王宮侍従テミスの、愛と欲望のサスペンスな日常

たまとら

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社交シーズンのドタバタ

3 兄ちゃんと旦那さん

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「タイナ兄様‼︎ テミス!」

案内された部屋にはアフロディ兄ちゃんが待っていた。


う”っ。

眩しい‼︎

光がぺかーっと溢れ出て目を灼いた。

うわっ。兄ちゃん。
ますます綺麗になってるじゃん!
元から神なのに。
もう、どうしよう‼︎

アフロディ兄ちゃんは、自分の腰を抱いていた人を振り解いてテミスに抱きついた。
ごめん。横に人がいたのを気が付かなかった。
だって、兄ちゃんの眩しいオーラしか見えないよ。


ああ~♡良い匂いがするぅ♡
テミスはふんふんと匂いを嗅いでうっとりした。
香水じゃない。
甘くて爽やかな兄ちゃんの匂い。
物心ついた時から、抱っこしてもらってた兄ちゃんの匂い。

テミスが匂いを嗅ぐのをヒリヒリした目で見てる人がいた。それは旦那さんだった。
旦那さんのペルセポネ伯爵はちょっとチャラ臭がする。
王宮で、いろんなヤリチンもイケ男も見て来たテミスには、その分類が何気にまるっと判っちゃう。
こいつはチャラい。
過去に三股四股は当たり前の、ヤリマン臭がする。

でも久しぶりに会う弟を抱っこするのに焦り倒して。
私も、私も!というフリスビーの順番を待つ様な態度は、アフロディ兄ちゃんに犬に堕とされたのが丸わかりだ。

ちょっと微笑ましくてほんわりした。
ああ、兄ちゃん。幸せそうだ。
思う存分旦那さんを自分の勢力図で塗り直してる。

いきなり「嫁に行った。」と父親に宣言され
質問も追及も一切シャットダウンされたから
二度と逢えないかもと、ドキドキしていた。
なんとか親戚のじいちゃんから、ペルセポネ伯爵っていう名前を聞き出して、そっと心に刻んでた。



テミスは超高級茶葉を使ったお茶と。
超高級菓子を出されて、おとなしく座ってる。

情報の擦り合わせはタイナ兄ちゃんとアフロディ兄ちゃんが、高速モードで交わしている。

元チャラ臭のする旦那さんは、黙々と食べるテミスに良し良しとおやつをくれる。
昔から末っ子。餌付けされる位置どりは得意だ。
美味しい高級菓子に、えへへとよろこんでもぐもぐするテミスに、旦那さんは何処となくほのぼのしていた。
犬のペット。
ミッキー飼い犬プルート
側から見てると微妙な位置どりだけど気にしない。
美味しさは正義なのだ。


「…つまり、偶然、テミスと会った。と…」

地を這う声が聞こえてくる。

「そう。情報は一切知らされてなかった。"騎士団"というワードだけで探してくれてた」

パキン!と、儚い音がして。
超高級で華奢で華美なティーカップの取っ手が粉砕した。
反対の手がすかさず本体を掴み、中身がぶちまけられるのを防いだ。

流石アフロディ兄ちゃん♡
華奢で儚い外見なのにド田舎育ち。
カップやリンゴを握り潰せる力はある。
散々返り討ちにあってた男衆から、超超外見詐欺だと有名だった。

「あんの、クソおやぢ…」

神様の様な兄ちゃんから、地響き立てるようなおっさん声がする…。

「まとまった金を渡せば、『ちゃんと教師を雇って育てる』とか言うから、支度金を鐚銭一枚残らず差し出したのに…」

「しかも四と五はに嫁にやられたらしい」

アフロディ兄ちゃんは、食べてるテミスに飛び付くときゅうと抱きしめた。

「なぁんて賢いんだ♡売られる前に侍従に応募するなんて!なぁんて良い子なんだぁ♡
無事におまえに逢えて、本当に、ほぉんとぉに、兄ちゃんは嬉しいよぉ♡」

うへへへへ♡
喜ぶテミスと違って、旦那さんは死にそうな顔してる。
旦那さんはチャラ臭でヤリチン臭いけど、腹は白そうなええとこのボンっぽい。つまりデリケート。

「そんな…今月も3人分の教師代を送ったのに…」

「はっ!?」

アフロディ兄ちゃんとタイナ兄ちゃんの声が被った。

「「今月っ⁉︎」」
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