妖精王の味

うさぎくま

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10、再会

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 凛音達が到着する少し前、現在妖精の王の執務室には、見た目が派手な面々が顔を付き合わせ会話をしていた。

「あぁ、妖精族の方々は美しい。私達の国も美しい見目ではありますが、妖精族には遠に及ばない」

 所々黒いメッシュが入った金色の長い髪を大袈裟に振り乱しながら、エティエンヌフューベルの小さな手をそっと持ち上げる美しい男。
 名はジャンといい、ネコ科動物の国『タガルガ王国』の王の側近である。年齢は三十九歳、虎種、若くして結婚し子供も作ったが基本子育てに関与しないお国柄で、妻や子供が今何をし何処にいるか知らないという現状。
 一夫多妻が通常のタガルガ王国。男は子作りとナワバリを守るためだけに存在し、他はあまり興味ない。

 一生に一度、たった一人のみにその身を捧げる妖精族とは根本的に合わないのだ。

「まぁ、ジャン。我が国を褒めてくれてありがとう」

「あぁ、エティ様。あなたに会い、私の心は奪われた。一度で構わない、あなたの精液酒を頂きたい。きっと私こそが、運命の相手だろう」

「痒くなる会話だな」

 寸劇を見るかのように、ソファの肘掛けに置いた腕に頭を置いているのは熊の国『バルベ王国』の王ドーバだ。大きな身体に似合わず所作は美しい。流石、一国の王だ。

 ドーバにツッコミを入れられたが、全く気にしていないジャンは、手だけではなく身体中をスリスリと余念がなく、エティエンヌフューベルは呆れていた。

「あのね、妻がいて子もいる貴方に愛を囁かれても全く嬉しくないわ」

「生きていれば間違いは起こるものです。王の側近になれ、こうしてお会い出来たのが奇跡なのですよ」

 聞く耳持たないのだろう。エティエンヌフューベルが軽く溜め息を吐いたところで助っ人が会話に入ってくる。

「ジャン、僕を巻き込まないで。僕達が選ばれる事はないよ。
 どれほど美しくともタガルガ王国の在り方はエティ様には耐えれない。
 我らはせいぜい八十年ほどの命。だけど妖精族はその倍以上生きて、たった一人しか愛さない。諦めも男として大事だよ」

 ジャンの隣に座る男の子、名はグーリーンという。一見可愛らしい見目だが、彼も種は虎。その内に秘める魔力や身体能力は抜きん出ており、タガルガ王国を率いる王で間違いない。
 年齢も十六歳と若めで歴代最年少の王、しかし妻の数はすでに歴代最高の十五人。子供の数もすでに十九人と過去最多記録。人は見かけによらずと言う言葉が何より当てはまる御仁だった。

「グーリーン様に女性関係を言われたくはございません。一夫多妻といえ、十五人もの奥方を持ち、まだ増やすつもりで王宮を増築しているとは、羨ましいのを超え超越しております。流石、王とは言えないです」

「そうかな?我らの国では 子種の多さも男の魅力の一つだよ。ジャンもモテないわけではないのだから、子を作らないと」

 タガルガ王国の王グーリーンと側近ジャンの会話にイヨカの綺麗に整った顔が歪む。
 他国の王を罵倒はしないが。汚らしいモノ、とすでに心の中の人物像は決まっていた。子が出来ずらい妖精族に喧嘩を売っているようにも聞けたからだ。

 側近のイヨカほどの嫌悪感はないが、例に漏れずエティエンヌフューベルもほぼ同意見。

 以前までは運命の人が見つからず、今世ではもう会えないものと諦めていた。だが運命の伴侶凛音と会えた今は、以前までの考えをさらに超えて一夫多妻のタガルガ王国のあり方に嫌悪が湧いてしまう。
 凛音と彼らは関係ない。
 関係ないと分かっていても、凛音の身体を暴き好き勝手に弄んだ後、違う女と結婚していった男達に悲しみ泣き崩れる凛音を『夢』で見ていたエティエンヌフューベルの心は嫉妬から真っ黒に染まっていく。


「あ、熱い!! おい! 熱いぞ!!!」
「………」

 思わず仰け反るバルベ国の王ドーバと側近クリプト。表情を一切崩さないクリプトさえも顔が引きつっている。

「この熱さも、愛…」
「エティ様っ、熱いです!」

 元凶のタガルガ国の王グーリーンと側近ジャンは、ちぐはぐなセリフでエティエンヌフューベルに現状を述べる。
 熱風が肌をチリチリ焼き始め、皆の前にある紅茶がぶくぶくと煮え出した。

