妖精王の味

うさぎくま

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17、夢の続きを

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 唇を軽く合わせる程度の口づけを、何度も角度を変えて味わう。

 一刻も早く先に進みたいエティエンヌフューベルだったが、凛音に覆いかぶさった状態の己の身体が想像していた以上に逞しく、この男性体に一抹の不安が過った。

(「凛音は小さいな…互いに唯一無二の相手だから性器の相性は必ず最高だろう。それはいいとして。
 この体格差は…。あまりに身体の大きさが違うと私が上から乗る体勢だと、凛音を潰してしまわないか不安だな…」)

 まだ成りたての身体を、徐々に把握していくしかない。局部の状態は逼迫しているが、己の状態より大事なのは凛音である。
 入れる気満々であったエティエンヌフューベルを押し留めるには十分な理由だった。


 触れるだけの優しい口づけが突如終わり、凛音はもっとと強請ってしまう。その先にある睦み合いに期待が高まるのは仕方ない。

 エティエンヌフューベルが上書きをしたいと思うのと同じく、また凛音も過去の無神経な男らの感触や行為を美しいエティエンヌフューベルで上書きし、彼のみで満たしたい。


「…んっ、…エティ…エンヌ…フューベル…さま?」

 離れていった形良い唇を残念に思いながらも、固まってしまったエティエンヌフューベルに問いかける。
 決して嫌だとか言う意味で放った言葉ではなかったのに、凛音に覆いかぶさっていたエティエンヌフューベルの逞しい身体が離れていく。


「あ、あぁ。もう一度、慣らそうと思ってな」


 胸の形が変わるほど密着していたから暖かく、離れてしまうと身体が冷える。
 何よりエティエンヌフューベルと凛音の身体に隙間が出来て、悲しくてたまらない。


「ならす? もう…そんな…の、いいですよ…早く…ギュッてして…ください」

 ビチュッッッ!!!

 凛音の能天気な煽りに脳髄が揺れ、エティエンヌフューベルの立派な生殖器は悲鳴をあげた。
 いや、若干…濃いのが一発出てしまう。吐精された白濁は真っ平らな凛音の腹の上に飛び散り、またそれが視覚への暴力となっていく。


「ぐっ…!!!」

「…うん? エティエンヌフューベル様…から? 甘くて…美味しそうな…香り…が…する?」


 甘い香りの正体はエティエンヌフューベルの玉袋から押し出された精液。凛音が毎日のように口にしていた精液酒キャラメルマキアートである。
 しかしまだうっとり夢心地な凛音は、吐き出された液体に気づいていない。

 それはエティエンヌフューベルには有り難い状態であったが、今は愛している凛音の質問にさえ返答が出来ないほどの我慢を強いられていた。

 自慢のいきり勃った先端からは、吐精された残骸と我慢汁たる液体が混ざり合い、大きく開いた傘部分をテラテラと濡らしていた。

「はっ、ぁはっ、はっ、はっ…んっ…」

「…エティエンヌフューベル…さま?」

 何も答えないエティエンヌフューベルに不安が押し寄せたのだろう、凛音の己を呼ぶ声が涙声だ。

(「くそっ、多少出てもやむ終えない…んっ」)

 エティエンヌフューベルはもう一度、凛音に覆いかぶさり、彼女の背に腕を入れ持ち上げ、胡座をかいた己の上にその身を乗せ、ピタリと身体を密着させた。

 多少吐精してしまうのは仕方ないと結論付けたエティエンヌフューベルは、凛音にバレない為に先程と違う抱きしめ方を選らぶ。

 男性器を己と凛音の身体で挟むのではなく、隆起した腹筋と勃ち上がった性器の間に。
 凛音には股を開かせて、馬乗りになるよう誘導したのだ。


「うわぁぁぁぁ、ひょっ!!!」

 エティエンヌフューベルの腰骨あたりを跨ぐ形になった瞬間、凛音からは色気ある声とは言えないが、大変可愛らしい声が発せられる。

 ビチュッッッ!!!

