銀色童話

黒池 火魚

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次の日…起きて、お家の中を探索していると…なんでか、ご主人様が慌てて部屋から飛び出てくる。

「うわ~どうしようぉ~慎に叱られちまうわ。
 か…隠れた方がいいかな。」

何事か色々と言いながら慌ててるご主人様の後をてぺてぺてと追いかけてくと、五郎君の部屋に入ってく。

あのね…この家は五人人が住んでるんだ。

加藤慎君と稲川五郎君と早川徹さん…

全員、住んでいるのは2Fで…1Fはリビングとキッチンとお風呂場があるんだ。

あ、拓哉さんだけが1Fに住んでいるの。

階段を上がってすぐのお部屋は慎君のとこ。

慎君は、色んな物を集めて、たまに僕に見せてくれるんだ。
何かよくわからないんだけど…その顔は嬉しそうで、見てて嬉しい。
ご主人様はよく慎さんの物を持ち出しちゃあ、壊したりしちゃうんだよ。
その気は無くてもねぇ…

拓哉さんにもよく言われてるんだよ…

《少しは落着いて行動しろ!》…って。

慎君のお隣に住んでいるのは五郎君。

五郎君もね、妙な物を持ってたりするんだ。
呪術がどうのとか…言ってよくわからないんだけど…職業が陰陽師…なんだって。
自分でそう言ってた。凄く楽しそうに…

で、僕にね。

《内緒だよ?》

…って言って、白い紙を動かしてくれたんだよ。何もしてない紙が動くのは、最初はびっくりしたけど、見てると結構、面白かったりした。

『剛?』

光ちゃんの声に振り返ってみると、するりと五郎君の部屋にご主人様は入ってく。

あ、だめだよ~バレたらもっと怒られるんだよ~

慌てて光ちゃんと一緒に入ってみると、ご主人様の手は血だらけだった。
ぺろりと自分で血を拭い取りながら、

「あ~駄目だ、血が零れちまう。
 確か…
 この辺に五郎がばんそこを入れてたよな…
 ん…なんだ、この布切れ?」

一人ぶつぶつと何かを言いながら、探してるご主人様をぼーっと見てたけど。
『剛…この部屋から出よう。
 何か嫌な予感がするんだ…』

光ちゃんの真剣な声に、こくりと頷く。

ん、けど…ご主人様に一声掛けてから出よ…

『光ちゃんとちょっと出かけてくるね~』

そう言ったんだけど…聞こえなかったみたい。
手の中の布切れを持上げてしっかりと見てる。
しっかりと丁寧に包まれた布が気になるのかご主人様はぺろりと捲ると、その血が見えた棒に零れた瞬間…

辺り一面真っ白な光に包まれた。

何か解らない光り…


「にゃ~」

すごく…眩しい…

ごしって目を擦って…あれ…なんか…変な気がする。


「あー!
 つ、剛が…光がぁ~どうすんべ…」

ご主人様が驚いたように僕をじっと見て、そう叫んでいた…

何か…視線の高さが違うような気もするし…あ…
僕の傍に倒れてる人が居る…見覚えの無い…誰だろ。

『光ちゃんは何処~』

あれ…何か声が変~手が変~

『んん?』 

まじまじと見てると、手が・・・いつも見てると違う。

よく見ると、ご主人様と同じ姿に変わってた~?

あれ?

じゃあ…もしかして…そこで倒れてるのが光ちゃん?

近付いて見ると、綺麗な琥珀の髪の毛…

ぺろりと顔を舐める。

気付いて欲しくて…何度か舐めてるうちに、その人の目がしっかりと開いた。

最初はぼんやりとしてた瞳の光がしっかりしてくる。

『光ちゃん…大丈夫?』

見上げてくる琥珀の瞳は確かに光ちゃんのもの。

『剛…一体なんだ?』

何度か頭を振っている光ちゃんの問いに首を傾げてしまう。

『判んない。』

何が起きたのか僕も判らないから…じっとご主人様を見ると、頭を抱えてうろうろとしている。

騒ぎを感じ取ったのか拓哉さんと五郎君が入ってきた。

たぶん…二人ともリビングに居たんだと思う。
この時間は…まだゆっくりとお茶してる時間だもん。

「あ~!

 てめ、正広、何て事を~
 …呆れてモノが言えねえよ…」

がっくしと肩を落として…最初に声を出したのは拓哉さん。

そしてじっと僕達を見て、ご主人様を見てから、

「…何をしたか…ゆっくりとリビングで話してくれるよね?
 この2人も誰なのか…

 きちんと、教えてもらわないと…」

にっこりと笑って五郎君がそう言った。しっかりとご主人様の首辺りを持って…

逃げ出す事も出来ないご主人様は諦めたように、素直にされるようにしてたけど、降りる前に拓也さんに伝えてた。

「そいつらは光と剛だよ・・・」

拓也さんは・・・苦虫をかんだような顔をした・・

「取り合えずは、剛だけでも服着せないとな…

 他の奴等の眼のやり場に困るだろうから…」

拓哉さんが着てた服を羽織らせて、着せようとするんだけど…

こんなん着るのやだぁ~

暴れ出した僕に向かってご主人様がいきなり口を開いて言う。

「剛…暴れんなよな。
 今はそれを着ないと、このあと部屋から一歩も出さねぇぞ。

 それでもいいっていうんならな。」

うぅ…お部屋から出してもらえないのは嫌だし…しぶしぶと大人しく…拓哉さんがするがままに任せていた。

布一枚でも何や、嫌やな~
更にきついものを下に履かされて…

これ、いやだぁ~

光ちゃんは拓哉さんから渡されたものを素直に着た。

何で…そんな素直に普通に着れるんかな。
ご主人様が時折、服を着るの嫌がったりするの見てるから、僕も嫌だって思っちゃうのかな~

『ねぇ…光ちゃん。

 何か変な感じ。』

人間って不便なもん着てる。

こんなん着てたら、すぐに窒息するような気がするけど…
僕の言葉に光ちゃんはくしゃりと頭を撫でた。

『変な感じはするけど…仕方ないだろ?』

それにコクンと頷く。
やってどうしてこうなったんかも、僕にはよぉ判らないし…

何時もは四本足で歩いてるのに…二本足で歩くのは…何か怖いなぁ…

光ちゃんは何かすたすたと普通に歩いてるし…

「なぁ…光、とりあえず…あいつには暫く、お前が家にいるって言っておく。
 元に戻るまで…それでいいな。」

ご主人様の言葉に、光ちゃんはコクンと頷いた。

『この後…
 どうしたら、元に戻るんだろうね?』

皆が居なくなって…二人きりになってそう言うと、光ちゃんはころりと横になった。

『そんなの…近いうちに何とかするって正広君が言ってたし…

 とりあえず…昼寝しようか、剛。』

僕の方を向いて言うから、思わず満面に笑みを浮かべて頷いた。

ほかの誰よりも…光ちゃんの側で眠るのが好きだから…
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