「エティエンヌフューベル様、炎が漏れてます!!」

 イヨカの切なる願いで熱風地獄はやんだが、エティエンヌフューベルは足元を見ながら固まっている。
 その微妙な空気の中、大音量の猫獣人パテの声が重厚な扉の外から聞こえくる。


「王よ、天草様をお連れいたしました!!」

 あからさまに肩が跳ね上がるエティエンヌフューベルに、一同は疑問をもちながら天草様なる人物に興味津々、扉の先に視線を向けた。




「あぁ、パッド。入ってきなさい」

 イヨカの声と共に入室してきた凛音。遠目から見える姿だけで、身体中の血が沸騰しそうな喜びをエティエンヌフューベルにあたえた。

(「凛音、凛音、久しぶりだわ、あぁ抱きしめたい。愛してると叫びたい。身体を繋げたい…」)

 凛音に会えた純粋な感動。それで終わればよいが、溜まりに溜まった下半身のブツ内に存在する精液酒キャラメルマキアートが体外に出ようと、ぎゅっとしまり硬化し出す。それと同時にグイッと勃ちはじめた立派な男の象徴がゆったりとした衣服を持ち上げ、凛音を求め存在を示してゆく。

 肉欲が漏れ出したエティエンヌフューベルに、いち早く気づいた熊の国の王ドーバは、「おい、勃ってるぞ!」と内心ツッコミを入れながら甘ったるい空気を破る。



「ぐおぉー!! 遊びにきてるぜっ」

「なんて野蛮な。これだから熊は嫌いなのです。すぐ力任せで」

「うるっせーな。お前こそ、エティの足をずっと触っていてよく言う。俺の国で女にそんな事してみろ、金玉握り潰されるぞ」

「もう!! ドーバ様、女性がいるので言葉使いは気をつけてください。ジャン、ドーバ様にもエティ様にも失礼だよ」

 ドーバに引き続き全てを察した四人は、馬鹿な会話を繰り広げながら入室してきた凛音を冷静に観察した。

 間違いなくこの女がエティエンヌフューベルのたった一人の伴侶。

 黒っぽい髪に、ダークブラウンの瞳。髪は肩口で切り揃えられ毛先はふわふわとカールがかかり遊んでいる。妖精族ほどの好スタイルではないが、姿勢がよい分身体の凹凸が素晴らしい。顔のパーツも整っており、エティエンヌフューベルの隣に立っても見劣りはしないといえた。

 確認し、皆の脳内意見が最終合致。
「〝女〟?! 冗談だろう?」この台詞につきた。

 妖精族は通常、女の肉体になりたがる。子供や年頃の会話はいたって「どのような男性が好みか?」で盛り上がる。
 他種族を選ぶ場合は100%女で、妖精族どうしのみ仕方なく男の性を取るのだが、見た目はほぼ変わらずバーンと張り出た胸が消えたくらい。
 長い髪には生花をさし編み込み、細い手首には金の腕輪、首元や耳も宝石を必ず付け、自身を美しく飾り立てる。夫婦が並んでも、女どうしにしか見えない。

 だから当然 細身だろうが筋肉隆々だろうが凛音が希望する、凛音と同じ身長をもつ男性の妖精はいないのだ。

 不信感たっぷりに自分達を見る〝特別な女(凛音)〟を本能で、この世界の人じゃないな と結論づけた面々。

 凛音の、どの獣人の特徴もその身に持ち得ない姿が神秘的。彼女が落ちてきた人(異世界人)であると理解し、流石妖精族の絶対的な王エティエンヌフューベルの伴侶だと皆が思う。
 しかしこの絶世の美女エティエンヌフューベルが、妖精族の美しき至宝が、男の性になってしまう現実に悲しみがおこるのは男として仕方ない。

 そんな各国王らの心の内意見なんてエティエンヌフューベルには、ことの外どうでもいい。太腿を撫でているジャンを丸無視するほど気にならない。気になるのは凛音の反応のみ。


「……凛音、久しぶりね。元気そうで良かったわ」

 不思議メンツを観察していた凛音に、エティエンヌフューベルは優しく包み込むような声で久しぶりに愛しい伴侶に目を向けた。

 この時はじめてエティエンヌフューベルの瞳と凛音の瞳が合う。

「……は…い」



 瞳が互いを写した瞬間。突如優しい雰囲気をまとった凛音にエティエンヌフューベルは戸惑う。

 どうしたのか? あれほど嫌悪感いっぱいに全身から拒否が出ていた凛音から、その感情は微塵も感じとれない。むしろ好意的な空気を感じ、疑問が脳内を過ぎっていく。


「エティエンヌフューベル様、お帰りなさい。会えなくて…その…寂しかったです」


 は??? 空耳かしら?? えっ!? 寂しい? 凛音が!?私と会えなくて!?