 可愛い凛音の声と物理的刺激から案の定、限界を過ぎた立派な男性器は、虚しくもう一発射精した。が、飛び散ったのはシーツの上で凛音には一滴もかかっていない。これはセーフでよい。

「凛音は、可愛い声で鳴くのだな?」

 出るのは仕方ない。極上の器となる凛音の女性器が目の前にあるのだ、吐精するのは自然の流れ。

 無様に射精だしっ放しの下半身は放置するが上半身は別物で。
 凛音には常に理想通りのカッコいい姿のみを見せたいエティエンヌフューベルは、余裕ある風を装い彼女を抱きしめた。


(「のぅーーーエティエンヌフューベル様のっ、大変立派なアソコが、私の股の間にぃーー!!!
 あっついし、太いし、いい匂いだし、良いところにっあたるっ! っあんっ!!!」)

 直接的な快楽に夢心地が吹っ飛んだ凛音は、現実にあたふたするしかない。
 全く余裕のないエティエンヌフューベルだったが、凛音にはそうは映らず、彼女が求める理想の男性像そのものであった。

「あっ、ん、か、可愛いく…なんてないです」

 恥ずかしさから何故か否定する発言をしてしまう凛音。せっかく褒められたのだ、キュるんと一発「ありがとうございまーす(ハート)」とあざとい女性達を真似たらいいのに、それを理解していて出来ない。


 言動は残念な凛音だが、可哀想なほど心臓はバックバック。
 何を隠そう密着度が過去最高、実はこの対位は人生発。169.5センチの身長がある凛音を片腕だけで持ち上げ、なおかつ腹に乗せても全く危なげないエティエンヌフューベルの逞しさに感嘆。

 決して飾りではない隆々とした筋肉を纏う肉体。美術館に展示されている美術彫像でしか、お目にかかった事がないほどの完璧な肉体美。

 それを持ちながらも、あくまで主導権は凛音とし、無理矢理コトに及ぼうとしない。

 エティエンヌフューベルの全てが凛音が憧れてやまない騎士道精神をモロに体現しており、何度も恋に落ちトキメキに胸を焦がす。

 後悔先に立たず…で沈む凛音に、エティエンヌフューベルの斜め上からの心配で下降気分が吹っ飛ぶ。


「……凛音。…行為中、必ず我慢はしないでくれ。
 思っていたより、この男性体は大きい。まだ私自身この身体に慣れてない。
 一番の不安が…。凛音を抱く時、あの体勢のままだと…押しつぶしそうで恐い」


 キュるん!、キュるん!!、キュるん!!!

 どれだけキュるんとさせるのか!? 隠していても数多の男と人並みに性体験がある凛音には、股に感じるエティエンヌフューベルの男性器が結構限界だと気づいていた。

 今までの普通は、凛音の秘部が濡れていようが濡れていまいが御構い無し、完勃ちしたら即挿入だった。
 それが普通と思っていた凛音には、エティエンヌフューベルの考えに愛があり過ぎて心臓が痛い。

 頬にエティエンヌフューベルのサラサラかつキューティクル抜群の髪がかかる。
 その髪を耳にかけると、これまた形良い耳がコンニチハだ。

 言葉では無理だったが、行動ではまだ甘えれる凛音は、猫が主人に甘えるように頬どうしを擦り合わせた。
 エティエンヌフューベルは男性体となったが、髭は存在しないのか全くチクチクしない。
 エステやら全身脱毛やらでお金を注ぎ込んだ凛音よりも、きめ細かい肌な気がして、女として少し落ち込む。


「……凛…音…っ…あっ…」

 股の間に挟まれた立派な男性器を、ちょっと腰をスライドさせ刺激を与えたならば、ダイレクトに耳へテノールボイスの色っぽいエティエンヌフューベルの声をひろえた。

(「いやんっ、あ、頭がおかしくなるほどの美声だわ。顔も身体も性格もよければ喘ぐ声まで素敵なんて、エティエンヌフューベル様っ、グッジョブです!!」)

 羞恥はあるがそれよりもエティエンヌフューベルの喘ぐ美声を聞きたくて、凛音は股を締め腰を前後にストロークしてみせた。

「うっあっ、あっ、待ったぁっんッ、ぁぁぁ」

「気持ちいいですか? (長いからしやすい)」

「まっ、で、出て、しまうっ…」

 ビュッチュッッッッ!!!! ビュチッッッ!!!

