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第6話
しおりを挟むシャーロットはウィリアムにどんな考えがあるのか分からなかった。
「考え…ですか?」
「はい。我が国の公爵家、サクシード家を知っていますか?」
「ええ、名前だけは…」
「サクシード家は残念ながら子宝に恵まれなかったのです。そこで、養子を取ろうと考えているようなので、私があなたを紹介します。王族の紹介を無視は出来ないでしょうし、元貴族だった経歴があるあなたなら大丈夫でしょう」
「しかし、廃嫡された経歴もあるのですよ?」
「その辺りは私が何とかします。とにかく、明後日に出発しますので、準備していて下さいね」
「あ、はい…」
とりあえず返事をしたが、準備する事などない。服は歩きやすいように、庶民に見えやすいように軽くて粗末な物だ。アクセサリーも少ししか持ってきていないので、選ぶ余地がない。シャーロットがそう考えていると、この屋敷の使用人らしき人が入ってきた。
「少々お時間頂いてよろしいでしょうか」
「はい。どうかしましたか?」
「殿下より、明後日着用するドレスを決めて欲しいとの事です」
シャーロットは驚いた。自分の思考を読んだようにドレスを選べと言ってきたからだ。
「分かりました」
シャーロットは立って待っていた。すると、使用人が慌ててシャーロットを呼んだ。
「こちらへ来て頂けますか?」
「え?」
「別の部屋に用意しておりますので」
「別の部屋?」
ついて行くと、一部屋にぎっしりとドレスが並んでいた。シャーロットは言葉が出ない。
「好きな物をお選びください」
(そう言われても…)
とりあえず自分のイメージカラーと似た色のドレスを選び、アクセサリーも選んで、使用人に感謝を伝えて部屋に戻る。今度は、自分の部屋にありえない量の料理が並んでいる。王族の普通が分からない。そんな感じで振り回されながら二日間を過ごした。
「準備出来ましたか?」
「はい…でも、何故か少し疲れました」
「そうなんですか?何故でしょう…」
ウィリアムは本気で悩んでいる。その様子を見てシャーロットはため息をつく。
「どうかしましたか?」
「いえ、なんでもないです…」
二日間でかなり仲良くなったので、雑談をしていたら、いつの間にかサクシード家の前に着いていた。降りる時も、シャーロットをエスコートしてくれる。胸のドキドキを必死に抑えながら、平然を装って馬車から降りた。
「こんにちは、ウィリアム殿下。久しぶりですね」
「こんにちは、サクシード公爵。お久しぶりです。お元気でしたか?」
「ええ」
ウィリアムとサクシードはかなり仲がいい様子で話している。
「そちらの方がシャーロットさんですね」
「初めまして。シャーロットと申します」
「とりあえず、中に入りましょう」
こうして、私の運命を決める話し合いが始まった。
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