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緋色の一閃
四
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「俺は、鎌鼬だ。人間なんかに捕まるわけがない」
そう言って犯人は去って行った。
犯行にはいずれも刃物が使われている。
自称鎌鼬事件。
「この証言を元にこれから調査を開始する」
重吾はそう言った。
「まず犯行が行われる範囲は隣駅の周辺だ。お前の大学もこのあたりだな」
重吾はどこからか大きな地図を取り出してきた。最近見ないような紙の地図だ。アナログだなと思う。
ペンを取り出してきて事件の場所を三点書くとそれを中心に円を描いた。
「この円は何ですか?」
「事件が近場に集まっていることから考えて円のあたりがおそらく被害者の縄張り……。何かしらの関連のある場所だ。行動する範囲から何か分かるかもしれない」
そう言って重吾は指で円をなぞった。
「このあたりから調査……。どんな状況で、何が起こっているか。聞き込みと現場検証をする」
おお、まるで探偵みたいだなと思う。
「自分が鎌鼬だ、という犯人の言葉は本当なんでしょうか……?」
「いや、それはないな」
重吾は首を振る。
双葉は扇子を顎に当てた。
「人間に社会の繋がりがあるように妖怪には妖怪のネットワークがあるんだよ。それによると、このあたりで鎌鼬は確認されていない」
「十中八九嘘だろうな」
だったらいいのだが。
いや、よくないか。アキラは考え直す。
それは、犯人は人間ということなのだから。
「だけど、話を聞くと普通は頭のおかしい人間の仕業だと思うよな……」
昨夜のことを思い出しながらアキラは大学のベンチに座って昼食をとっていた。
今日はコンビニで買った菓子パンと紙パックのジュースだ。
調査する、とは言っていたがこれからどんなことをするのか……。考えこみながら作業的にパンを口に運ぶ。
「よお」
驚いてビクッと背筋が伸びる。
いつの間にか背中合わせになるようにして反対側のベンチに重吾が座っていた。
「何でいるんですか」
今日の重吾は革ジャンに黒のズボンという服装だった。
短髪を後ろに撫でつけて目つきが悪いその顔は普通の大学生には見えない。
相変わらず何というか……威圧感がある。
「声をかけちゃまずかったか」
「いやまずいってことはありませんけれど……」
まずくはないが気まずい。
面と向かってこないということは向こうもそう思っているのではないだろうか。
「弁当を忘れていったって双葉が言うから持ってきたんだが……。お前はもう食べているし俺がもらうな」
「どうぞ。あと作ってもらっておいて申し訳ないんですけれど、昼は自分で用意するので作ってもらわなくても大丈夫です」
何となく二人の面倒見がよすぎて困るな、とアキラは思う。
自分たちのペースを乱されるのが苦手なのか家事を引き受けると言っても最低限しかさせてもらえない。ありがたいが、下宿させてもらっているのはこっちのはずなのにな……と思う。
「事件のこと、よろしく頼む」
真剣な顔で重吾は言った。
「お前を手伝わせることはどうかと思うが、正直猫の手も借りたいところだ」
不完全燃焼だからか、頼ってもらえるのは嬉しいと思ってしまったりする。
「はい。俺に出来ることなら頑張ります」
「その意気だ、脛齧り」
一言多い。
「アキラ」
重吾にちゃんと名前を呼んでもらえてないと気づいてきっぱり言った。
「俺はアキラです。ちゃんと名前で呼んでください」
「お前って意外とガキだよな」
重吾さんは地味に口が悪いですよね、とは言わないでおく。
「重吾さんってちなみに何歳なんですか」
「二十四」
「……いっこ下です」
アキラは二十三歳なので一歳差だ。
負けた感じで悔しい。いや、何で争っているのだという感じだが。
「アキラ。俺は先に出る」
重吾が渡してきたメモをアキラは受け取った。角ばった無骨な字で住所が書いてある。
「俺はそのあたりを調査する。お前は別方面をあたってみてくれ」
「わかりました」
「じゃあな」
それだけ言って去っていく。
