113 / 119
第三巻番外編
将軍達の夜
しおりを挟む
女神騒動が起こり梅雨に入った十二の月のある夜、四人の将軍達はヴィクターの屋敷に集まって、戦がなくなったお祝いをしていた。夜四人が集まってお酒を飲んだりすることも、実は稀なことだった。
「しかし十年間も大きな戦がないとはありがたいことだなー」
ヴィクターが言った。
「そうだな。だが十年なんてあっという間だからな」
とナザニエル。
「油断は禁物だ。大きな戦がないだけで、敵は単体でやってくるだろうからな」
ロナウドが酒を飲みながら言った。この部屋の二つの大きな棚には様々な酒が並べられていた。違う台には樽のようなものが横向きに置かれていて、ナザニエルは勝手に樽のコルクをひねって酒をついでいる。テーブルの上には数本の酒瓶。ここは酒を飲むためだけの酒飲の間だった。テーブルの上には軽いつまみのような物が置かれているキースは一人無言で酒にも手をつけていない。
その時扉がノックされて、シャナーンが入ってきた。お盆の上には三本の瓶。
「キース将軍、ぶどうジュースを持ってきましたよ」
シャナーンが言ってジュースをテーブルに乗せた。
「ありがとう」
キースは微笑んで言った。シャナーンはジュースを置くと「皆様ごゆっくり」と言って出て行った。キースは蛇の一族では珍しく、酒を飲まない男だった。
「相変わらずだな。キースは……」
ナザニエルがあきれたように言った。他の三人はひっきりなしに飲み、すでに床には五本もの空き瓶が置かれている。
「年をとってあまり酒の飲みすぎもいかんぞ」
キースがぼそりといった。
「「私はまだ若いぞ」」
ヴィクターとナザニエルが声をそろえて言った。
「はっはっはっ」
ロナウドは笑いながら樽から酒を注いでいる。帰るころには空になっているに違いない。
四人ともそれぞれ国の一番大変な頃を経験しているだけに、今回戦が回避された喜びは大きかった。皆戦でそれぞれ大事な人達をなくしている。キースは一人息子を戦で失っていた。戦がなくなりお祝いしたくなるのも無理はない。少なくとも誰も死なずにすんだのだ。
「それにしても、私も女神を見たかった。お前なんで呼んでくれなかったんだ?」
宴もたけなわになってきたころナザニエルが思い出したようにヴィクターをにらんだ。
「そうだそうだ。私だってガーベラを見たかった。なでなでされたかったぞ」
とロナウド。
「すまん。本当に女神だと思ったときには、倒れてたんだ。夢心地で」
ヴィクターが微笑んで言った。えらく幸せそうな顔をしてたのでナザニエルとロナウドはむっとしている。このお祝いは、一人だけ女神を見たヴィクターのおごりになっている。
「いやはや……女神ってのはいいもんだ」
ヴィクターはしみじみと言った。
「なんだか来年は張り切って赤い月を過ごせそうな気がする」
「がんばれ」
ロナウドとナザニエルが声援を送った。
「女神か……また降ろしてくれないかなー王妃。蛇の女神は一杯下ろしてるから神話の女神だって何度も降りるかもしれないぞ」
ナザニエルが言った。
「ありえるかもな」
とロナウド。
「私はダーナに会ってみたい」
「ダーナもいいなあ。おいキース」
ナザニエルが一人黙っているキースを見て言った。
「ん?」
キースが視線を向けた。
「おきてたのか。目を開けたまま寝てるのかと思ったぞ。ぼんやりしてるから」
「話を聞いてた」
「お前ってやつは……女神を見たくなかったのか?」
「王妃に降りたんだから王妃を見ればいいんじゃないのか?」
キースがぼんやりした声で言った。
「そういう問題じゃないだろ。王妃と女神は別だ」
とナザニエルが言うと、キースが「なんでだ」と聞いてきた。
「別ってことはないが女神が降りてる時の王妃じゃないと、女神の幻が見えないじゃないか」
「だが、らごいえひえーるえぐまえいるあ……」
三人がきょとんとした顔をした。
「ぱしゅれにーるえるまーぐりんど」
「だめだ、もう酔ってる」
ロナウドが言った。
「ぶどうジュースで酔ったのか?」
とヴィクター。
「いや、酒の匂いで酔ったんだろう。キースは酔うと古代語を話し出すからな」
「え、でぃるいーいるあるま」
「わかった。わかった。もう寝てもいいぞ」
