僕がこうなった理由

愛色紫街

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 僕の名前は青山あおやま 優人ゆうと。小学校6年生。

「優人!」

 友達の、小柄なのに格闘が得意でイジメが好きな、戸崎とさき 玲央れおが呼んでいる。

「じゃ、次はクラスで一番美人、秋野瀬あきのせさんに嘘告な!」

「え!そんなのやだよ。秋野瀬さんに悪いと思う。」

「は?つまんねーやろうだな優人は。もういいよお前。まっくんにやらせるから。」

「え!僕?」

「文句あんの?」

まっくんと呼ばれた、戸崎よりも小柄で、性格も弱弱しい木村きむら 松吉まつよしは、フルフルと首を振る。

「じゃあ、どうぞ!」

 木村は秋野瀬さんの席に行く。

「あ、秋野瀬さん、は、話があるから放課後教室に来てくれませんかっ?」

「あ、うん。」

返事はそっけなかった。しかし戸崎は嫌そうな顔をしてこう言う。

「今告れよ。」

「む、無理だよ。」

「はぁ、まぁいいや、放課後待つのはダルイから、明日結果よろ。」

「う、うん。」

 これが僕の周りの人達。


           ★*゚


 次の日だった。

「あ!まっくんどうだった!?」

「即振られたよ。」

「くはっはっはっ。やっぱり!?俺もそう思った!」

「なんだよ、恥ずかしい思いしたのに。」

「いいじゃんいいじゃん、そんぐらいのほうが楽しい。」

 戸崎は上機嫌だった。木村の「即振られた。」が、相当嬉しかったのだろう。
 
 僕らはたいてい3人で行動している。でも、最近僕は気づいてしまったのだ。こいつら嫌いだ。ということに。

「優人どうしたの?」

「何でもないよ、怜央。それより今日もやらせるの?僕らに嫌なこと。」

「あったりめーじゃん!昨日優人はやらなかったから、今日は優人やれよ!」

 木村の顔は変わらないように見えたが、今のセリフを聞いた時、少しだけ「ほっ」、吐息をはいた。

「わ、わかったよ、何すればいいんだよ。」

「うーん、どうしよう。」

怜央が何も思いつかなそうだったので、

「やっぱやめる?」

 と、僕が言った時だった。木村がこう言ったのだ。

「あ!いいの思いついた!」

「お!まっくんなんだ?」

「女子トイレに入って便器の水のむの!どう?」

「おお、いいなそれ!優人、決まりな。」

「えー、汚いよ。」

「昨日やんなかったんだからやれっての。ほら、行くぞ。」

 僕は主犯の戸崎ももちろん嫌いだが、一見被害者のような木村も嫌いだった。

「じゃあ、僕らはここで待ってる?」

木村がいうが、

「いや入ろうぜ、ちゃんと飲むか確認しねぇと。」

「そ、そうだね。」

と、2人とも入ってくることになった。

「うわー、ホントに汚ない。これ飲みたくないって。」

「つまんないってお前!早く飲めよ。」

「はいはい、こうなりゃヤケクソだ」

と言っては僕は飲もうとしたら、秋野瀬さんが入ってきた。

「うわ、変態男子サイテー。先生呼ぶ。」

「え?いやいや、変態なのは青山だだけだぞ?」

「え?なんで?」

「コイツが一人で女子便まで行って、女子の座った便座舐めるとか言ってたから俺が止めてあげただけっつーの。」

「は?そんなの信じる分けないじゃない。」

「はぁ、ここに証人がいるっての。な?まっくん?」

「そ、そうだよ。」

「はぁ。わかった。あんた達、誤解されたくなかったら、早く出ていった方がいいわ。」

「へいへい。」

 戸崎達が出ていく。

「秋野瀬?先生呼ぶの?」

恐る恐る、僕が聞いた。

「このヘタレ。」

「へ?」

「はぁ。何でもない。見なかったことにしてあげる。」

「・・・?」

そういうと、出ていってしまった。

「何しに来たんだろ、あいつ・・・。」

まぁ、僕は助かった。


          ★*゚


「ただいま。」

 家に帰る。しかし、母はいるがおかえりの声はない。いつものことなのだが。

「はぁ・・・」

 つまんない。つまんないつまんないつまんない!きらい、きらいきらいきらい!みんなだいっ嫌い。

「くそっ・・・。」

 僕は家で泣いている。たくさん。みじめすぎる。そしてちなみに母は家にいるのだが、そして泣き顔を見ているのだが、僕のことなど気にもとめない。それは受験に落ちたから。小学校に上がる時。

「母さんも友達もみんな嫌い。」

 ああ、いなくなればいいのに・・・。みんないなくなれよ。すると、

(オマエガイナクナレヨ)

 誰かの声がしたような気がした。

「・・・うん、そうだよね・・・。」

 僕は、リュックの中にパーカーとお菓子、そしてこの日のために少しずつ貯めておいたお金、三千円程度を詰めると、ベッドの下に入れておいた。

「夜中、この街を出ていってやる。」

 僕は、そう決心した。 
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