なんだかな、とアキラは思う。
嫌われているわけじゃないと思うが、距離がある感じがする。
遠い目をしていると後ろで声がした。
「脛齧りってあなたのこと?」
いつの間に立っていたのか、女性がアキラを見下ろしていた。
「えっと、あの……」
「スネコスリみたいでかわいいじゃない」
そう言って控えめに微笑む。
初対面だよな……?とアキラがジッと見ていると申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい。盗み聞きして」
「謝らなくていいですけど……」
初対面の気もするけれどどこかで見たような気もする。
アキラが内心首を傾げていると女性は言った。
「スネコスリ、知ってる?」
「知ってます。妖怪ですよね」
「そう。わりとメジャー。映画とかにも出てくるし」
女性はなぜかアキラの前に回ると頭を下げた。
「先日は申し訳ありませんでした」
「え?あ、はい」
いきなりなので何のことを言っているのか分からないがとりあえず頷いた。
重ための前髪が顔を隠してしまっている。
「大丈夫です。顔を上げてください」
何が大丈夫なのかは分からないが頭を下げたままではまわりの視線が気になる。
女性はアキラの言葉を聞いてソッと顔を上げる。
美人だった。
派手さはないが睫毛の長いすっきりした目、小ぶりな鼻と口元。
整いすぎてどこか人形めいたところがある。
肩にサラリとかかる黒髪も綺麗だ。
「私のこと、分かります?」
「ええっとすみません。どこかでお会いしましたか?」
知り合いだとしたら結構失礼だな、と思う。
「文学部棟の廊下」
ポツリと言われたことで先日のことを思い出す。もしかして廊下でぶつかった子だろうか?
言われてみればそんな気がする。
「ええっと、廊下で会いましたか?」
「会ったというか、衝突して……」
女性はいったん上げていた顔をますます下げる。
「すみません。あの時は少しイライラしていて」
「大丈夫ですよ。そんな気分のときもありますよね」
わざわざ謝りに来てくれたのかと思う。
ホッとしたように女性は胸の前で手を組んだ。
「……ありがとうございます」
女性に免疫がないというのもあるが仕草がいちいち可愛いと思ってしまう。
こんなことが双葉に知れたらからかわれるの確定だな……と天を仰いだ。
「あの、何年生ですか」
アキラは思わずそう聞いていた。
「四年です」
「俺は院の一年です。一個上ですね」
そうですか、と彼女は呟いた。
その淡白な反応を見て学年より前に言うことがあったなとアキラは思う。
「俺、二条旦っていいます」
「高杯です」
頭を下げた。
「私の名前。高杯唯です」
「高杯さん」
「年下なので唯で大丈夫です」
唯がはにかむ。
唯さん、か。
名前もかわいいな、なんて呑気なことを考えていた。
「あの、一つ聞きたいんですけれど」
唯が突然食い気味に聞いてきたので何かと思った。
「鎌鼬の事件について何か調べているんですか?」
「あーえっと」
どう答えたものかと思う。調査は今からするがまだ始まってもいないのだから現状で話せることはない。
「俺は使い走りみたいなものだからまだ詳しいことは分からないんだけどこれから調査するつもりというか……」
「そう、ですか……」
目に見えて唯が萎れる。
よく分からないが何か困っているようだった。思わず声をかける。
「困っているなら話を聞くよ」
「本当ですか?」
「俺でよければ」
「迷惑でなければ、お願いします」
表情が乏しい方なのかあまり顔は変わらないが嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。
「鎌鼬の事件に関係することでうちのゼミ生の後輩さんが何か困っているらしくて。いっしょに話を聞いてもらえませんか?」
「もちろん。都合がつくとき教えてもらえる?」
「では、明日の午後はどうですか?向こうの予定も聞かないといけませんが時間を合わせるように言っておきます」
「午後。うん、大丈夫」
アキラは頷いた。
「ありがとうございます。あの、連絡先交換していいですか?」
唯が携帯電話を出した。
