結婚したい男と、結婚させたい奴等と、結婚したくない僕。の話

たまとら

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いよいよ囲い込み

41 プロポーズ…成功

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『エルメの為に美しい竜舎を建てます』
いろんな人がそう言った。
『私と結婚して下さい。ああ、大丈夫。
エルメにも竜舎を建てよう。』

人は皆んなそう言う。

"エルメの為の竜舎"

わかっていない。
ルカがエルメで、エルメがルカなのに。
ルカから離してエルメを竜舎に押し込めようとする。

そんなこと。
これっぽっちも望んでいないのに。

だから。

"ルカとエルメが離れる事は無い"
"一緒にここにいて欲しい"

その言葉にぐっと来て。
思わず飛び付いて、抱きついた。


あれ?
今はプロポーズの真っ最中で。
コレが返事になっちまったのでは…
と、気付いたのは
カウチソファの上で激しく舌を絡ませあっていた時だ。



はじめは啄む様なキスだった。
思ったより柔らかいディサロの唇は、ちょっと乾いて暖かい。
それにちゅっちゅっと何度も啄まれ。
やがて下唇にとん、と舌が当たる様になり。
その舌を追いかける様に唇を緩ませると、すかさず中に相手の舌が侵入して来た。

その舌が口蓋をなぞり、逃げる舌に絡んでくるうちに、その粘膜のぐじゅぐじゅ感にルカは夢中になった。

逃げる。
追いかける。
絡ませる。

舌の側面に軽く歯が当たって、ゾクゾクと鳥肌が立った。

そうして昂った体にふわりと風を感じた時。
あれ、服着てない。
と気がついた。

いつの間にか互いに裸で。
相手の汗ばんだ体が気持ち良くて。
しがみつくように抱きついていた。



月の光の中では、上気して桃色の肌も硬質に白い。
花弁の様なストロベリーキャンドルの髪がふわりと広がって。
瑠璃色の瞳が月光を弾いて、深い宇宙のように見上げている。

ああ、このカウチソファ。
この色にしておいて正解だった。
ルカの美しさが良く映える。

~そんな場違いな満足感を念仏のように繰り返すディサロは、なんとか自分をセーブして暴走しないように必死だった。

ちょっと開いたルカの唇。
まつ毛に縁取られた瞳は、欲で潤んでいる。
月の光が淡い陰影を浮かばせる体は、胸の飾りが際立って。
紅い下生えの中でルカ自身が勃ちあがっていた。

夢にまで見たルカへの想いで、喜びが止まらない。
そんな自分の暴走を必死で抑える。

無理させず。
ただただ快楽だけを覚えこませる。
自分と肌を合わせるのが気持ちいいと覚えてもらう為に。
ひたすら自分を律してルカに愛撫を与える。



熱い肌の上で、歯を立てないように甘噛みする。
唾液がてらてらと銀を弾いて、乾く時にすっと冷えていく。
その温度差が自分を追い込んできて、ルカはもう何も考えられなかった。


「愛してる」

呪文の様に繰り返される声が、心を縛っていく。
いつのまにか「僕も」と声を上げて腰を振りながら受け入れていた。

存在感のある逸物が狭い隘路を突き進んでくる。
自分のいいところを解されて乱れていたルカは、ソレが痛くて怖い事よりも激しい快楽を生むことに怯えた。

自分の心が消え失せてしまう。
そんな戸惑いは、愛を囁く唇が薄い首筋から乳首へと這って行くたびに霧散して行って。
獣の様な快楽だけが凝っていく。

頭のどこかで竜が絶頂の声を上げるのと、自分が爪を立てて絶頂するのが同時で。
ルカは月の光の中で愛を交わしていた。
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