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13部 番外編
お友達
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「なに? クーガにお友達ができただと!?」
神の国で驚いていたのは太陽の神、アリアスである。
「そうらしい。あのクーガに友達ができたとは、なんとめでたいことか……」
喜んでいたのは知恵の女神カサンドラである。
「逆に今まで友達がいなかったことがかわいそう」
土の神サントスはほろりと涙を流していた。
「ちょ、ちょいちょい。僕のこと忘れてない? 僕がクーガのお友達だよ」
飛んできたのは知恵の神、パティウスである。
「確かに、パティウスはお友達と言えるかも」
サントスが言った。
「友達ってのは、一緒に悪さをする仲のことだからね」
パティウスは胸を張っている。
「パティウスはクーガの兄弟だろう。身内を抜かせば、クーガには初めての友達ではないか」
とカサンドラ。
「それにパティウスがクーガに教えたことといったら、石像のたたき割り方くらいだろ?」
アリアスは鼻で笑っていた。
「いいじゃないか。おかげでクーガはあの時とってもすっきりしてたし」
「ほとんどアシュランの石像だったが、一個だけ私のも入ってたぞ」
アリアスがパティウスの肩をついていた。
「あ、ばれた? あれやったの僕。あはは」
「こいつは……」
「まあまあ、昔の話ではないか」
カサンドラがいさめた。
「僕はこの日を待ってましたよ。お友達ができたのなら、おそろいの寝間着をプレゼントしよう!」
サントスはうれしそうに言っていた。
「おそろいの寝間着?」
アリアスはきょとんとしている。
「寝間着? 寝間着って、寝る時に着る服のことだよね?」
パティウスが確認するように聞いた。
「そうだよ。人間のお友達って、おそろいの寝間着を着て、一緒のベッドで寝転んで人生を語り合ったりするんでしょう?」
サントスの目は輝いている。
「……そうなのか?」
アリアスがカサンドラに聞いた。
「確かにばくの国ではお友達同士そういうこともするが、クーガはばくの一族ではないからなあ」
「どちらかというと、私がクーガとおそろいの寝間着で一緒に寝たい」
アリアスは真面目に言っていた。
「一般的には、友達とは悩みを打ち明けたり、信頼しあえる仲かな」
「よし、その友達の住所を教えろ。クーガの女関係を聞き出す」
とアリアス。
「やめなさい。せっかくの友達が逃げてしまうぞ」
「友達って男なの? 女の子の可能性もあるんじゃない?」
パティウスが言った。
「女? ……もしかして、クーガが最近気にしている女というのは……よし、二人をくっつけよう」
「こらこら、早合点はやめなさい。それからクーガの女関係も詮索しないように。妖精達に神殿の周りを見晴らせておるだろう。あれもやめなさい」
「なんで知ってる。気になるんだからいいじゃないか」
「そういうことはそっとしてあげなさい」
「友達が女でも男でもいいから、服のサイズを聞いてきてください」
とサントス。どうしても寝間着を贈りたいらしい。
「あ、そうだ。私がそいつのお友達になればクーガの情報を流してもらえるかも」
とアリアスは閃いていた。
「アリアスはばかなことしか考えないんだから」
とパティウス。
「お前に言われたくないわ」
「何色の寝間着がいいかなあ」
サントスはおそろいの寝間着を想像している。
「こうなったら、パティウスがクーガにお友達のことを聞いてこい。兄として挨拶をしなければ」
「「しなくていい」」
パティウスとカサンドラが同時だった。
「どうしてだ。挨拶くらいいいだろう」
「威圧的に挨拶されたら、絶対相手が逃げるよ」
とパティウス。
「そうじゃ。そっとしておきなさいというに」
「いやだー挨拶したい」
「いらんいらん」
「あ、おそろいの枕も贈ろうかな」
クーガの友達は誰かわからないまま、神々の言い合いは続くのだった。
「……変な夢を見た」
どうやら夢だったようだ。