 えーーーーー!!???

 人がまるで変わったような凛音の態度にエティエンヌフューベルは、嬉しさから動悸息切れを引き起こしていた。

 以前のギスギスした凛音とエティエンヌフューベルの様子を全く知らない、バルベ国王ドーバ、側近クリプト。タガルガ国王グーリーンと側近ジャン。は二人の甘ったるい会話を「はい、はい、ご馳走」とあたたかい瞳で見守る。が違和感にも気づいた。

 凛音の身体はどうみても『女』そのものだ。両生具有の身体的特徴を持つのはまだ伴侶を持たない若い妖精族のみ。

 ではエティエンヌフューベルは何故まだ両生具有なのか? 女性特有の張り出た胸部に、男性特有の下半身の物体もまだエティエンヌフューベルには存在している。
 極めつけが身体も小さいまま、凛音の身体に合わすように変化出来ていない。


「天草様、さぁ。こちらへどうぞ、皆を紹介いたします」

 イヨカは席を立ち、エティエンヌフューベルの隣を凛音に譲ってくれる。会えるだけでも嬉しいが、好きな人エティエンヌフューベルの至近距離に座れるのは更に気分を高揚させる。

「イヨカさん、ありがとうございます」

 少し照れたように微笑んだ凛音をど正面から見てしまい、臨戦態勢になった下半身を隠すべく。エティエンヌフューベルは股間を両手で押しながら、前かがみの姿勢をとっている。

 生暖かい目でエティエンヌフューベルを見る二人の王と二人の側近。物凄くめんどくさい気配がしてならない。


「ぁんっ。ぅんっ…す、少し…席を外すわ。イヨカ、後をお願いね!」

 凛音がエティエンヌフューベルの隣に腰掛けようとした瞬間、背中に小さく折りたたまれた大きな羽が視界いっぱいに広がり、凛音と距離をつくる。


「え? エティエンヌフューベル様!? どこへ行くのですか?」

 相変わらず堅苦しい言動の凛音だが、先程までのふわふわした表情が凍りついており、今にもエティエンヌフューベルの腕を掴みそうに右手が前に出ている。

 まって、まって。今はダメよ! 触らないで、精液酒が出ちゃうわ! 違うの、凛音が嫌なわけではなくて!
 あぁぁぁ、股間が痺れてきたわ! もう無理よ、限界!! 最近出してないからっ、我慢がぁぁぁ!!
 ここで出す失態は絶対にできない。凛音に嫌われたくないのよ!!


 脳内で必死に言い訳をするエティエンヌフューベル。凛音からのばされた手を振りほどくように、真っ直ぐ扉に向かい、開けるのではなくて炎で溶かして外に出た。
 エティエンヌフューベルの紫炎で溶かされた扉。残骸の焦げた匂いが、呆然と硬直する凛音に運ばれる。


「…拒否…され…た?」

 思わず口に出た凛音の間違った解釈に、イヨカと扉近くで控えていた猫獣人パッドとその妻タニアが三人共、両手、顔を左右に振り「違う」と凛音にすがりつくようにスライディング土下座をしてくる。

「天草様、拒否ではございません!! エティエンヌフューベル様が天草様を拒否などと、天地がひっくり返ってもあり得ないです!!」

「イヨカ様のおっしゃる通りです!! 天草様、王も、こう色々と…色々とあるのですわ。きっと嬉し過ぎて爆発寸前だったかと!」

 いっそバラせばいいのだろうが、エティエンヌフューベルが〝それ〟を隠したいならイヨカらが〝それ〟を話してはならない。
 イヨカの後方でパッドも頭を上下に動かしていて、三人が凛音を仰ぎ見る。


 拒否ではないのは理解した。理解したが、凛音からエティエンヌフューベルに歩み寄り好意を示してからの、分かりやすく距離をとられたのには正直こたえた。
 いつも凛音はあのように伸ばされた手を何度も跳ね除けていた。もっと冷たい態度をとったはずだ。


(「まっ、仕方ないか。エティエンヌフューベル様とは仲直りしたらいいんだから」)

 エティエンヌフューベル様は基本優しい人だし、イヨカさん達が拒否ではないと言うなら、間違いなく拒否ではない。きっと急ぎの用事でもあったんだ。そうに違いない。

 凛音は悶々とする気持ちを払拭する為、何も話さない きらびやかな面々を再度視界に入れる。


「…はじめ…まして。天草 凛音 と申します」


 立ち上がって挨拶し、頭を下げた。凛音の挨拶で我に返ったイヨカは、おもむろに咳ばらいをし話を進めていく。




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