 大変立派な男棒から吐精された白濁は、引き続きシーツを濡らしていく。

「ッんっっっっっ!!!」

 これ以上は出してなるものかと、凛音を抱きしめながら堪えるエティエンヌフューベルの素敵な事、凛音は早々に違う性癖の扉を開いた。

(「やばっ、私ってSっ気あったんだ…というか、射精した割には、青臭い独特の匂いがしない?
 アレって結構むせるくらい生臭い匂いじゃなかったけ? むちゃくちゃ甘い香りしかしないんだけど。異世界だから? か、綺麗なエティエンヌフューベル様の精液は普通とは違って甘いとか?
 いや、ない、ないよね。そんなお伽話のようにはならんよね」)

 ここは異世界。不思議ワールドで間違いないのだ。開き直って、もう一回と思ったところでエティエンヌフューベルに止められる。意味不明な発言と共に。

「…凛音。私と子供を作りたくはないのか?」

「え? 作りたいですよ、赤ちゃん欲しいって言いましたよね」

「…では何故、無駄打ちさせる?」

「……………あっ…」

 哀しげな表情のエティエンヌフューベルを見て、神への冒頭ほどの失態を犯した事に気づく。

 聞いたではないか。妖精族は子供が出来ないと、性行為の多さは快楽だけではなく子孫を残す為だと。

 一生の伴侶と認めてない間でも身体の関係があり、何人とも性行為をする凛音達あちらの世界の人間と根本的に妖精族は違う。


「違いますっ、その、忘れてて。すみません!!!
  あちらの世界では奉仕というか。手や口や先程みたいに股とかで、こう男性のアレを気持ちよくしてからの…本番が…。
 でしたので、エティエンヌフューベル様にも気持ちよくなってもらいたくて。素敵な声も魅力的…で、す、すみませんでした」

 室内が暑い。股に挟んでいる立派な生殖器は熱いが、違うなんだ? 部屋が暑い、汗が湧き出る。

「凛音。そこまで聞いてない、聞きたくない」

 ブワッ!!!と熱風が髪を持ち上げる。

「ヒッィぃ!!!」

「言わなかったか? 凛音は私のたった一人の伴侶だと。過去の男の話を私にするのか?
 あのふざけた奴らと同じようにされて、私が喜ぶとでも?」

「お、思いません」

「結構だ。理解したならば今後一切、死ぬまで。心臓が止まるまで口にするな。
 この世界の住人ならば、必ず見つけ出し、正気を失わない程度で全パーツをゆっくり切断した後、身体の一欠片も残さず燃やしてやりたいが、いないならば仕方ない」

 ハク、ハク、ハク、と口から息と恐怖が押し寄せる。

「エティエンヌフューベル様、冗談ですよ、ね?」

「私が冗談を言うように見えるか?」

「………見えません」

「結構だ。では、これ以上無駄打ちをしないためにも、入れて構わないか?」

 キュるん。

 きっと凛音は阿保になった。とても恐怖政治みたいな発言をされたはずだが、それが綺麗に消え失せた。

 実際恐かったのは言動よりも、エティエンヌフューベルから吹き上がる紫炎。
 不思議と紫炎に巻き込まれている凛音には、暑さを感じるだけで焼けてはいない。紫炎が偽物でないのは重々承知の上。深く考えてはいけない気がして凛音は思考を止める。

 入れていいかと聞かれた。ばっちこいだ。はじめてではないのが申し訳ない。

「入れてください。(初めてでなくて、ごめんなさい)」

 心で謝罪し、目一杯微笑んで見せた。視線が合うと自然に唇と唇が吸い寄せられる。可愛い口づけはすでになく、想像以上にねっとりとした舌が口内に侵入してくる。

 下半身のブツが長ければ舌も長いのか、口の中に入りきれなくて唇からは飲みきれなかった唾液が溢れ落ちる。

 ジュルッ、ジュッ、グチュ、ジュルッ、口づけが卑猥過ぎる。頑張って応戦しようにも、エティエンヌフューベルの舌技に翻弄され、思考が焼かれる。

(「セックスって、こんなに気持ちいいものだったんだ…心も身体も、満足して、る!? あっ」)

「あぁぁぁぁっっっ!!!」

 凛音の切なく甘さを含む絶叫が室内に響き渡る。

 それまで貪りあっていた互いの唇が離れる。いや、凛音が仰け反ったから離れてしまったのだ。

「凛音っ、力を抜いて、くれっ」

 嫌、凛音もそんなことは百も承知だが、あまりに大き過ぎやしないか? 先だけが挿入しただけで内臓の形が変わった。

(「まて、まて、まて、エティエンヌフューベル様のデカイ!
 いや、見てもデカかったが、入れると大き過ぎて、擦れるよ、あんっ!! まって、それ以上入れたらダメーー!!壊れるからぁーーぅーーー!!!」)


