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いよいよ囲い込み
40 そしてプロポーズ
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城るの廊下を絡まるように歩く。
はじめは手を取ってエスコートされていたが、ルカがふらつくので支えて密着したのだ。
ディサロは抱えるように歩く。
ルカは、なぜかふるふると体が戦慄いて熱い。
はあぁっと息が出るのが、なぜか恥ずかしくて必死に飲み込んでいると、脳内は歩くという指令を忘れたように足が出なかった。
その為にディサロに腰を抱えられている。
密着している部分にそこだけに意識が向いて、どくどくする。
なんで一緒に見るなんて言っちゃったんだろう…
そんな事をぐるぐる思いながら、ディサロを見上げた
目の前にディサロの鎖骨がある。
すっと目を滑らせると、喉仏としっかりした顎が見える。
男らしいその顎が、食いしばったように薄っすらと縦線の影を浮かべているのがドキドキする。
「…重…くて、ごめ…。な で、こんなにふらつくんだろ。今まで、こんな事、なか…た、のに…」
黙ってると互いの足音と心臓の音が耳に痛くて口を開いた。
ディサロの顎の影がふるりと溶けて、ふっと吐いた息が漏れる。
「…ふらつくんだ…。辛いの?」
腰に当たっていた手がすっと緩むと。
金色が下に流れると同時に、膝裏に何かがとん!と当たってルカは膝を折った。
途端に頭がぐんと上を向いて持ち上げられる。
あ、と思った時には、ディサロに抱き上げられていた。
しかも脇と膝に手を回す、お姫様抱っこで。
えっ!
えっ!
と慌てるルカを覗き込んで、ディサロは甘く笑う。
「今までは成人前だったから、竜の発情に当てられなかったんだね。竜の発情は人の心にも身体にも響いてくるからね。」
ディサロの青空の目の中に自分がいる。
紅い髪のように真っ赤な顔で、瑠璃色の目を見開いた自分がいる。
まるで硝子鉢の中の金魚のようで。
ルカはぽかんと見惚れた。
そして、今が階段を登っていることに気がつく。
……今までまったく周りが目に入って無かった。
領主の部屋はだいたい城の奥に囲い込むように作られる。
でもディサロは階段を登って上に行く。
寝室に連れ込まれる訳では無いと知って。
ほっとする気持ちと、ちくりとした残念さが同時に湧いて力が抜けた。
ディサロの腕は力強くて。
落ちる心配が微塵も無くて、安心する。
頬を寄せた耳元から、きっといつもより早い心音が、自分のと追いかけっこをしている。
そして着いたのは城の一番上だった。
城塞や城壁には見張り所が作られている。
城の屋上も平たくなって、万が一の為に見張り竜を置く事が多い。
アッシュバルトの城の屋上には、その半分程に見張り竜の竜舎があった。
お椀を伏せたドーム型で。
50デオツ程の大きさだ。
その中には、仕切って騎士の待機所もあった。
ディサロはそこにルカを連れてきた。
待機所の外はテラスになっていて。
満月が暴力的な程に大きく見える。
ルカはその満月と、そこに乱舞する竜に目を奪われた。
そろそろと立ち上がって手すりを掴むと
「わあぁぁっ」
と声を上げた。
城の一番高い場所だけあって、足元に城下が広がっている。
月の光を浴びてつるつる光るその街は、ところどころ火が煌めいて人の営みを感じた。
満月では飛竜の影が二つ踊る。
ライバルが脱落し、ただ一頭になったオスが、愛しい雌を抱きしめようと飛翔している。
来て。
捕まえて。
カララの愉悦が、波動の様に押し寄せてきて、ルカの下腹がきゅんと震えた。
振り向くと、自分の知ってる待機所とは違った。
壁紙がきちんと貼ってあって、明らかに広い。
サイドテーブルに広いベッド。
そして暖炉に炎が踊っている。
それはゆったりとした貴人の部屋として、リフォームされていた。
テラスの前には大きな白いカウチソファがあり、その横にはワインが用意されている。
この部屋…
なんかゴージャス…
そんなルカを優しくソファに座らせて。
ディサロは隣に座った。
「ここが、私の部屋だ。
ここならば隣にエルメがいてくれる。
壁の仕切りを動かすと竜舎と一つにもなる。
どうだろう?
