上 下
18 / 26

18.最高の報告です

しおりを挟む

 まずいことになりました。どうしましょう?

「え!?あ、えっと、ど、どうにかなりませんか!?」

 どうしても参加して欲しくて、変な言葉が出てしまいました。

「そうですね…まだ可能性はないわけでもないですけど」

 本当に可能性が低いのか、かなり回りくどい言い方をされました。

「ど、どうすれば良いのですか!?」

「校内の映像を勝手に使う訳にはいきませんので、校長先生、学年主任の先生に許可を取らなければなりません。その時に、私も臨時で参加して良いか伺ってみましょう」

「分かりました!手紙を出せば良いですか?」

「私が聞いてみましょう。実際に通っていますし、伺いやすいでしょう」

「あ、ありがとうございます!」

 確かに自分が言うより可能性はあると思ったので、リデイザ様にお願いすることにしました。

「では、3日後に会いましょう」

「はい。どうかよろしくお願いします」

 私はうまくいきますように、と祈りながらリデイザ様を見送りました。




 3日が立ち、2回目の会議の日がやってきました。簡単に挨拶を済ませたあと、早速本題に入ります。私とリデイザ様が考えた予定を話すと、皆様が褒めてくれました。

「いいと思います。では、なるべく近くにいたら良いのですね?」

「はい。私が食べるものを見分けられるくらい近くにいてもらえると嬉しいです」

「良いですね。では、その予定でいきましょう」

 一旦話に区切りがついた時、私はそっとリデイザ様の方を見てみました。私の視線を受けて、リデイザ様が口を開きました。

「私は皆様と学年が違うので、本来学年集会には参加出来ません。ですが、校長先生と私の学年主任の先生に、どうしても参加したいと話したら、少しならいい、と許可されました。もちろん、婚約破棄をするからとは言えませんので、理由は友達と話したいからと誤魔化しておきましたけどね」

「許可が出たのですか!?」

 私が興奮してそう言うと、リデイザ様は頷きました。

「でも少しですので、会場にいられるのは婚約破棄する間だけになると思いますが」

「大丈夫です!本当にありがとうございます」

 本当に良かったです。周りを見ると、御三方は微笑んでこちらを見ておられます。なんだか私だけが興奮しているようで、少し恥ずかしいです。

「え、映像の使用許可は出ましたか?」

 何か言おうと思って、映像の事を出しました。

「はい。編集して学年の思い出として流す、と言えば許可されました」

「良かったです」

「私たちの報告はここまでですね」

 リデイザ様が話を締めくくります。

「では、次は私たちの報告ですね」
しおりを挟む

処理中です...