白い結婚をしたら相手が毎晩愛を囁いてくるけど、魔法契約の破棄は御遠慮いたします。

たまとら

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結婚への道 ヴォルフ

1 ビリビリチェリー

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ズゴンと音がして、窓ガラスがカタカタ鳴った。

あ~あ、またかよぉ。

セルジオは渋々とベッドから這い出すと、暗い中を控えの間から出た。
主の寝室をノックと同時にドアを開ける。
案の定ベッドの脇に転がった身体があった。

まっぱだ。
勿論、まっぱだ。
その身体を流し見る。
言っとくがエロさはゼロだ。
傷や命、そして暗器のチェックだ。
そりゃもう機械的に、言うなれば肉屋が食肉工場でぶら下がった肉をチェックする様にだ。

だって朝っぱらから電撃を受けて縮こまる他人のナニなど見たくないからな。
もう正直勘弁してほしい。
まだ夜だ、朝は遠い。
他人のベッドに夜這いをかける様な迷惑な奴に起こされるのは勘弁してほしい。

「はいはぁい。行きますよぉ。」と
両足首を掴んで引き摺ると廊下に投げ捨てた。


セルジオの主はヴォルフ様だ。
第二王子をやってる。
ヴォルフ様は彫像の様に美しい。
そりゃ王家が美形の血を入れ続けたらグッドルッキングになるよなぁ。
しかもヴォルフ様は18歳という嬉し恥ずかしのお年頃な上に細マッチョで、まさに男としての色気を滴らせ始めた旬な男なのだ。

水を飲んで拳で拭うヴォルフ様。
訓練の汗を上着の裾をもちあげて拭うヴォルフ様。
大きく口を開けて笑うヴォルフ様。
そんな日常を悶々と色欲フィルターで見る阿保が夜這いを掛けてくる。

王城の自宮では令嬢や夫人やメイドがまとわった。
おかげで今は騎士団の寮暮らしなのに、今度は令息や団員がやって来る。
迷惑だ。とても迷惑だ。
侍従のセルジオは一連托生だ。
寮の控えの間に寝ているのに、夜這いで叩き起こされる。
迷惑以外の何者でも無い。

ヴォルフ様は第二王子なのに王宮騎士団の下っ端から入団した。
努力のできる真面目で中身もイケメンだ。
その美貌で百人斬りだの両刀だのと下町で噂されてる。
気に入らない相手だと電撃一発で放り出す"氷雷の王子様"と噂されている。
そりゃ放り出す所は何度も見られてるし、一度は相手して欲しいと滾られているが。

 ……すまん。ただの誤解だ。

ヴォルフ様は正真正銘まごう事ないチェリーボーイだ。
"1M以内に自分以外の人がいて、勃起した性器があったら落雷させる"という魔道具、略して"勃ったらビリビリ君"のおかげでヴォルフ様はチェリーどころかダチとぬきっこさえした事が無いのだ。
どころか学校でグループ戦の勝利で、仲間と抱き合った事さえ無い。
(誰だ、そんな歓喜と感動の時に勃った奴!)

そんな訳でビリビリは勃った奴が1M以内にガブリ寄った時に自動で発動される。
そう、自動だ。
ベッドに忍び込むのに成功して、ヴォルフ様が爆睡状態だったとしても自動でビリビリしちゃうのだ。


初めは魔道具を装着しているヴォルフ様に電撃が来ていた。
その痛みともっこりバレの恥ずかしさで、ヴォルフ様は雷魔法をマスターした。
うん、さすがヴォルフ様だ。

しかも6年も装着していると、出力も弱・中・強と調整出来るし、相手にビリビリを喰らわすなんてお手のものだ。
他人の睡眠を妨害する奴なんて、気絶するくらいビリビリさせてもいいと思う。

ただ悲しい事に、そんな訳でヴォルフ様は人と手を繋いだことも無いまっサラサラなチェリーボーイなのだ。
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