白い結婚をしたら相手が毎晩愛を囁いてくるけど、魔法契約の破棄は御遠慮いたします。

たまとら

文字の大きさ
2 / 14
プロローグ

後朝の据え膳

しおりを挟む
ヴォルフはきんとした痛みを股間に感じた。
わかってる、朝立ちだ。

この物理的な状態異常で朝の訪れを知る事、すでに六年余り。
………しょうがない。
相棒の"右手君"になんとかしてもらおう。
……すっごい惨めだ。

そんな泣きたい気分でも、俺の俺は早よせぇとずっきんずっきん主張してくる。
はいはいちょっと待っててねぇ、とパンツをずり下げるために体制を変えようとしたらソレに気が付いた。

くぅくぅと寝息が聞こえる。


ど、ど、どぉなってんだぁ!!

電撃から身を護ろうと横に飛び跳ねたら、ベッドが揺れてくぅんと声がした。

………….…、え?

同じベッドに人がいる。
しかも近距離だ。
1M以内だ。
俺の俺は勃っている。
なのに電撃が来ないだとぉ⁉︎

ヴォルフは恐る恐る隣で眠る人を見た。
あまりの衝撃で俺の俺は状態異常を脱している。
つまり臨戦形態をやめてふにゃってなってる。

隣の人はこっちに背を向けて横向きに寝ていた。
ヘーゼル色の髪がわさわさと枕に広がって、そこから寝息がしている。

誰だこいつ。
なんで俺のベッドにいる。
しかも起きねぇし。

あぁ頭が痛てぇ。
飲み過ぎたぁ。

這いずる様にベッドからでて水を飲んだ。
もうバケツ一杯飲んだ。
水を飲んで覚醒したら思い出した。
そういえば、俺、結婚したんだ。


昨日までは領地いったりして大忙しだった。
昨日も午前は貴族がずらりと並ぶ中で臣籍降下の儀があって、午後に結婚式があったのだ。
式のあとグランハルトの屋敷に兄上がこっそりやって来て、魔法局長官と宰相と財務大臣とセルジオとで多数決による行使で"勃ったらビリビリ君"を解除してくれたんだ。
んで、"良かった!""めでたい!"と歌って乾杯して痛飲して…どしたんだっけ?


"勃ったらビリビリ君"は1M以内に勃ったちんちんが有ったら、電撃が発動する魔道具だ。

6年だ。
それが6年も着いてたおかげでヴォルフはチュウも添い寝もぬきあいも出来なかった。
こんな隣に人が寝てるなんて無かった事だ。

ヴォルフは恐る恐る毛布を持ち上げた。
人がいる。
新緑に似た甘い香りがふわりとくる。
そして股間にクル。

股間の痛みでヴォルフはやっと結婚を実感した。

これで
チュウもセックスもし放題だ。

俺の俺が興奮で起き上がってきた。
馬鹿みたいだった机上の空論の閨教育も、やっと実践が出来るってことだな。

俺の嫁か…
飲み過ぎて覚えていない。
結婚の魔法契約がギッチギチなのに恐れをなされて、なかなか決まらなかった。
昨日会ったばかりだしな

勃ったらビリビリ君ファイナルに浮かれてガンガン飲んで、
「じゃ、本当に出来るか確かめますからぁ」
って兄上達に宣言した様な…
なぜか鳩尾が鈍痛だし…


ヴォルフはレイトを覗き込んだ。
ヘーゼルの髪の中から見える唇はぷるりと柔らかそうで半開きだ。
躑躅色の舌がのぞいている。
それがずきゅんと勃った股間を直撃した。

感動だ。
こんなに他人の体温や体臭を感じる程に近付くのは6年ぶりだ。

俺の俺は朝立ちの続きをずっくんずっくんと要求している。
頭の中がカーッと熱くて鼻血を噴きそうだ。
ずっくんとなった脈動が全身を打楽器のように打ち鳴らしてくる。
俺の俺だけじゃ無く、自身がもう勃っちゃってる感じだ。


……これ、俺の嫁だよな。
結婚したんだよな。

喉がからからでごっくんと唾を飲み込んだ。

これ、据え膳ってことだよな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

30歳まで独身だったので男と結婚することになった

あかべこ
BL
※未完 4年前、酒の席で学生時代からの友人のオリヴァーと「30歳まで独身だったら結婚するか?」と持ちかけた冒険者のエドウィン。そして4年後のオリヴァーの誕生日、エドウィンはその約束の履行を求められてしまう。 キラキラしくて頭いいイケメン貴族×ちょっと薄暗い過去持ち平凡冒険者

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

信じて送り出した養い子が、魔王の首を手柄に俺へ迫ってくるんだが……

鳥羽ミワ
BL
ミルはとある貴族の家で使用人として働いていた。そこの末息子・レオンは、不吉な赤目や強い黒魔力を持つことで忌み嫌われている。それを見かねたミルは、レオンを離れへ隔離するという名目で、彼の面倒を見ていた。 そんなある日、魔王復活の知らせが届く。レオンは勇者候補として戦地へ向かうこととなった。心配でたまらないミルだが、レオンはあっさり魔王を討ち取った。 これでレオンの将来は安泰だ! と喜んだのも束の間、レオンはミルに求婚する。 「俺はずっと、ミルのことが好きだった」 そんなこと聞いてないが!? だけどうるうるの瞳(※ミル視点)で迫るレオンを、ミルは拒み切れなくて……。 お人よしでほだされやすい鈍感使用人と、彼をずっと恋い慕い続けた令息。長年の執着の粘り勝ちを見届けろ! ※エブリスタ様、カクヨム様、pixiv様にも掲載しています

悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される

木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー ※この話は小説家になろうにも掲載しています。

幼馴染が結婚すると聞いて祝いに行ったら、なぜか俺が抱かれていた。

夏八木アオ
BL
金髪碧眼の優男魔法使いx気が強くてお人好しな元騎士の幼馴染の二人です。

振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話

雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。  諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。  実は翔には諒平に隠している事実があり——。 諒平(20)攻め。大学生。 翔(20) 受け。大学生。 慶介(21)翔と同じサークルの友人。

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

処理中です...