20 / 26
20.いよいよです
しおりを挟む「では、本日も頑張りましょう」
3度目の会議が始まりました。来週の今日が学年集会なので、今回が最後の会議になります。
「まず、場所についてですが…」
ここで、私は下見した日の翌日に書いた、場所が細かく書いてある紙を広げました。そして、お姉様と打ち合わせた通りに説明します。一通り説明を終えると、皆様が頷いてくれたので、それに満足して話を進めます。
「では、私から言わせていただきますね」
メーランド様が話し始めました。
「隣国と取引している様子を映像石に収めることが出来ました。こちらです」
そう言って映像石を取り出し、起動させます。屋敷の応接室のような場所が映し出されました。真っ先に目に飛び込んできたのは真っ黒のローブを着た1人の男です。その奥には、メデラウス様とその父親でデーロウ家の当主でもあるバリウス・デーロウ様の姿もありました。
「お金と魔法石です。頼みますね」
「受け取った。今後ともよろしく頼む」
あたかもデーロウ家のほうが立場が上であるかのように話しています。同じ事を思ったのか、バレンタ様がぽつりと呟きます。
「明らかに隣国の方のほうが有利でしょうに」
「私も思いました。隣国はすぐに手を切れるし、実際に魔法石を使用していて、見つかった時に困るのはデーロウ家ですよね。何故自分たちが立場が上だと思ったのでしょうか」
「自分たちが協力してあげている、という感覚なのでは?見つかった時の事など考えていないとか」
「そうだとしたら、親子そろっておめでたい頭をしておられますね」
そうですね…と皆様ため息をつかれます。
「でも、隣国からしたらこれ以上ないほど都合のいい相手なのでは?下手に出ておけば取引を止められる事もないですし」
「つまり、いいカモという訳ですね」
再度、皆様がため息をつかれます。
「とにかく、映像は手に入ったので良しとしましょう」
「そうですね。浮気の証拠の方はどうなっていますか?」
「たくさん映像が撮れていますよ。でも、ルダノーナ様にはまだ内緒です」
「ええ!?何でですか!見せてくれたっていいじゃないですか」
「会場でのお楽しみですよ。どんな反応をしてくれるのか楽しみですわ」
そう言って皆様ニコニコされています。私はぷくっと頬を膨らませます。
「とりあえず、当日も頑張りましょう!」
気を取り直してそう言うと、皆様頷いてくれました。
「ええ。メデラウス様をあっと言わせてやりましょうね」
「トラブルがあれば私たちが対処します。だからガチガチに緊張しなくても大丈夫ですよ」
「ありがとうございます!」
最終的にいい雰囲気で会議を終えることができました。
さあ、気合いを入れて臨みますか!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
42
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる