貧乏なんて事は無いわよ。自分が活躍できる場でないと感じたらサポートに徹する。それも仲間を守る選択の一つよ?まぁ、シホちゃんもエルテちゃんも人間だった時は戦闘経験なんて無かったのだもの、これから学んでいけばいいわ。でも確かに私から見れば、シホちゃんの魔法はまだまだ貧弱なものばかりね」
 「ぐぬぬ・・・・」
 「この呪詛の宴では優秀な冒険者達でも、油断や慢心で命を落とす者が少なくないの。メリランダから固有アビリティの話は聞いているわ。という訳でシホちゃんは一人で死体探しかしらね」
 「でもエルテとメリランダが・・・・」
 「二人は私が責任を持って守るし特訓しておくわ。それに運が良ければ霊体を斬れる剣が拾えるかもしれないわね。ここまで来ようと思う剣士が居ればそれは必須だもの」
 「本当ですか⁉じゃあここはお願いします」
 「頃合いを見て帰ってくるのよ?」
 「はい。私、もっと強くなるから!」
 シホは二人にそう言って手を振ると足早に奥へと進んでいった。そうこうしているうちに再び魔物が集まりだす。
 二人に背中を預ける様にリズは杖を構え向きを変えると、口角を上げる。
 「さぁ、もう一戦いくわよ。準備は良い?二人とも」
 二人が返事をすると同時に戦闘が始まった。

 その頃シホは、手の平の上に魔法で火球を浮かべ、闇を照らしながら探索を開始していた。いくつか冒険者のものと思われる亡骸を見つけるが、その度に納得がいかない様子で首を傾げる。
 時間も経ち、浮かない顔で皆と合流するシホは少し申し訳なさそうに喋る。
 「今日はあまりいい収穫なかったよ」
 そんなシホにいつもの調子のメリランダとエルテが返す。
 「お姉様特製の防腐処理もした事ですし、時間ならまだあります。それに特訓も始まったばかりです。焦らずいきましょう」
 「メリランダの言う通り。私もまだ戦いに慣れるの時間かかる。もっと友達を守れる力欲しい」
 「やはり素直なエルテさんは素敵ですね。ちょっと浮気をしてしまいそうです。シホさん、早めに私を抱いてくれないと困った事になりそうですよ?」
 シホのアホ毛がピンと反応する。
 「なんでそうなるの⁉メリランダ、エルテに変な事しないでよ?」
 「冗談ですよ、まだ」
 「まだ⁉」
 そんなやりとりを微笑ましく見守るリズは宿へ戻る事を促す。
 「まだまだ元気ね、あなた達。明日もあるんだから、特にメリランダはちゃんと身体を休めなさいよ?」
 一行は宿に戻った。


 特訓を繰り返す事、五日目。シホは焦っていた。
 「今日は隅々まで探してみるから帰りは先戻っててもらえるかな?」
 それだけ言い残すといつも通り呪詛の宴の奥地へと消えていった。エルテはその後姿を心配しメリランダと話す。
 「シホ最近イラ立ってる。ちょっと心配」
 「ですね。死者継承の力で能力値は伸びているようですが、お目当てのスキルと武器が手に入らず意地になっているのでしょう」

 シホは特に収穫も無く進んでいると、いつの間にか50層目の罪の分銅にたどり着いていた。
 「ここがリズさんが通れないって言ってた場所かぁ」
 少し人工的な造りで淡く光る石の様な素材で構成されている空間を進むと、壁が動き出し道が開かれる。
 「この先って深層部・・・・。って事は居るのも来るのも強いやつしか居ない。ここで力を吸収出来れば・・・・」
 シホは息を呑むと慎重に進んで行った。

 罪の分銅の先に広がっていたのは地面に空いた巨大な穴、そしてそれを囲むように狭い足場が外周にぐるりと存在しているのが分かった。出来れば戦闘は避けたい。そんな場所だった。
 穴の淵でシホは下をのぞき込むが底が見えない。落ちればアンデッドの身体とはいえ即死するだろう。
 その時背後に気配を感じ振り返ると、立派な鎧を着たアンデッドが一体接近していた。

 「命ヲォォ、ヨコセェェェ・・・・」
 「喋った⁉こいつ上位種なんだ!」
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