ある朝目覚めたスペードは夢の内容を思い出し、(アリアス様が本当に来そうで怖いな)などと思っていたのだった。
神の国で驚いていたのは太陽の神、アリアスである。
「そうらしい。あのクーガに友達ができたとは、なんとめでたいことか……」
喜んでいたのは知恵の女神カサンドラである。
「逆に今まで友達がいなかったことがかわいそう」
土の神サントスはほろりと涙を流していた。
「ちょ、ちょいちょい。僕のこと忘れてない? 僕がクーガのお友達だよ」
飛んできたのは知恵の神、パティウスである。
「確かに、パティウスはお友達と言えるかも」
サントスが言った。
「友達ってのは、一緒に悪さをする仲のことだからね」
パティウスは胸を張っている。
「パティウスはクーガの兄弟だろう。身内を抜かせば、クーガには初めての友達ではないか」
とカサンドラ。
「それにパティウスがクーガに教えたことといったら、石像のたたき割り方くらいだろ?」
アリアスは鼻で笑っていた。
「いいじゃないか。おかげでクーガはあの時とってもすっきりしてたし」
「ほとんどアシュランの石像だったが、一個だけ私のも入ってたぞ」
アリアスがパティウスの肩をついていた。
「あ、ばれた? あれやったの僕。あはは」
「こいつは……」
「まあまあ、昔の話ではないか」
カサンドラがいさめた。
「僕はこの日を待ってましたよ。お友達ができたのなら、おそろいの寝間着をプレゼントしよう!」
サントスはうれしそうに言っていた。
「おそろいの寝間着?」
アリアスはきょとんとしている。
「寝間着? 寝間着って、寝る時に着る服のことだよね?」
パティウスが確認するように聞いた。
「そうだよ。人間のお友達って、おそろいの寝間着を着て、一緒のベッドで寝転んで人生を語り合ったりするんでしょう?」
サントスの目は輝いている。
「……そうなのか?」
アリアスがカサンドラに聞いた。
「確かにばくの国ではお友達同士そういうこともするが、クーガはばくの一族ではないからなあ」
「どちらかというと、私がクーガとおそろいの寝間着で一緒に寝たい」
アリアスは真面目に言っていた。
「一般的には、友達とは悩みを打ち明けたり、信頼しあえる仲かな」
「よし、その友達の住所を教えろ。クーガの女関係を聞き出す」
とアリアス。
「やめなさい。せっかくの友達が逃げてしまうぞ」
「友達って男なの? 女の子の可能性もあるんじゃない?」
パティウスが言った。
「女? ……もしかして、クーガが最近気にしている女というのは……よし、二人をくっつけよう」
「こらこら、早合点はやめなさい。それからクーガの女関係も詮索しないように。妖精達に神殿の周りを見晴らせておるだろう。あれもやめなさい」
「なんで知ってる。気になるんだからいいじゃないか」
「そういうことはそっとしてあげなさい」
「友達が女でも男でもいいから、服のサイズを聞いてきてください」
とサントス。どうしても寝間着を贈りたいらしい。
「あ、そうだ。私がそいつのお友達になればクーガの情報を流してもらえるかも」
とアリアスは閃いていた。
「アリアスはばかなことしか考えないんだから」
とパティウス。
「お前に言われたくないわ」
「何色の寝間着がいいかなあ」
サントスはおそろいの寝間着を想像している。
「こうなったら、パティウスがクーガにお友達のことを聞いてこい。兄として挨拶をしなければ」
「「しなくていい」」
パティウスとカサンドラが同時だった。
「どうしてだ。挨拶くらいいいだろう」
「威圧的に挨拶されたら、絶対相手が逃げるよ」
とパティウス。
「そうじゃ。そっとしておきなさいというに」
「いやだー挨拶したい」
「いらんいらん」
「あ、おそろいの枕も贈ろうかな」
クーガの友達は誰かわからないまま、神々の言い合いは続くのだった。
「……変な夢を見た」
どうやら夢だったようだ。
ある朝目覚めたスペードは夢の内容を思い出し、(アリアス様が本当に来そうで怖いな)などと思っていたのだった。
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