アキラも鞄から取り出す。
「うん、オーケー」
とんとん拍子で話が進みすぎな気もしたがこの時のアキラは特に気にもしてなかった。
そう言って犯人は去って行った。
犯行にはいずれも刃物が使われている。
自称鎌鼬事件。
「この証言を元にこれから調査を開始する」
重吾はそう言った。
「まず犯行が行われる範囲は隣駅の周辺だ。お前の大学もこのあたりだな」
重吾はどこからか大きな地図を取り出してきた。最近見ないような紙の地図だ。アナログだなと思う。
ペンを取り出してきて事件の場所を三点書くとそれを中心に円を描いた。
「この円は何ですか?」
「事件が近場に集まっていることから考えて円のあたりがおそらく被害者の縄張り……。何かしらの関連のある場所だ。行動する範囲から何か分かるかもしれない」
そう言って重吾は指で円をなぞった。
「このあたりから調査……。どんな状況で、何が起こっているか。聞き込みと現場検証をする」
おお、まるで探偵みたいだなと思う。
「自分が鎌鼬だ、という犯人の言葉は本当なんでしょうか……?」
「いや、それはないな」
重吾は首を振る。
双葉は扇子を顎に当てた。
「人間に社会の繋がりがあるように妖怪には妖怪のネットワークがあるんだよ。それによると、このあたりで鎌鼬は確認されていない」
「十中八九嘘だろうな」
だったらいいのだが。
いや、よくないか。アキラは考え直す。
それは、犯人は人間ということなのだから。
「だけど、話を聞くと普通は頭のおかしい人間の仕業だと思うよな……」
昨夜のことを思い出しながらアキラは大学のベンチに座って昼食をとっていた。
今日はコンビニで買った菓子パンと紙パックのジュースだ。
調査する、とは言っていたがこれからどんなことをするのか……。考えこみながら作業的にパンを口に運ぶ。
「よお」
驚いてビクッと背筋が伸びる。
いつの間にか背中合わせになるようにして反対側のベンチに重吾が座っていた。
「何でいるんですか」
今日の重吾は革ジャンに黒のズボンという服装だった。
短髪を後ろに撫でつけて目つきが悪いその顔は普通の大学生には見えない。
相変わらず何というか……威圧感がある。
「声をかけちゃまずかったか」
「いやまずいってことはありませんけれど……」
まずくはないが気まずい。
面と向かってこないということは向こうもそう思っているのではないだろうか。
「弁当を忘れていったって双葉が言うから持ってきたんだが……。お前はもう食べているし俺がもらうな」
「どうぞ。あと作ってもらっておいて申し訳ないんですけれど、昼は自分で用意するので作ってもらわなくても大丈夫です」
何となく二人の面倒見がよすぎて困るな、とアキラは思う。
自分たちのペースを乱されるのが苦手なのか家事を引き受けると言っても最低限しかさせてもらえない。ありがたいが、下宿させてもらっているのはこっちのはずなのにな……と思う。
「事件のこと、よろしく頼む」
真剣な顔で重吾は言った。
「お前を手伝わせることはどうかと思うが、正直猫の手も借りたいところだ」
不完全燃焼だからか、頼ってもらえるのは嬉しいと思ってしまったりする。
「はい。俺に出来ることなら頑張ります」
「その意気だ、脛齧り」
一言多い。
「アキラ」
重吾にちゃんと名前を呼んでもらえてないと気づいてきっぱり言った。
「俺はアキラです。ちゃんと名前で呼んでください」
「お前って意外とガキだよな」
重吾さんは地味に口が悪いですよね、とは言わないでおく。
「重吾さんってちなみに何歳なんですか」
「二十四」
「……いっこ下です」
アキラは二十三歳なので一歳差だ。
負けた感じで悔しい。いや、何で争っているのだという感じだが。
「アキラ。俺は先に出る」
重吾が渡してきたメモをアキラは受け取った。角ばった無骨な字で住所が書いてある。
「俺はそのあたりを調査する。お前は別方面をあたってみてくれ」
「わかりました」
「じゃあな」
それだけ言って去っていく。
なんだかな、とアキラは思う。
嫌われているわけじゃないと思うが、距離がある感じがする。
遠い目をしていると後ろで声がした。
「脛齧りってあなたのこと?」
