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ギルドと依頼とジャダと俺
2 レベルUPのやりこみ
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おはようございます。
クラッシャー・レンです。
今朝も開門待ちして並んでいます。
馴染みになった門番のあんちゃんに「気を付けてな!」って声を掛けられたので、「ありがとう♡」って元気に手を振った。
そしたら背後から不機嫌オーラがばびっと放たれて、門番のあんちゃんの顔が引き攣った。
そうです。
ジャダが御怒りです。
無言で俺の頭を鷲掴んで、フードが顎まで引き下ろされました。
もう。
もうっ。
ばっかじゃないのぉ‼︎
探してる異世界人が開門待ちして出掛けてるなんて、だあれも思わないよね。
ソレにこんな夜明け前の薄暗い外なんか、はっきり顔もわかんないじゃないか。
なのにフードをちゃんと被ってろっていつもお叱言を言ってくる。
もう。ジャダは心配し過ぎだと思います。
腹の中でぶつぶつ文句を言いながらも、レンはフードを被り直した。
ついでに装備をチェックする。
腰をぐっと締め付ける重みに口元がにやける。
そう、剣帯を着けて剣を佩いているのだ‼︎
なんか異世界っぽくてワクワクする。
森に行くって事で買いましたよ、剣。
もちろん、ジャダ教官監修です。
言っとくがこっち来てから訓練はしてた。
練習用の木剣だったけど。
ソレが自分のショートソードと言われてテンション爆上がりでした。
剣と言えば、爺ちゃんと時代劇をTVで見ていた俺にとっては
スパッだのブスッだのズバッだのという音響で、血飛沫ビューで首がポーンだったが…さすがここは異世界、それも西洋チックな世界だ。
家で使ってた○トリの安価な包丁よりも刃が立ってない。
カンカンいってても結局は力任せの"撲"ですよ。
昔の日本人は召喚されて無かったらしく、剣と刀はやっぱり違ってた。
いや、俺はすぐにこのがっかり感を受け入れたけどね。
仏頂面のジャダを急かして街道から逸れて、農地の畦道を抜けて低木の獣道をガサガサ分け入って森に行く。
この頃になると辺りは明るくて、明方の紅やオレンジ色で空は賑やかだ。
初めはここに来るまでに休憩を入れてもらってたけど、もう楽々だ。
あちこちの木ノ実をもぎながら歩いてる。
そう、クラッシャー・レンにレベルUPしたからね。
獣道はあちこちの木の枝が邪魔をするから、剣でがさごそと払いながら進んでたら気の荒い腹減らしの獣が狙って飛んで来た。
「うひぃっ‼︎」
と振り払ったのがヒットした途端のスプラッタ絵図。
ソレが俺の初めての狩でした。
うん。
わかってた。
切り口スパッは無いって事は。
自主規制の掛かったソレと、せっかくの剣にあらぬ物が付いてちょっと泣きそうだったんだよね。
ゲロら無かった自分を褒めてやりたい!って後でマジ思ったもん。
その自主規制を持ち上げて解体講義を始めたジャダ教官に、俺は引いた。
動揺と嫌悪で訳がわからなかった。
でもバラした肉を串に刺して昼食に焼いてくれた時、もうクラッシャーでいいやと腹を括った。美味かったし。
そこから俺は薬草採取するクラッシャー・レンにレベルUPしたんだ。
ちなみにジャダ教官に一万年立っても勝てる気がしない。
クラッシャー・レンです。
今朝も開門待ちして並んでいます。
馴染みになった門番のあんちゃんに「気を付けてな!」って声を掛けられたので、「ありがとう♡」って元気に手を振った。
そしたら背後から不機嫌オーラがばびっと放たれて、門番のあんちゃんの顔が引き攣った。
そうです。
ジャダが御怒りです。
無言で俺の頭を鷲掴んで、フードが顎まで引き下ろされました。
もう。
もうっ。
ばっかじゃないのぉ‼︎
探してる異世界人が開門待ちして出掛けてるなんて、だあれも思わないよね。
ソレにこんな夜明け前の薄暗い外なんか、はっきり顔もわかんないじゃないか。
なのにフードをちゃんと被ってろっていつもお叱言を言ってくる。
もう。ジャダは心配し過ぎだと思います。
腹の中でぶつぶつ文句を言いながらも、レンはフードを被り直した。
ついでに装備をチェックする。
腰をぐっと締め付ける重みに口元がにやける。
そう、剣帯を着けて剣を佩いているのだ‼︎
なんか異世界っぽくてワクワクする。
森に行くって事で買いましたよ、剣。
もちろん、ジャダ教官監修です。
言っとくがこっち来てから訓練はしてた。
練習用の木剣だったけど。
ソレが自分のショートソードと言われてテンション爆上がりでした。
剣と言えば、爺ちゃんと時代劇をTVで見ていた俺にとっては
スパッだのブスッだのズバッだのという音響で、血飛沫ビューで首がポーンだったが…さすがここは異世界、それも西洋チックな世界だ。
家で使ってた○トリの安価な包丁よりも刃が立ってない。
カンカンいってても結局は力任せの"撲"ですよ。
昔の日本人は召喚されて無かったらしく、剣と刀はやっぱり違ってた。
いや、俺はすぐにこのがっかり感を受け入れたけどね。
仏頂面のジャダを急かして街道から逸れて、農地の畦道を抜けて低木の獣道をガサガサ分け入って森に行く。
この頃になると辺りは明るくて、明方の紅やオレンジ色で空は賑やかだ。
初めはここに来るまでに休憩を入れてもらってたけど、もう楽々だ。
あちこちの木ノ実をもぎながら歩いてる。
そう、クラッシャー・レンにレベルUPしたからね。
獣道はあちこちの木の枝が邪魔をするから、剣でがさごそと払いながら進んでたら気の荒い腹減らしの獣が狙って飛んで来た。
「うひぃっ‼︎」
と振り払ったのがヒットした途端のスプラッタ絵図。
ソレが俺の初めての狩でした。
うん。
わかってた。
切り口スパッは無いって事は。
自主規制の掛かったソレと、せっかくの剣にあらぬ物が付いてちょっと泣きそうだったんだよね。
ゲロら無かった自分を褒めてやりたい!って後でマジ思ったもん。
その自主規制を持ち上げて解体講義を始めたジャダ教官に、俺は引いた。
動揺と嫌悪で訳がわからなかった。
でもバラした肉を串に刺して昼食に焼いてくれた時、もうクラッシャーでいいやと腹を括った。美味かったし。
そこから俺は薬草採取するクラッシャー・レンにレベルUPしたんだ。
ちなみにジャダ教官に一万年立っても勝てる気がしない。
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