王宮侍従テミスの、愛と欲望のサスペンスな日常

たまとら

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周りの人々

2 お得意さんの想い

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「兄ちゃあぁぁん♡」

王宮の門を飾る仁王像のような奴に。
その子は飛び付いた。

テミスちゃんだ。
私の可愛い子ちゃんレーダーは完璧だ。
近くにテミスちゃんがいると感じて、探してた。

そしたらこのシーンだ。

テミスちゃん。
仕事に出てる時はきっちりと櫛を通した髪が、今日はぽやぽやと踊ってる。
新芽のような服の色も、初々しくてとても良い。

よく見ると飛び付いた奴は第三騎士団の副団長だった。(私の愛の地位を脅かしそうな男は全て頭に入っている)

『世紀末覇王の様な奴』と、誰か言ってた。
浴場で見たら、ナニも崇めたくなる様な物だった。と。

おい、おい、おい‼︎

付き合ってんのか⁉︎
よりによってあんなマッチョにぶち込まれたら。
テミスちゃん、壊れちゃったりするんじゃねぇの。

でれりとやにさがってテミスちゃんを抱き締める副団長と、満面笑顔のテミスちゃんを見て。
ちょっと腹の中がチリッとした。



テミスちゃんは、今私が落とそうと狙ってる子だ。
なんとバージンだ。
いわゆる絶滅危惧種の幻獣なのだ。

ロミオが探してる子なんだろうけど。
教えてなんかやるもんか。

ロミオは押し倒されて、乗っかられて、
「初めてだったのにー」と、ガブリ寄られて婚約寸前まで流された真面目な小鹿ちゃんだ。
ロミオと私は幼馴染で親友だ。
だからこそテミスちゃんを教えてやらない。

私は今、自分好みに育てて行くことに、興味深々なのだ。



「ロミオが探してる子って君だろう?」

と、声を掛けた。

「綺麗な方だと聞きました(違いますよん)」

と、笑顔で返した。
綺麗。
そんな外見、塗ったり貼ったり飾ったりすれば、どんな美人も出来上がる。
百戦錬磨の私から見れば、塗り甲斐も仕込み甲斐もあるテミスちゃんは、美の原石だ。

出来ることなら小指一本の動きから、唇を拗ねた様に尖らせるまで。
愛され夢かわ甘えん坊テクを、一から私が教えたい。
きっと王をとち狂させた王妃よりも、美しく色っぽく羽化する筈だ。


かつて。私も。
セックスにギンギンの頃は。
誘って、すぐ股を開く子が好きだった。
いろんなシチュに悦んでくれる子が好きだった。

世間一般と同じで、バージンなんて手順を踏まないといけないから面倒くさい。
ちょっと雑に挿れたら痛がるし。
この私にやって欲しけりゃ、解すくらいは自分で準備してこいよ。と思ってた。

でも今はじっくりしたい。

言っとくが衰えてはいない。
ゴングがなったら、連戦出来るし。
朝・昼・晩でもいける!


ただ。

ある日。

天啓の様に閃いた。

バージンじゃ無いって事は。
誰かが開発した身体に乗っかってるって事だ‼︎と。

あのテクも無い、でっぷりとイグアナの様な外務大臣がやった後のお下がりかも知れないって事だ。

おまえ、アイツと穴兄弟になりたいのか⁉︎

あいつの後釜として挿れさせて貰って満足か?

ある日。
そんな事を考えたら、もうダメだった。

もちろんお誘いは断らない。
おねだりする可愛い子ちゃんとしけ込む。

でも目はいつのまにかテミスちゃんを追っていた。
まだ誰の手垢も付いていない身体。
口では生意気言うくせに。
あの身体はまだ誰にも触れさせていないのだ。

自分の好みに育てて行くって、贅沢でうっとりする。
あの身体は何処を舐めると、どんな声で鳴くんだろう。


ただ。

ただ。

わかってる。
まず一番にしなきゃいけない事は。
私の名前を覚えてもらう事だ。
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