ロナウドがキースの背中をたたくと、キースは机の上に付してしまった。部屋は密閉されているのでかなり強烈な酒の匂いが漂っている。それで酔ったのだろう。
「……安上がりなやつだな。酒の匂いだけで酔えるとは信じられんやつだ……」
ナザニエルがあきれて言った。一族の男では、こんな男は他にいない。
「一体キースは金は何に使ってるんだろうな」
ヴィクターが不思議そうに言った。彼らにとっては高い酒を飲むのが趣味のようなものだ。かなりの大金を酒につぎ込んでいる。酒がない人生なんて考えられない。
「この前ばか高いバラクのセットを作らせてたぞ。バラクにつぎ込んでるんじゃないのか?」
とロナウド。
「そうなのか? しかしうらやましいなー、私もこんな風になりたい」
ナザニエルがキースの顔を覗き込んで言った。キースは横を向き、幸せそうな顔で寝ていた。ほろよい気分で寝てるようだ。
「前に闘技場では酔っ払ったようなんだが、全然覚えていないんだ」
「そんなに酔いたいのなら、酒に何か薬でも混ぜたらどうだ?」
とロナウド。
「それはやばいだろ。私は普通に酒を飲んでへべれけになってみたいな。おい、あれ出せ千年前の酒」
ナザニエルの言葉にヴィクターの顔が引きつった。
「あれはもうない。飲んだ」
「一本くらい残ってるだろ」
「どっかの隠し棚にあるぞ。きっと」
ロナウドの言葉にヴィクターの顔がさらに引きつった。
「お前、なんでそう余計な事言うんだ!」
「まあいいじゃないか。たかが酒の一本や二本!」
ナザニエルはうれしそうに棚を見て回っている。そして一段だけ酒瓶が一列しかないのに気づいた。
「あ。ここだ♪」
「…………」
ヴィクターが口を尖らせている。ナザニエルは酒瓶を出して棚に手をあてた。すると後ろの棚がぱかっと外れて、高級そうな酒が並んでいた。
「おおっこれこれ♪」
「お前ってやつは……飲んでもそう酔わないんだから安いの飲んでりゃいいのに」
ヴィクターはぶつぶつ言っている。
「これだけ高級なの飲めば酔えるだろ」
といいつつナザニエルは三本ほど出している。
「私は右から三番目と四番目のやつ」
ロナウドは棚を示している。
「どうせ他の所にも隠してるんだろ? まあこれくらいいいじゃないか」
ナザニエルはロナウドの分の酒を取ってやり、さっそく酒を開けた。そして匂いをかいで「ん?」と首をかしげた。杯に注いで一口飲み、ヴィクターをにらんだ。ヴィクターはにやにや笑っている。
「ロナウドそれ、飲んでみろ」
「ん? ああ」
ロナウドも酒瓶を開けて杯に注いで一口飲んだ。
「……ん? これ……ジュースじゃないか」
「はっはっは。だまされたー、やーいやーい」
「…………」
ヴィクターはげらげら笑っていた。
「実はいつかこうなると思って前前から空き瓶に細工して置いておいたんだ。あーようやくだませた。はっはっはっは」
「お前……二百を超えた男のすることじゃないぞ。これは」
ナザニエルがあきれて言った。
「全く……何がやーいやーいだ」
「早く言い出さないかなーと思ってたんだ。ひっひっひ!」
ヴィクターはようやく騙せてよっぽどうれしかったのか、しばらく笑っていた。
「そういえば、お前は子供のころはよく女の子の服の中に蛇入れて遊んでたな。そういうところはさっぱり変わらないな」
ナザニエルが昔を思い出して言った。
「人間いつでもいたずら心は大事だぞ。心はいつでも若くあるためにはな。まあそうむくれるなって、一番左のは本物だぞ」
ヴィクターが棚を指して、ナザニエルはそれを取って開けた。匂いは酒っぽかったのだが、飲んでみると……
「お前中身を安いのと入れ替えたろ」
「なんだばれたか。ははは」
二人はあきれた顔をした。元通りの開いてない状態に戻すのが大変だったろうに。
その時キースがむくりと起きた。
「ああよく寝た。何か面白い話でもあったか?」
「たった今面白かった所だぞ」
ヴィクターが笑って言った。
「そうなのか? それは残念だ……」
ヴィクターはまんまと二人を騙したことをキースに聞かせて、キースはよくそんな面倒な事したな、となんだか感心していた。
ナザニエルとロナウドはやれやれとため息をつき、そこそこの酒を続けて飲んだのだった。
