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血の護り人
6 抱くのと添い寝は成り行き次第
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避難民として男装していた。
とりあえず、そう認識させる。
もちろんデネブは男だとわかっている。
奴隷狩りから救い出した兵達もわかっている。
竜騎士団の者もわかっている。
まめに阻害魔法を掛けてもわかっている。
……でも何も言わない。
そう、何も言わない。
否定も肯定もしない。
その背後に国というものが見え隠れする。
友人だからという甘い考えは無い。
でもしれっとソレを利用させてもらう。
驚いた事は2つ。
竜舎の竜達が発情して交尾した。
赤鬼竜はまれに発情して交尾するが、竜舎の青鬼利用も一斉にだ。
産卵するまで一か月ほどかかるからどうなるのかわからないが、雌の竜に乗っている騎士は、微妙な顔をしていた。
後は母親のテンションだ。
ネティを連れにハリケーンのように現れて連れていった。
男で子供と言っても、愛よね!
で、終わってしまった。
そして緩めの服とハラオビという、お腹を保定するものを教えてくれた。
「冷やしちゃダメよ。今はぺったんこだけど、これから大きくなるから。」
抱きしめてくれた腕は柔らかくて暖かくて、本当にお母さんのようでうるうるした。
……バーキュライトの家族に会いたい。
アキラとの情事は変わらない。
でも以前より優しくなって、お腹に頭を付けて囁くようになった。
「愛してるよ。」
お腹にも囁く。
竜はネティを見守っている。
以前より遥かに濃く見守っている。
城の転移門が大気と一緒に振動している。
地面から伝わるその律動が三半規管を刺激して、ネティはうずくまる。
すかさず周りを竜が囲む。
大丈夫と笑うと、竜も笑った。
城の正式な転移門が開いて、宰相のミヤモト様が帰って来たそうだ。
ゼオライトに行っていたらしい。
ゼオライト……斎王様はどうしているんだろう。
元気だろうか。
ネティはぼんやり思った。
何故だか自分は妊娠している。
アキラが分かっていると言って、スノトラという名前を出した。
という事は、べつに珍しくも無いんだろうから、慌てちゃいけないと思った。
……でもスノトラ、僕に会って言ってくれたら良かったのに。
しばらくして城から呼び出しがあった。
避難してきた経過を知りたいと書状にあって、サインはミヤモト様だった。
ナカツクニの城は両開きの重い門から、両脇に白い玉砂利が敷いてあって、道を歩くのは白い海を渡っているようだった。
大きな玄関には待ち受けていた侍従が、膝をついて迎えてくれた。
長い廊下を歩く。
アキラと一緒で良かった。
でなきゃ萎縮して、下を向いていただろう。
会見の間にはすでにミヤモトが待っていた。
挨拶の声を発する前に、ミヤモトが立ち上がってネティの前に来た。
その手をぎゅっとにぎると微笑む。
「ああ、本当だ。斎王様と似ている。私は前に君に会ったことがあるよ。」
「斎王様をご存知ですか」
「ああ、会ってきたばかりだ。お元気そうだったよ。」
ゆっくりエスコートするようにソファに座らせて、その横に座る。
その自然な取り込み具合に、護衛のように後ろに立ったアキラは内心ちりっとした。
きっとあの手で触れているネティの体を検査しているのだろう。
優しげに見える、あのアルカイックスマイルが一筋縄では行かないのを、アキラは知っている。
うまうまと、
お腹の子を大事にしよう。と。
定期検診しよう。と。
庇護者の一人にさせて貰う。と。
やんわりと真綿で包むように取り込まれていく。
そのやりとりを、アキラは無表情に見ていた。
とりあえず、そう認識させる。
もちろんデネブは男だとわかっている。
奴隷狩りから救い出した兵達もわかっている。
竜騎士団の者もわかっている。
まめに阻害魔法を掛けてもわかっている。
……でも何も言わない。
そう、何も言わない。
否定も肯定もしない。
その背後に国というものが見え隠れする。
友人だからという甘い考えは無い。
でもしれっとソレを利用させてもらう。
驚いた事は2つ。
竜舎の竜達が発情して交尾した。
赤鬼竜はまれに発情して交尾するが、竜舎の青鬼利用も一斉にだ。
産卵するまで一か月ほどかかるからどうなるのかわからないが、雌の竜に乗っている騎士は、微妙な顔をしていた。
後は母親のテンションだ。
ネティを連れにハリケーンのように現れて連れていった。
男で子供と言っても、愛よね!
で、終わってしまった。
そして緩めの服とハラオビという、お腹を保定するものを教えてくれた。
「冷やしちゃダメよ。今はぺったんこだけど、これから大きくなるから。」
抱きしめてくれた腕は柔らかくて暖かくて、本当にお母さんのようでうるうるした。
……バーキュライトの家族に会いたい。
アキラとの情事は変わらない。
でも以前より優しくなって、お腹に頭を付けて囁くようになった。
「愛してるよ。」
お腹にも囁く。
竜はネティを見守っている。
以前より遥かに濃く見守っている。
城の転移門が大気と一緒に振動している。
地面から伝わるその律動が三半規管を刺激して、ネティはうずくまる。
すかさず周りを竜が囲む。
大丈夫と笑うと、竜も笑った。
城の正式な転移門が開いて、宰相のミヤモト様が帰って来たそうだ。
ゼオライトに行っていたらしい。
ゼオライト……斎王様はどうしているんだろう。
元気だろうか。
ネティはぼんやり思った。
何故だか自分は妊娠している。
アキラが分かっていると言って、スノトラという名前を出した。
という事は、べつに珍しくも無いんだろうから、慌てちゃいけないと思った。
……でもスノトラ、僕に会って言ってくれたら良かったのに。
しばらくして城から呼び出しがあった。
避難してきた経過を知りたいと書状にあって、サインはミヤモト様だった。
ナカツクニの城は両開きの重い門から、両脇に白い玉砂利が敷いてあって、道を歩くのは白い海を渡っているようだった。
大きな玄関には待ち受けていた侍従が、膝をついて迎えてくれた。
長い廊下を歩く。
アキラと一緒で良かった。
でなきゃ萎縮して、下を向いていただろう。
会見の間にはすでにミヤモトが待っていた。
挨拶の声を発する前に、ミヤモトが立ち上がってネティの前に来た。
その手をぎゅっとにぎると微笑む。
「ああ、本当だ。斎王様と似ている。私は前に君に会ったことがあるよ。」
「斎王様をご存知ですか」
「ああ、会ってきたばかりだ。お元気そうだったよ。」
ゆっくりエスコートするようにソファに座らせて、その横に座る。
その自然な取り込み具合に、護衛のように後ろに立ったアキラは内心ちりっとした。
きっとあの手で触れているネティの体を検査しているのだろう。
優しげに見える、あのアルカイックスマイルが一筋縄では行かないのを、アキラは知っている。
うまうまと、
お腹の子を大事にしよう。と。
定期検診しよう。と。
庇護者の一人にさせて貰う。と。
やんわりと真綿で包むように取り込まれていく。
そのやりとりを、アキラは無表情に見ていた。
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