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家族になりますね
6 報告の実態
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実際は、ガルゼの想像とは少しズレていた。
夫夫のお披露目として、二人は同じ馬車で練り歩いた。
そして砦に行くまでの行程で、村に泊まり街に泊まり、野営もした。
ナルディルの山奥の暮らしは、ただの田舎暮らし。
それはその辺の野草や獣を狩って暮らす生活からのサバイバル。侍従や兵士のいる野営はいわば道具の揃ったアウトドアの様なものだから、キリルは全く困らなかった。
むしろ罠でロムムを捕まえて、夕食を確保する逞しさに兵士は心を鷲掴みにされた。
天使の笑顔にデロデロに踊る兵士を見て。
アルベルトは内心複雑だった。
で、砦の寝室は最上階で。
どどーんとでかいベッドがある。
……前領主って…というキリルの視線に、そっと目を逸らすアルベルト。
さらに用意されていた寝衣は、前領主の妻の物。
洗われて手入れされたソレに、文句は無い。
服は高価だ。だいたい中古で着回す。
ぱんつだけは新品を用意してくれているのは、この夫夫が新婚だという気遣いからだろう。
好意の発露だから、文句は無い。
でも。
キリルはその羽衣のように軽くて薄くて布面接の少ない寝衣を持ち上げてみた。
正直、向こうが透けて見える。
これはもしや閨着と呼ばれるものでは…?
ちらりと見たがアルベルトはとにかく目を合わさない。
キリルは楽しくなった。
だってこんな寝衣、着たことない‼︎
そしてこんな機会じゃないと、着ること無い‼︎
(ガルゼがいないので、調子に乗たともいう)
ワクワクと掴んで、浴場に行く。
着用して登場したら、アルベルトが吹いた。
眠る時邪魔にならないように、緩く両脇で三つ編みにしている。そんなちょいとダサ系のヘアスタイルは、あどけなく見える。
布面積が少ない為に、鎖骨もふとももも丸見えだ。
エロい!
薄っすら透ける胸は、よく見なくてもミルクの様な肌に桃色の飾りが浮いている。
縦長のへその影も見えている。
そしてドロワーズでは無く、これは新品のひもパンが用意されていて。
腰骨からの影が、歩き去る尻の双丘の中へと一筆書きとなって消えていた。
何度も言う。
エロい。
やばい。
やばいだろこれ。
初めて閨着という物の着用に、ちょっと緩んだキリルの顔は、見惚れるほどに綺麗だ。
あわあわするアルベルトに、
「ん?」と手を出して。
砦がカバーする土地の特色や土壌の書類を受け取ると、キリルはソファの背に深くもたれて脚を組んだ。
やばい‼︎見えそうだ!
目を背けようとしても。
見ないようにしようとしても。
吸い込まれるように視線が向かう。
ドキドキが止まらないっ‼︎
そんなアルベルトの動揺をまるっきり感じず。
キリルは書類にいくつかのチェックを入れた後、
ん~~と伸びをする。
薄い衣の中でしなやかな肢体が反り上がるのを、アルベルトは口を半開きに見ていた。
「さぁ。明日も移動があるし。とっとと寝るよ」
ちゃっちゃと布団に入るキリル。
寝相が悪くてラッキースケベを妄想していたアルベルトは、そのまま朝まで眠れなかった。
ナルディルの山奥では、木の上で夜を過ごす事もあった。つまりキリルは寝相が良い。
さらにいうなら爆睡して、翌朝完全回復を果たしていた。
そんな訳でガルゼの想像は少しズレていた。
ちなみに寝不足でよろつくアルベルトは、馬車の中でマグロのように沈んだ。
一人元気なキリルに"絶倫天使"と双つ名がついたことは知られていない。
夫夫のお披露目として、二人は同じ馬車で練り歩いた。
そして砦に行くまでの行程で、村に泊まり街に泊まり、野営もした。
ナルディルの山奥の暮らしは、ただの田舎暮らし。
それはその辺の野草や獣を狩って暮らす生活からのサバイバル。侍従や兵士のいる野営はいわば道具の揃ったアウトドアの様なものだから、キリルは全く困らなかった。
むしろ罠でロムムを捕まえて、夕食を確保する逞しさに兵士は心を鷲掴みにされた。
天使の笑顔にデロデロに踊る兵士を見て。
アルベルトは内心複雑だった。
で、砦の寝室は最上階で。
どどーんとでかいベッドがある。
……前領主って…というキリルの視線に、そっと目を逸らすアルベルト。
さらに用意されていた寝衣は、前領主の妻の物。
洗われて手入れされたソレに、文句は無い。
服は高価だ。だいたい中古で着回す。
ぱんつだけは新品を用意してくれているのは、この夫夫が新婚だという気遣いからだろう。
好意の発露だから、文句は無い。
でも。
キリルはその羽衣のように軽くて薄くて布面接の少ない寝衣を持ち上げてみた。
正直、向こうが透けて見える。
これはもしや閨着と呼ばれるものでは…?
ちらりと見たがアルベルトはとにかく目を合わさない。
キリルは楽しくなった。
だってこんな寝衣、着たことない‼︎
そしてこんな機会じゃないと、着ること無い‼︎
(ガルゼがいないので、調子に乗たともいう)
ワクワクと掴んで、浴場に行く。
着用して登場したら、アルベルトが吹いた。
眠る時邪魔にならないように、緩く両脇で三つ編みにしている。そんなちょいとダサ系のヘアスタイルは、あどけなく見える。
布面積が少ない為に、鎖骨もふとももも丸見えだ。
エロい!
薄っすら透ける胸は、よく見なくてもミルクの様な肌に桃色の飾りが浮いている。
縦長のへその影も見えている。
そしてドロワーズでは無く、これは新品のひもパンが用意されていて。
腰骨からの影が、歩き去る尻の双丘の中へと一筆書きとなって消えていた。
何度も言う。
エロい。
やばい。
やばいだろこれ。
初めて閨着という物の着用に、ちょっと緩んだキリルの顔は、見惚れるほどに綺麗だ。
あわあわするアルベルトに、
「ん?」と手を出して。
砦がカバーする土地の特色や土壌の書類を受け取ると、キリルはソファの背に深くもたれて脚を組んだ。
やばい‼︎見えそうだ!
目を背けようとしても。
見ないようにしようとしても。
吸い込まれるように視線が向かう。
ドキドキが止まらないっ‼︎
そんなアルベルトの動揺をまるっきり感じず。
キリルは書類にいくつかのチェックを入れた後、
ん~~と伸びをする。
薄い衣の中でしなやかな肢体が反り上がるのを、アルベルトは口を半開きに見ていた。
「さぁ。明日も移動があるし。とっとと寝るよ」
ちゃっちゃと布団に入るキリル。
寝相が悪くてラッキースケベを妄想していたアルベルトは、そのまま朝まで眠れなかった。
ナルディルの山奥では、木の上で夜を過ごす事もあった。つまりキリルは寝相が良い。
さらにいうなら爆睡して、翌朝完全回復を果たしていた。
そんな訳でガルゼの想像は少しズレていた。
ちなみに寝不足でよろつくアルベルトは、馬車の中でマグロのように沈んだ。
一人元気なキリルに"絶倫天使"と双つ名がついたことは知られていない。
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