足元に魔法陣が湧いて召喚されたら、異世界の婚活だった件

たまとら

文字の大きさ
38 / 63
ギルドと依頼とジャダと俺

6 いわゆる絶好調!

しおりを挟む
おはようございます。スパスパのレンです。
今朝も開門を待ってます。
何故か俺の周りは半径1メートルほど人がいません。
 わかってます。
背後から轟轟と噴き上がる圧に、尻尾を丸めた人が遠巻きにしているからです。
「気おつけてな‼︎」
馴染みの門番のあんちゃんは、その圧に慣れたのかビビりながらも声を掛けてくれました。嬉しい!
行って来ます!と手を振ると、遠巻きの人達の気配がザワっとしました。

ちっ。
ジャダの舌打ちが聞こえたので、フードをきゅっと引っ張り下ろして歩き出します

ふふふふふん。
舌打ちされようと俺は超絶機嫌が良くて、もうるんるんです。
幸せオーラが全方位にビームの様に出てる気がします。
もう完全無敵で向かうところ敵無し気分の俺は、昨日も市場で
「そんなににこにこされるとおまけしたくなっちゃうよぉ」
とおばちゃんおぢちゃんに頭を撫でられ、籠に溢れる程におまけを貰った。
ただそうなると何故かジャダの機嫌が急降下して、目付きなんかすんごく鋭くなってくから、"ああ、護衛だからいろんな人と接触するのが心配なんだな"と納得してフードをきっちり被るようにしてます。
自主規制できる俺って偉いよね!


この幸せは友達が出来たからだ。
友達。そう、この世界初めての友達だ。
もう嬉しくて舞い上がってる、無理ないよね。

その人も風魔法を使うから、なんかに風を纏わせたり付与したりするコツを教えてくれた。
おかげでクラッシャーからスパスパに進化したんだ!嬉しい!
だってアウロさんは綺麗で優しくて良い匂いのするお姉さんだからクラッシャーでスプラッタな話はちょっと出来ないしね。
スパスパだったら、お茶の話題にちょろっと出しても良いもんね。


アウロさんはアウローゼって名前で、どっかの貴族の奥さんだ。
もちろん家名は聞いてない。
パンを買いに行って出会った。
プラチナブロンドでラベンダー色の目で、俺より小さくて。
多分アラサーだろうけど、ぱっと見同い年に見える可愛いお姉さんだ。

アウロさんを見ると、爺ちゃんと布団を干してそこに転がった時みたいなほわほわと温くて幸せな気持ちになる。

初めて会った時、なんか切なくて甘酸っぱくて胸がきゅんとしたから
「これって恋だろうか」って本気で思った。
手が触れた時、ぞわぞわと涙が出そうになった。(本当はちょっと出た)
なんか何処かで会った気がする。
それもとても親しくて、近くにいた気がする。
体温さえ知ってる気がする。なんだろう、なんか変?

「ねぇ、番ってこんな感じ?」
もう、内心パニックでジャダに聞いた。

ほら、俺は婚活召喚されたのに史上初に番が現れなかった不良品じゃん。
ひょっとしてアウロさんが番なら、もう結婚してるんだからその生活に波風立てちゃいけないじゃん。
男としてきっちり身を引かなきゃいけないじゃん。

ジャダはふっと優しい目で
「大丈夫だよ。」と言った。

「召喚の儀は、此処で生きる筈の者が別な世界にうまれてしまったのを呼ぶ為の儀式だからね。
ひょっとしたらレンとアウロ様は前世で家族だったのかも知れないね。」

家族。

その言葉がストンと心の真ん中に届いた。

何処となく懐かしくて何処か切なくて何処か甘えたいこのモヤモヤは、昔昔に家族だったのかも知れない。

なんかこの世界で生きてかなくちゃって、割と悲壮に決意してたけど。
もっと緩く、ただいまでーす‼︎って感じでいいのかも知れない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

帰宅

pAp1Ko
BL
遊んでばかりいた養子の長男と実子の双子の次男たち。 双子を庇い、拐われた長男のその後のおはなし。 書きたいところだけ書いた。作者が読みたいだけです。

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について

はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

従者は知らない間に外堀を埋められていた

SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL 転生先は悪役令息の従者でした でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません だから知らんけど精神で人生歩みます

王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)

かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。 はい? 自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが? しかも、男なんですが? BL初挑戦! ヌルイです。 王子目線追加しました。 沢山の方に読んでいただき、感謝します!! 6月3日、BL部門日間1位になりました。 ありがとうございます!!!

処理中です...