「しかし十年間も大きな戦がないとはありがたいことだなー」
ヴィクターが言った。
「そうだな。だが十年なんてあっという間だからな」
とナザニエル。
「油断は禁物だ。大きな戦がないだけで、敵は単体でやってくるだろうからな」
ロナウドが酒を飲みながら言った。この部屋の二つの大きな棚には様々な酒が並べられていた。違う台には樽のようなものが横向きに置かれていて、ナザニエルは勝手に樽のコルクをひねって酒をついでいる。テーブルの上には数本の酒瓶。ここは酒を飲むためだけの酒飲の間だった。テーブルの上には軽いつまみのような物が置かれているキースは一人無言で酒にも手をつけていない。
その時扉がノックされて、シャナーンが入ってきた。お盆の上には三本の瓶。
「キース将軍、ぶどうジュースを持ってきましたよ」
シャナーンが言ってジュースをテーブルに乗せた。
「ありがとう」
キースは微笑んで言った。シャナーンはジュースを置くと「皆様ごゆっくり」と言って出て行った。キースは蛇の一族では珍しく、酒を飲まない男だった。
「相変わらずだな。キースは……」
ナザニエルがあきれたように言った。他の三人はひっきりなしに飲み、すでに床には五本もの空き瓶が置かれている。
「年をとってあまり酒の飲みすぎもいかんぞ」
キースがぼそりといった。
「「私はまだ若いぞ」」
ヴィクターとナザニエルが声をそろえて言った。
「はっはっはっ」
ロナウドは笑いながら樽から酒を注いでいる。帰るころには空になっているに違いない。
四人ともそれぞれ国の一番大変な頃を経験しているだけに、今回戦が回避された喜びは大きかった。皆戦でそれぞれ大事な人達をなくしている。キースは一人息子を戦で失っていた。戦がなくなりお祝いしたくなるのも無理はない。少なくとも誰も死なずにすんだのだ。
「それにしても、私も女神を見たかった。お前なんで呼んでくれなかったんだ?」
宴もたけなわになってきたころナザニエルが思い出したようにヴィクターをにらんだ。
「そうだそうだ。私だってガーベラを見たかった。なでなでされたかったぞ」
とロナウド。
「すまん。本当に女神だと思ったときには、倒れてたんだ。夢心地で」
ヴィクターが微笑んで言った。えらく幸せそうな顔をしてたのでナザニエルとロナウドはむっとしている。このお祝いは、一人だけ女神を見たヴィクターのおごりになっている。
「いやはや……女神ってのはいいもんだ」
ヴィクターはしみじみと言った。
「なんだか来年は張り切って赤い月を過ごせそうな気がする」
「がんばれ」
ロナウドとナザニエルが声援を送った。
「女神か……また降ろしてくれないかなー王妃。蛇の女神は一杯下ろしてるから神話の女神だって何度も降りるかもしれないぞ」
ナザニエルが言った。
「ありえるかもな」
とロナウド。
「私はダーナに会ってみたい」
「ダーナもいいなあ。おいキース」
ナザニエルが一人黙っているキースを見て言った。
「ん?」
キースが視線を向けた。
「おきてたのか。目を開けたまま寝てるのかと思ったぞ。ぼんやりしてるから」
「話を聞いてた」
「お前ってやつは……女神を見たくなかったのか?」
「王妃に降りたんだから王妃を見ればいいんじゃないのか?」
キースがぼんやりした声で言った。
「そういう問題じゃないだろ。王妃と女神は別だ」
とナザニエルが言うと、キースが「なんでだ」と聞いてきた。
「別ってことはないが女神が降りてる時の王妃じゃないと、女神の幻が見えないじゃないか」
「だが、らごいえひえーるえぐまえいるあ……」
三人がきょとんとした顔をした。
「ぱしゅれにーるえるまーぐりんど」
「だめだ、もう酔ってる」
ロナウドが言った。
「ぶどうジュースで酔ったのか?」
とヴィクター。
「いや、酒の匂いで酔ったんだろう。キースは酔うと古代語を話し出すからな」
「え、でぃるいーいるあるま」
「わかった。わかった。もう寝てもいいぞ」
ロナウドがキースの背中をたたくと、キースは机の上に付してしまった。部屋は密閉されているのでかなり強烈な酒の匂いが漂っている。それで酔ったのだろう。
「……安上がりなやつだな。酒の匂いだけで酔えるとは信じられんやつだ……」