 凛音は必死に待ったをかけるべく、腰辺りを掴んでいたエティエンヌフューベルの手の甲をパシパシ叩く。一応進むのは止まった。

 正直に言うと凛音の今までの相手は凛音の指三本程度の太さと中指程度の長さの男性器しか知らない。皆が皆、小さかったのだ。

「痛いのか?」

 驚くほど心配気なエティエンヌフューベルの声がし、ハクハクハクしながらも目線を合わせて、はい、後悔。

 痛くはない、十分凛音の秘部はドロドロ(さっきエティエンヌフューベルのブツをすりすりした時、立派なそこに流れ出た蜜液を塗りたくったくらい)痛いのではなく未知なる圧迫感…そして快楽が恐怖なのだ。

「恐いんです。こんなのに慣れたら私、きっともう戻れない」

「戻る必要はない。私の身体に反応し、十分すぎるほど蜜液も出ているし、何か問題があるのか?」

「だから!!! きっと!!!」

「なんだ?」

「だから…もう、引くくらい…エティエンヌフューベル様を好きになっちゃう。う!!?」

 ズリュッ!!! 凛音の言葉がスタートになり、エティエンヌフューベルの大切な生殖器が、本来あるべき場所に埋まっていく。
 挿入されていく効果音が聞こえる。ズリュッ、ズリュッ、ズリュッッッッゥーー。


「あっっーーーっっーーー!!!」
「んっっっ」

 比べてくれるな、とエティエンヌフューベルはいうが、口には出さないが比べてしまう。自分の膣内の長さなんて知らない。が身長が高い凛音だ、ある程度膣内の長さもあるのだろう。

(「エティエンヌフューベル様の立派なのが、埋まっていくよ、ホントに? 全部? 埋まっていくぅ」)

 トンっ、とこれ以上ないほど優しく最終地点に到達したエティエンヌフューベルの男性器は満足そうに脈打っている。と同時に色気ある声が、凛音の耳をなでる。

「ぁっはっーーーんっーーー………」

 きっと射精だすのを耐えているのだろう。若干早漏な気配さえ、もはや可愛い。事実エティエンヌフューベルは女を知らない。

 早漏タイプでも、それに絶倫が乗っかれば女側からすれば楽しめて尚且つ精液が肝油材の役目にもなり、出し入れがよく快楽を感じやすい。
 遅漏タイプは膣内が乾きつつあってもまだ腰を振っているから、くたびれるしやり過ぎて膣内がヒリツキ正直あまり気持ちよくない。

 エティエンヌフューベルのタイプは、最高なのだ。吐精しても萎えないとは凄い。絶対人間じゃない。実際妖精であって人間ではないのだが、見目を抜いても、この素晴らしい巨根だと、あちらの世界では引っ張りだこだろう。

(「ライバルいなくて、ほんと良かった…」)

 凛音がそう思うのも当然だった。

 ぎっちり隙間なく埋まったエティエンヌフューベルのモノ。これ程しっかり形が分かるのが凄いのと、まるであつらえたように見事にぴったりなのが嬉しくてたまらない。

 吐精感を耐えているエティエンヌフューベルと違い余裕がある凛音は、筋が浮き出る太い首筋を溢れ落ちる汗に目が行き、何気なく舌を這わした。

「甘っ!?」と思わず叫んだ。

 汗は塩味の常識虚しく、エティエンヌフューベルの汗は甘露だ。色々良すぎてふざけてる。
 未知の興奮に思わず身体に力が入り、膣内がギュむっと締まる。

 瞬間、耐えきなかったエティエンヌフューベルは吐精。玉袋から押し上げられた精液が凛音の体内にブワッと広がり、身体が一気に熱くなる。

 出る量が凄い、ビュルッ ビュルッ ビュルッ ビュルッ ビュルッ ビュルッ とテンポよく子宮めがけて突入してくる。


「うわっ、熱っ、わぁぁぁー」

「…っっっ、止まっら、ないっ…」

 耐えてる人に締めた凛音が悪いが不可抗力だし、ちょっと量が異常で不安が頭をよぎる。

「量、凄いですけど、身体大丈夫ですか?」

「…はっ、…はっ、…はっ、…はっ、」

 イッタところで、エティエンヌフューベルは話せない。

 熱い吐息を吐きながら、身体が痙攣しているエティエンヌフューベルを、凛音はぎゅっと抱きしめた。


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