いつの間に立っていたのか、女性がアキラを見下ろしていた。
「えっと、あの……」
「スネコスリみたいでかわいいじゃない」
そう言って控えめに微笑む。
初対面だよな……?とアキラがジッと見ていると申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい。盗み聞きして」
「謝らなくていいですけど……」
初対面の気もするけれどどこかで見たような気もする。
アキラが内心首を傾げていると女性は言った。
「スネコスリ、知ってる?」
「知ってます。妖怪ですよね」
「そう。わりとメジャー。映画とかにも出てくるし」
女性はなぜかアキラの前に回ると頭を下げた。
「先日は申し訳ありませんでした」
「え?あ、はい」
いきなりなので何のことを言っているのか分からないがとりあえず頷いた。
重ための前髪が顔を隠してしまっている。
「大丈夫です。顔を上げてください」
何が大丈夫なのかは分からないが頭を下げたままではまわりの視線が気になる。
女性はアキラの言葉を聞いてソッと顔を上げる。
美人だった。
派手さはないが睫毛の長いすっきりした目、小ぶりな鼻と口元。
整いすぎてどこか人形めいたところがある。
肩にサラリとかかる黒髪も綺麗だ。
「私のこと、分かります?」
「ええっとすみません。どこかでお会いしましたか?」
知り合いだとしたら結構失礼だな、と思う。
「文学部棟の廊下」
ポツリと言われたことで先日のことを思い出す。もしかして廊下でぶつかった子だろうか?
言われてみればそんな気がする。
「ええっと、廊下で会いましたか?」
「会ったというか、衝突して……」
女性はいったん上げていた顔をますます下げる。
「すみません。あの時は少しイライラしていて」
「大丈夫ですよ。そんな気分のときもありますよね」
わざわざ謝りに来てくれたのかと思う。
ホッとしたように女性は胸の前で手を組んだ。
「……ありがとうございます」
女性に免疫がないというのもあるが仕草がいちいち可愛いと思ってしまう。
こんなことが双葉に知れたらからかわれるの確定だな……と天を仰いだ。
「あの、何年生ですか」
アキラは思わずそう聞いていた。
「四年です」
「俺は院の一年です。一個上ですね」
そうですか、と彼女は呟いた。
その淡白な反応を見て学年より前に言うことがあったなとアキラは思う。
「俺、二条旦っていいます」
「高杯です」
頭を下げた。
「私の名前。高杯唯です」
「高杯さん」
「年下なので唯で大丈夫です」
唯がはにかむ。
唯さん、か。
名前もかわいいな、なんて呑気なことを考えていた。
「あの、一つ聞きたいんですけれど」
唯が突然食い気味に聞いてきたので何かと思った。
「鎌鼬の事件について何か調べているんですか?」
「あーえっと」
どう答えたものかと思う。調査は今からするがまだ始まってもいないのだから現状で話せることはない。
「俺は使い走りみたいなものだからまだ詳しいことは分からないんだけどこれから調査するつもりというか……」
「そう、ですか……」
目に見えて唯が萎れる。
よく分からないが何か困っているようだった。思わず声をかける。
「困っているなら話を聞くよ」
「本当ですか?」
「俺でよければ」
「迷惑でなければ、お願いします」
表情が乏しい方なのかあまり顔は変わらないが嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。
「鎌鼬の事件に関係することでうちのゼミ生の後輩さんが何か困っているらしくて。いっしょに話を聞いてもらえませんか?」
「もちろん。都合がつくとき教えてもらえる?」
「では、明日の午後はどうですか?向こうの予定も聞かないといけませんが時間を合わせるように言っておきます」
「午後。うん、大丈夫」
アキラは頷いた。
「ありがとうございます。あの、連絡先交換していいですか?」
唯が携帯電話を出した。
アキラも鞄から取り出す。
「うん、オーケー」
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