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緋色の一閃
二・五
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「鬼、ですか」
部下の声に遠藤はピクリと眉を上げる。
いかんな。神経が過敏になっていると思う。
これも連日の捜査のせいだ。
今追っている事件はなかなか進展しない。雲を掴むというのか地道に仕事をしていても同じ所をグルグルと回っているような。
そんな感覚がする。
「本当にいるんですね」
部下が手に取った写真には立派な体格をした不機嫌そうな顔の男が写っている。
「津川。仕事をしろ」
「してますって。遠藤さんこそそんな調子じゃ倒れますよ。ろくに休んでないでしょう」
「そんなにヤワじゃない」
「ちょいちょい休憩とりながらの方が効率いいですよ」
ため息をつく。今の若いやつは……といっても遠藤もそれほど歳ではないが、何かと効率だのタイムパフォーマンスだのと言いたがる。
「お前とは違うんだよ。お前は被害者の前でも同じことが言えるのか?」
「……すみません」
「分かったならいい」
何本目になるか分からないコーヒー缶をゴミ箱に捨てる。ガコン、と軽い音が鳴った。
「それにしてもおっかないですね。鬼っていうなら人食べたりするんですか」
反省はしているようできちんと仕事の資料を探りながら津川は言う。
「というか、この隣に書いてある『アリアケ』って何ですか?」
わざわざ説明してやることを億劫に思いながらも言うまではどうせこの話を終わらせる気はないだろうと思って仕方なく答えてやる。
「その男は二十五パーセントが妖怪の血筋だから月齢二十五日の有明から取って『アリアケ』というコードネームが付けられている」
「へえ。そんな洒落た名前誰がつけたんですかね。というか遠藤さん詳しいですね。もしかして知り合いですか?」
「……少しな」
遠藤は疲れた目で苦々しく写真を見る。
津川の手から写真が添付されている資料を取り上げるとデスクのスチール棚に入れてすぐに閉めた。
「この話は終わりだ」
集中の邪魔だ、と思いながら。
部下の声に遠藤はピクリと眉を上げる。
いかんな。神経が過敏になっていると思う。
これも連日の捜査のせいだ。
今追っている事件はなかなか進展しない。雲を掴むというのか地道に仕事をしていても同じ所をグルグルと回っているような。
そんな感覚がする。
「本当にいるんですね」
部下が手に取った写真には立派な体格をした不機嫌そうな顔の男が写っている。
「津川。仕事をしろ」
「してますって。遠藤さんこそそんな調子じゃ倒れますよ。ろくに休んでないでしょう」
「そんなにヤワじゃない」
「ちょいちょい休憩とりながらの方が効率いいですよ」
ため息をつく。今の若いやつは……といっても遠藤もそれほど歳ではないが、何かと効率だのタイムパフォーマンスだのと言いたがる。
「お前とは違うんだよ。お前は被害者の前でも同じことが言えるのか?」
「……すみません」
「分かったならいい」
何本目になるか分からないコーヒー缶をゴミ箱に捨てる。ガコン、と軽い音が鳴った。
「それにしてもおっかないですね。鬼っていうなら人食べたりするんですか」
反省はしているようできちんと仕事の資料を探りながら津川は言う。
「というか、この隣に書いてある『アリアケ』って何ですか?」
わざわざ説明してやることを億劫に思いながらも言うまではどうせこの話を終わらせる気はないだろうと思って仕方なく答えてやる。
「その男は二十五パーセントが妖怪の血筋だから月齢二十五日の有明から取って『アリアケ』というコードネームが付けられている」
「へえ。そんな洒落た名前誰がつけたんですかね。というか遠藤さん詳しいですね。もしかして知り合いですか?」
「……少しな」
遠藤は疲れた目で苦々しく写真を見る。
津川の手から写真が添付されている資料を取り上げるとデスクのスチール棚に入れてすぐに閉めた。
「この話は終わりだ」
集中の邪魔だ、と思いながら。
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