足元に魔法陣が湧いて召喚されたら、異世界の婚活だった件

たまとら

文字の大きさ
34 / 63
ギルドと依頼とジャダと俺

2 レベルUPのやりこみ

しおりを挟む
おはようございます。
クラッシャー・レンです。
今朝も開門待ちして並んでいます。
馴染みになった門番のあんちゃんに「気を付けてな!」って声を掛けられたので、「ありがとう♡」って元気に手を振った。
そしたら背後から不機嫌オーラがばびっと放たれて、門番のあんちゃんの顔が引き攣った。

そうです。
ジャダが御怒りです。
無言で俺の頭を鷲掴んで、フードが顎まで引き下ろされました。

もう。
もうっ。
ばっかじゃないのぉ‼︎

探してる異世界人が開門待ちして出掛けてるなんて、だあれも思わないよね。
ソレにこんな夜明け前の薄暗い外なんか、はっきり顔もわかんないじゃないか。
なのにフードをちゃんと被ってろっていつもお叱言を言ってくる。
もう。ジャダは心配し過ぎだと思います。

腹の中でぶつぶつ文句を言いながらも、レンはフードを被り直した。
ついでに装備をチェックする。
腰をぐっと締め付ける重みに口元がにやける。
そう、剣帯を着けて剣を佩いているのだ‼︎
なんか異世界っぽくてワクワクする。

森に行くって事で買いましたよ、剣。
もちろん、ジャダ教官監修です。
言っとくがこっち来てから訓練はしてた。
練習用の木剣だったけど。
ソレが自分のショートソードと言われてテンション爆上がりでした。

剣と言えば、爺ちゃんと時代劇をTVで見ていた俺にとっては
スパッだのブスッだのズバッだのという音響で、血飛沫ビューで首がポーンだったが…さすがここは異世界、それも西洋チックな世界だ。
家で使ってた○トリの安価な包丁よりも刃が立ってない。
カンカンいってても結局は力任せの"撲"ですよ。
昔の日本人は召喚されて無かったらしく、剣と刀はやっぱり違ってた。
いや、俺はすぐにこのがっかり感を受け入れたけどね。


仏頂面のジャダを急かして街道から逸れて、農地の畦道を抜けて低木の獣道をガサガサ分け入って森に行く。
この頃になると辺りは明るくて、明方の紅やオレンジ色で空は賑やかだ。
初めはここに来るまでに休憩を入れてもらってたけど、もう楽々だ。
あちこちの木ノ実をもぎながら歩いてる。
そう、クラッシャー・レンにレベルUPしたからね。


獣道はあちこちの木の枝が邪魔をするから、剣でがさごそと払いながら進んでたら気の荒い腹減らしの獣が狙って飛んで来た。

「うひぃっ‼︎」
と振り払ったのがヒットした途端のスプラッタ絵図。
ソレが俺の初めての狩でした。

うん。
わかってた。
切り口スパッは無いって事は。

自主規制の掛かったソレと、せっかくの剣にあらぬ物が付いてちょっと泣きそうだったんだよね。
ゲロら無かった自分を褒めてやりたい!って後でマジ思ったもん。

その自主規制を持ち上げて解体講義を始めたジャダ教官に、俺は引いた。
動揺と嫌悪で訳がわからなかった。
でもバラした肉を串に刺して昼食に焼いてくれた時、もうクラッシャーでいいやと腹を括った。美味かったし。

そこから俺は薬草採取するクラッシャー・レンにレベルUPしたんだ。
ちなみにジャダ教官に一万年立っても勝てる気がしない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

従者は知らない間に外堀を埋められていた

SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL 転生先は悪役令息の従者でした でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません だから知らんけど精神で人生歩みます

時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~

なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。 一つは男であること。 そして、ある一定の未来を知っていること。 エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。 意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…? 魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。 なんと目覚めたのは断罪される2か月前!? 引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。 でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉ まぁどうせ出ていくからいっか! 北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。 魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

龍は精霊の愛し子を愛でる

林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。 その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。 王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。

処理中です...