私と結婚して、一緒にここで暮らして貰えないだろうか…」
それがプロポーズだと理解する前に。
ルカはディサロに抱きついていた。
はじめは手を取ってエスコートされていたが、ルカがふらつくので支えて密着したのだ。
ディサロは抱えるように歩く。
ルカは、なぜかふるふると体が戦慄いて熱い。
はあぁっと息が出るのが、なぜか恥ずかしくて必死に飲み込んでいると、脳内は歩くという指令を忘れたように足が出なかった。
その為にディサロに腰を抱えられている。
密着している部分にそこだけに意識が向いて、どくどくする。
なんで一緒に見るなんて言っちゃったんだろう…
そんな事をぐるぐる思いながら、ディサロを見上げた
目の前にディサロの鎖骨がある。
すっと目を滑らせると、喉仏としっかりした顎が見える。
男らしいその顎が、食いしばったように薄っすらと縦線の影を浮かべているのがドキドキする。
「…重…くて、ごめ…。な で、こんなにふらつくんだろ。今まで、こんな事、なか…た、のに…」
黙ってると互いの足音と心臓の音が耳に痛くて口を開いた。
ディサロの顎の影がふるりと溶けて、ふっと吐いた息が漏れる。
「…ふらつくんだ…。辛いの?」
腰に当たっていた手がすっと緩むと。
金色が下に流れると同時に、膝裏に何かがとん!と当たってルカは膝を折った。
途端に頭がぐんと上を向いて持ち上げられる。
あ、と思った時には、ディサロに抱き上げられていた。
しかも脇と膝に手を回す、お姫様抱っこで。
えっ!
えっ!
と慌てるルカを覗き込んで、ディサロは甘く笑う。
「今までは成人前だったから、竜の発情に当てられなかったんだね。竜の発情は人の心にも身体にも響いてくるからね。」
ディサロの青空の目の中に自分がいる。
紅い髪のように真っ赤な顔で、瑠璃色の目を見開いた自分がいる。
まるで硝子鉢の中の金魚のようで。
ルカはぽかんと見惚れた。
そして、今が階段を登っていることに気がつく。
……今までまったく周りが目に入って無かった。
領主の部屋はだいたい城の奥に囲い込むように作られる。
でもディサロは階段を登って上に行く。
寝室に連れ込まれる訳では無いと知って。
ほっとする気持ちと、ちくりとした残念さが同時に湧いて力が抜けた。
ディサロの腕は力強くて。
落ちる心配が微塵も無くて、安心する。
頬を寄せた耳元から、きっといつもより早い心音が、自分のと追いかけっこをしている。
そして着いたのは城の一番上だった。
城塞や城壁には見張り所が作られている。
城の屋上も平たくなって、万が一の為に見張り竜を置く事が多い。
アッシュバルトの城の屋上には、その半分程に見張り竜の竜舎があった。
お椀を伏せたドーム型で。
50デオツ程の大きさだ。
その中には、仕切って騎士の待機所もあった。
ディサロはそこにルカを連れてきた。
待機所の外はテラスになっていて。
満月が暴力的な程に大きく見える。
ルカはその満月と、そこに乱舞する竜に目を奪われた。
そろそろと立ち上がって手すりを掴むと
「わあぁぁっ」
と声を上げた。
城の一番高い場所だけあって、足元に城下が広がっている。
月の光を浴びてつるつる光るその街は、ところどころ火が煌めいて人の営みを感じた。
満月では飛竜の影が二つ踊る。
ライバルが脱落し、ただ一頭になったオスが、愛しい雌を抱きしめようと飛翔している。
来て。
捕まえて。
カララの愉悦が、波動の様に押し寄せてきて、ルカの下腹がきゅんと震えた。
振り向くと、自分の知ってる待機所とは違った。
壁紙がきちんと貼ってあって、明らかに広い。
サイドテーブルに広いベッド。
そして暖炉に炎が踊っている。
それはゆったりとした貴人の部屋として、リフォームされていた。
テラスの前には大きな白いカウチソファがあり、その横にはワインが用意されている。
この部屋…
なんかゴージャス…
そんなルカを優しくソファに座らせて。
ディサロは隣に座った。
「ここが、私の部屋だ。
ここならば隣にエルメがいてくれる。
壁の仕切りを動かすと竜舎と一つにもなる。
どうだろう?
私と結婚して、一緒にここで暮らして貰えないだろうか…」
それがプロポーズだと理解する前に。
ルカはディサロに抱きついていた。
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