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プロローグ(ここからスタート)
家出
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1時5分。小学校6年生だと滅多に起きていない時間。僕は猛烈に襲ってくる眠気を我慢して、ベッドの下のリュックを手に取る。机の上には『今まで育ててくれてありがとう』とだけ書いた紙を置いていった。
「じゃあね、お母さん。」
誰にも気づかれないように家を出る。まず部屋のドアを開けた。音がしないように細心の注意を払う。かちゃ。静かな部屋に吸い込まれるような音が鳴った。
ふぅ、緊張する。初めての家出。というかおそらく最初で最後の家出。部屋から出たらリビングを通り越して、玄関のドアを開ける。ドキドキする。ゴクリと、つばをのみん込んだ時だった。
バタン!
トイレだ。お母さんがトイレに起きてきた。見つかったら終わりだ。今は息をひそめる?それとも思い切って出ていく?ドキドキと鼓動が早くなる。
出よう・・・。一応静かに出ることにした。ガチャ。玄関のドアが開く音と、トイレの水が流れるのが同時だった。これは良かった。なぜなら音がかき消されたから。パタン。玄関のドアがしまった。
僕は外に出れた。
「じゃあね・・・」
そう言って歩き出した。とりあえず近くの公園へ行く。そしてリュックの中身を確認した。
「お金は三千円、夜は寒くなるからパーカー、そして食料のお菓子。よし、ちゃんと入ってる。」
たったこれだけ。たったこれだけで小学校6年生がどこまでやれるかはわからないけれど、意味のある行動になることを願った。
★*゚
「そっか。もう電車ないんだ・・・。」
最寄駅から電車に乗って隣町まで行こうと思ったが、2時20分。電車など通ってるはずもなかった。
「流石に警察に補導されるのだけは嫌だから、目立たないよにしよう。」
そういって僕は裏道に入る。そして遠回りだが確実に家から離れていった。
「眠気が飛んだ・・・。」
眠くなくなった。そして明日から学校へ行かなくていい開放感で、気分は踊っている。
「でも、流石にこの時間に子供ひとりって危ないよね。」
そんなことを思いながらさっきの家からの最寄り駅の、次の駅の前まで来ていた。
「結構歩いたんだ・・・。」
人1人いなかった。酔っ払っている人がいるかとも思ったが、この街は「静」に覆われていた。
「3時を過ぎた・・・。」
公園の時計をふと見ると、3時4分だった。眠くなくて気分が清々しい。九月も終わりに入ってきたこの頃、少しひんやりしている夜にはパーカーはぴったりだった。
「うー、寒いかも。」
そういいながらパーカーを着る。小学校6年生にとって、未知の世界の3時10分。どこまででも歩けるような気分にもなっている。
「ああ、こんな開放感初めてだな。」
今までは、お母さんや友達に縛られていた気しかしない。しかし今は違う。自分でその縛りを解いた、そんな時だ。まだ朝になって欲しくはない。そんな思いがふとよぎった。
★*゚
がぁー、がぁー、がぁー、がぁー。
カラスの鳴き声が響きわたる。静かだったこの街に朝が来る。少しずつ登ってくる日差しを見て僕はだんだん眠くなってきた。
何も考えずに歩いていくと、チラホラと人が見えてきた。だが、そろそろ僕も限界だ。寝たい。寝たいけれど寝れる場所がない。しかも眠くて頭が働かなかった。
「公園だ・・・。」
5時過ぎに見つけた小さな公園。人通りも少なさそうだし、ここなら誰にも見つからないと思う。まるでこの公園には、どっかのアニメの空き地にあるような土管が置いてあった。
「土管の中でひと眠りしよう・・・」
そう言って、僕の意識は途切れた。
「じゃあね、お母さん。」
誰にも気づかれないように家を出る。まず部屋のドアを開けた。音がしないように細心の注意を払う。かちゃ。静かな部屋に吸い込まれるような音が鳴った。
ふぅ、緊張する。初めての家出。というかおそらく最初で最後の家出。部屋から出たらリビングを通り越して、玄関のドアを開ける。ドキドキする。ゴクリと、つばをのみん込んだ時だった。
バタン!
トイレだ。お母さんがトイレに起きてきた。見つかったら終わりだ。今は息をひそめる?それとも思い切って出ていく?ドキドキと鼓動が早くなる。
出よう・・・。一応静かに出ることにした。ガチャ。玄関のドアが開く音と、トイレの水が流れるのが同時だった。これは良かった。なぜなら音がかき消されたから。パタン。玄関のドアがしまった。
僕は外に出れた。
「じゃあね・・・」
そう言って歩き出した。とりあえず近くの公園へ行く。そしてリュックの中身を確認した。
「お金は三千円、夜は寒くなるからパーカー、そして食料のお菓子。よし、ちゃんと入ってる。」
たったこれだけ。たったこれだけで小学校6年生がどこまでやれるかはわからないけれど、意味のある行動になることを願った。
★*゚
「そっか。もう電車ないんだ・・・。」
最寄駅から電車に乗って隣町まで行こうと思ったが、2時20分。電車など通ってるはずもなかった。
「流石に警察に補導されるのだけは嫌だから、目立たないよにしよう。」
そういって僕は裏道に入る。そして遠回りだが確実に家から離れていった。
「眠気が飛んだ・・・。」
眠くなくなった。そして明日から学校へ行かなくていい開放感で、気分は踊っている。
「でも、流石にこの時間に子供ひとりって危ないよね。」
そんなことを思いながらさっきの家からの最寄り駅の、次の駅の前まで来ていた。
「結構歩いたんだ・・・。」
人1人いなかった。酔っ払っている人がいるかとも思ったが、この街は「静」に覆われていた。
「3時を過ぎた・・・。」
公園の時計をふと見ると、3時4分だった。眠くなくて気分が清々しい。九月も終わりに入ってきたこの頃、少しひんやりしている夜にはパーカーはぴったりだった。
「うー、寒いかも。」
そういいながらパーカーを着る。小学校6年生にとって、未知の世界の3時10分。どこまででも歩けるような気分にもなっている。
「ああ、こんな開放感初めてだな。」
今までは、お母さんや友達に縛られていた気しかしない。しかし今は違う。自分でその縛りを解いた、そんな時だ。まだ朝になって欲しくはない。そんな思いがふとよぎった。
★*゚
がぁー、がぁー、がぁー、がぁー。
カラスの鳴き声が響きわたる。静かだったこの街に朝が来る。少しずつ登ってくる日差しを見て僕はだんだん眠くなってきた。
何も考えずに歩いていくと、チラホラと人が見えてきた。だが、そろそろ僕も限界だ。寝たい。寝たいけれど寝れる場所がない。しかも眠くて頭が働かなかった。
「公園だ・・・。」
5時過ぎに見つけた小さな公園。人通りも少なさそうだし、ここなら誰にも見つからないと思う。まるでこの公園には、どっかのアニメの空き地にあるような土管が置いてあった。
「土管の中でひと眠りしよう・・・」
そう言って、僕の意識は途切れた。
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