ナザニエルがあきれて言った。一族の男では、こんな男は他にいない。
「一体キースは金は何に使ってるんだろうな」
ヴィクターが不思議そうに言った。彼らにとっては高い酒を飲むのが趣味のようなものだ。かなりの大金を酒につぎ込んでいる。酒がない人生なんて考えられない。
「この前ばか高いバラクのセットを作らせてたぞ。バラクにつぎ込んでるんじゃないのか?」
とロナウド。
「そうなのか? しかしうらやましいなー、私もこんな風になりたい」
ナザニエルがキースの顔を覗き込んで言った。キースは横を向き、幸せそうな顔で寝ていた。ほろよい気分で寝てるようだ。
「前に闘技場では酔っ払ったようなんだが、全然覚えていないんだ」
「そんなに酔いたいのなら、酒に何か薬でも混ぜたらどうだ?」
とロナウド。
「それはやばいだろ。私は普通に酒を飲んでへべれけになってみたいな。おい、あれ出せ千年前の酒」
ナザニエルの言葉にヴィクターの顔が引きつった。
「あれはもうない。飲んだ」
「一本くらい残ってるだろ」
「どっかの隠し棚にあるぞ。きっと」
ロナウドの言葉にヴィクターの顔がさらに引きつった。
「お前、なんでそう余計な事言うんだ!」
「まあいいじゃないか。たかが酒の一本や二本!」
ナザニエルはうれしそうに棚を見て回っている。そして一段だけ酒瓶が一列しかないのに気づいた。
「あ。ここだ♪」
「…………」
ヴィクターが口を尖らせている。ナザニエルは酒瓶を出して棚に手をあてた。すると後ろの棚がぱかっと外れて、高級そうな酒が並んでいた。
「おおっこれこれ♪」
「お前ってやつは……飲んでもそう酔わないんだから安いの飲んでりゃいいのに」
ヴィクターはぶつぶつ言っている。
「これだけ高級なの飲めば酔えるだろ」
といいつつナザニエルは三本ほど出している。
「私は右から三番目と四番目のやつ」
ロナウドは棚を示している。
「どうせ他の所にも隠してるんだろ? まあこれくらいいいじゃないか」
ナザニエルはロナウドの分の酒を取ってやり、さっそく酒を開けた。そして匂いをかいで「ん?」と首をかしげた。杯に注いで一口飲み、ヴィクターをにらんだ。ヴィクターはにやにや笑っている。
「ロナウドそれ、飲んでみろ」
「ん? ああ」
ロナウドも酒瓶を開けて杯に注いで一口飲んだ。
「……ん? これ……ジュースじゃないか」
「はっはっは。だまされたー、やーいやーい」
「…………」
ヴィクターはげらげら笑っていた。
「実はいつかこうなると思って前前から空き瓶に細工して置いておいたんだ。あーようやくだませた。はっはっはっは」
「お前……二百を超えた男のすることじゃないぞ。これは」
ナザニエルがあきれて言った。
「全く……何がやーいやーいだ」
「早く言い出さないかなーと思ってたんだ。ひっひっひ!」
ヴィクターはようやく騙せてよっぽどうれしかったのか、しばらく笑っていた。
「そういえば、お前は子供のころはよく女の子の服の中に蛇入れて遊んでたな。そういうところはさっぱり変わらないな」
ナザニエルが昔を思い出して言った。
「人間いつでもいたずら心は大事だぞ。心はいつでも若くあるためにはな。まあそうむくれるなって、一番左のは本物だぞ」
ヴィクターが棚を指して、ナザニエルはそれを取って開けた。匂いは酒っぽかったのだが、飲んでみると……
「お前中身を安いのと入れ替えたろ」
「なんだばれたか。ははは」
二人はあきれた顔をした。元通りの開いてない状態に戻すのが大変だったろうに。
その時キースがむくりと起きた。
「ああよく寝た。何か面白い話でもあったか?」
「たった今面白かった所だぞ」
ヴィクターが笑って言った。
「そうなのか? それは残念だ……」
ヴィクターはまんまと二人を騙したことをキースに聞かせて、キースはよくそんな面倒な事したな、となんだか感心していた。
ナザニエルとロナウドはやれやれとため息をつき、そこそこの酒を続けて飲んだのだった。
24
あなたにおすすめの小説
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
【完結】これをもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる