妖精王の味

うさぎくま

文字の大きさ
45 / 46

43、平穏な日々

しおりを挟む
 

『エティエンヌフューベル様ぁぁぁ!!!愛してますーーーーー!!!
 私の愛する貴方に戻ってぇぇぇぇーー!!!』


 35歳からすでに1歳年をとった凛音は36歳。この年齢で、愛を絶叫するなどと思いもしなかった。

 はぁ、はぁ、はぁ、と顔を真っ赤にした凛音は、しばし硬直。
 地震もおさまり、静かになったのを確認し、いそいそとベッドにあがり布団をめくり、その中に丸まる。


 ミミルから「ママね、情熱的なの!!」という言葉をもらい。

 ハーブさんの照れながらも慰め「す、素敵ですわ…」の言葉を耳が拾う。


 褒めてくれているのだろうが、恥ずかし過ぎる。なんだ、あの「貴方」って、仮にも妖精王エティエンヌフューベルを呼ぶには適さないはず。

 布団に丸まった凛音は、まだ股間からヌチャリと湧き出る精液を感じ、恥ずかしさから涙目だ。


(叫んじゃった、叫んじゃったよ。あんな、上から目線で、愛してるやら、戻ってやら。
 はーずーかーしーいー、伝わって良かった。伝わって良かったけど、いたたまれないわぁぁぁぁー)


 布団に入ったのは、数分だろう。

 ミミルもハーブさんも動いてない。足音も聞こえない。こうしていつまでも照れるのは、間抜けだし馬鹿みたいだ。

 よしっ! と気合いを入れた瞬間、布団が剥がされ。大きい何かにのしかかられた。



「んっ!? 何!?」

「……凛音、今すぐ抱きたい」

「は? エ、エティエンヌフューベル様ぁ!?」


 疑問しかない。体重をかけてのしかかる訳ではないので、若干動ける。チラッと背後を見ると、案の定ハーブさんとミミルの目が驚愕に見開かれている。

 それはそうだ。足音もなければ、ドアが開く音もしない。いきなり現れたのだ。



 二人がいるにも関わらず、エティエンヌフューベルは凛音のスカートをめくり上げ、下着をずらす。あまりの手早さに下着は剥ぎ取られたが、まずは話をしないとならない。



「ま、まって下さいっ!! 帰ってきたんですか? 人身売買の方達は、どうなったのですか? というか、どうやって帰っきたのですか!?」

 エティエンヌフューベルは黙りだ。

 変わりに耳に入ってくる音は衣擦れの音。凛音が脱がされた訳じゃない。下着は脱がされたが、上着もスカートも胸当てもそのまま。

 では誰の衣の音なのか?現実逃避するも、間違いなくエティエンヌフューベル様の衣服だろう。

 まだ凛音の股間はとろみつく状態、朝まで性器を合わせていたし、まだまだ膣内は潤いを保っている。今からくるだろうアレに、思考が完全にアッチに行ってしまう。



「あの、ですね、エティエンヌフューベル様。話を、」

「すまない、今回…だけだ。入れるだけで動きはしない。受け入れてほしい……」



 声が泣きそうだ。股に沿って擦りつけられた立派な陰茎も、いつもと違い強度がない。半勃ち状態という奴なのだろう。

 この状態は見た事がない。凛音は芯はあるがまだ少し柔らかいそれをそっと右手に添えて膣穴に導く。
 辛うじて陰茎を出しはしたが、それしかせず。エティエンヌフューベルは背後から凛音にしがみついている。

 震えながら縋られたらノックアウトだ。凛音はこういう強い人の時折りみせる弱さに大変弱い。



「エティエンヌフューベル様、支えますから、腰で中に入れて下さい」


 じゅっぷっ……じゅっぷっ…ぢゅぷっ、……

 最奥まで埋めて、やっとエティエンヌフューベルの震えが止まった。互いの凹凸を埋めるように重なりあった性器は、静かに埋まったまま。

 なんとなく気配を探せば、ハーブさんもミミルもいない。良かった…と凛音は思う。
 流石にこの状態のエティエンヌフューベルを拒否は出来ない。二人がいたとしても、彼の身体の大切な一部は埋めるつもりだった。

 肉欲ではない繋がりもあるのだ。

 時間はかなりたったのではないか? 全く動く気配がないエティエンヌフューベル。

 死んでるんじゃないかと不安になるが、凛音の膣内にはドクンッドクンッと脈打つ陰茎、背中にも心臓の音を拾えるから、まだ安心だ。


(でもな、この体勢は好きじゃないんだよね…抱きしめれないし…)


 真正面の方がいいに決まっている。少しは落ち着いたかなと思い凛音は、一応の提案を試みる。



「エティエンヌフューベル様、体勢を変えたいです。これでは私から抱きしめられません」


 凛音の声に反応したエティエンヌフューベルは、静かに身体を離す。順従だと思ったが前言撤回だ。いきなり片足を掴まれ、ぐるっと180度回される。


「ぃあんっっっっ!!」

 膣内で回転したエティエンヌフューベルの巨根が、とても良い具合に刺激となり、膣内は蜜液が溢れ出す。


(回された!? 体勢変えるなら、一度抜いてくださいよ、全くっ!!)


 下半身を繋げたまま凛音は仰向けに、エティエンヌフューベルは膝立ちの状態となる。長く生きているはずなのに甘えた過ぎる。

 余裕がないのは分かっている。互いが服を着用したまま性行為をするなんて一度もなかったからだ。



(はい、はい、存分に甘えて下さいな)

「エティエンヌフューベル様」


 凛音は名前を呼びながら、両手を広げた。エティエンヌフューベルはゆっくりと上体を傾け、凛音の身体を真正面から抱きしめる。
 そして腕を背に添えて抱き起こす。胡座をかいた上に凛音の身体をのせ、隙間なく身体を密着させた。


(ぐえっ、デカいッ、この体勢は内臓にくるっっ)




 小さな、聞き逃しそうなほどの小さな声で、エティエンヌフューベルは、ボソッと一言。

「…膣内なかがキツイ」


 はじめに言うことがそれか!?ジワジワと怒りがわく。平常心になったのは良かったが、キツイとか当たり前だろうと、あまり慣らさず挿入しそのままだ。

 でっかいタンポンだと思いたいが、そうは思えない。



「なら抜いてください」

「いやだ」

「エティエンヌフューベル様は、わがままですねー、全く。私の膣内が気持ち良くて堪らないのでしょう」


 意地悪に羽根の付け根を引っ張れば、またポソッと一言。



「切り離して埋めておきたいほど気持ちいい」


「………切り離すのは、やめて下さいね。後こんな立派なの挟みながらは、歩けません」


 軽口を叩けるまでになり、凛音は全体重の力を抜いてエティエンヌフューベルにもたれる。危なげなく抱きしめくるのは安心しかない。



「…で、何があったのですか? 教えてください」


 ビクッと身体が固まったのを感じた凛音は、背中をゆっくり撫でる。密着したまま、ポツポツと何があったか語りはじめた。

 全て聞き終えた時には、凛音はエティエンヌフューベル様の可愛さに、胸もキュンキュン、子宮もキュンキュン。

 所々恐いところもあるが、全て凛音を失うかもしれないという恐怖からくる言動なのだ。この重過ぎる《愛》が心地よい。

 身体がうずきはじめてしまう、冗談なく一発イカしてもらたい。

 もう凛音の膣内はどろどろと蜜が溢れている。エティエンヌフューベルは射精してないので、間違いなく全て凛音の体液だ。


「…エティエンヌフューベル様200歳なんですね。ちょっと、いえ、かなり……全ての話の中で、それが一番驚きです」

「そこか、気にするとこは?」

「紫炎が恐ろしいのは、最初の出会いで体験済みですし。昆虫獣人は見たくないです。見なくて良かったですよ」

 凛音は人ほどある昆虫を想像し鳥肌がたった。


「エティエンヌフューベル様は、そんな軽口とただの妄想でも、嫌なのですか?」

「……妄想ではない、彼奴は本気で凛音と性行為するつもりだった」

「もし、そうなればエティエンヌフューベル様は私を嫌いになりますか?」

「やめてくれ!!!」

「汚れた私を捨てますか?」

「凛音っっっ!!!!!」


 エティエンヌフューベルの怒号が室内に響き、魔力だろうか、部屋がミシミシと軋み悲鳴を上げている。
 絶対に凛音を痛めつけたりしないと確信があるから言える。


「何があっても、またこうして上書きしてください」

「………」

 エティエンヌフューベルから返事はない。それでも溶かされたくない。凛音は生きたい。


「全てを溶かして、なくしてしまう選択は絶対にしないで下さい」

「………」

 一切目を合わせてこようとしないエティエンヌフューベルの頬を掴み、無理矢理瞳を合わせた。


「せっかく理想の人に会えたんです。少しでも長く側にいたい。いつまでも、こうしてエティエンヌフューベル様を感じたい。
 燃やさないでください。溶かさないでください。
 エティエンヌフューベル様は、長く生きたかもしれないですが、私はまだまだ足りません。
 まだまだ貴方と一緒にいたいんです」


「……凛、音…っ」


 宝玉のような紫色の瞳から、涙が流れていく。

 流れた涙はシーツの上でガチの宝石になり転がっていく。
 美しいエティエンヌフューベルの甘い泣き顔よりも、元は涙だったものが宝石に変わる事実に凛音は驚愕。


「は?」

 いきなり身体を逸らした凛音。膣内で陰茎を曲げられ刺激を与えられたエティエンヌフューベルは、色欲を放つ甘やかな声を漏らす。

「ぁっ、……っ…凛、音っ…」

 元は涙だった宝石を手にし凛音は興奮中。


「まって、まって、涙が宝石!?おかしいから、エティエンヌフューベル様の身体って、宝石で出来ていますか!?」


 そうだと言われても納得する。

 大興奮の凛音は何故か落ちつかないのか、腰を上下左右に揺らす。
 官能を引き起こすものではなく、これは喜びを我慢できない状態だ。

 それをエティエンヌフューベルも理解があるからこそ、説明をするが膣内が気持ち良過ぎ、脳内が揺さぶられる。


「…ンッ、…妖精族でも、とくに…ンッ……力ある者は、ンッ……だいたい涙は、宝石に……ンッ、なるから、珍しくは…ンッ……ない」

「うわぁ、強烈」


 はい、きた異世界の常識は凛音には非常識。転がった宝石三つを大事に握りしめている凛音を、ゆっくりとベッドに倒す。


「動いても、構わないか?」

「…どうぞ、…」


 凛音は恍惚な表情で腰を振るエティエンヌフューベルを下から見上げながら、向こうの世界に住む大好きな家族と友人に想いを馳せる。


(…私の旦那様、想像以上に素敵です。心配しないでね。私は…めちゃくちゃ幸せです)








後書き
いよいよ、次がラストです!!
最終話は明日アップ致します。お楽しみに!!

うさぎくま
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

辺境伯夫人は領地を紡ぐ

やまだごんた
恋愛
王命によりヴァルデン辺境伯に嫁ぐことになった、前ベルンシュタイン公爵令嬢のマルグリット。 しかし、彼女を待っていたのは60年にも及ぶ戦争で荒廃し、冬を越す薪すら足りない現実だった。 物資も人手も足りない中、マルグリットは領地の立て直しに乗り出す。 戦しか知らなかったと自省する夫と向き合いながら、少しずつ築かれていく夫婦の距離。 これは、1人の女性が領地を紡ぎ、夫と共に未来を作る「内政×溺愛」の物語です。 全50話の予定です ※表紙はイメージです ※アルファポリス先行公開(なろうにも転載予定です)

私が生きていたことは秘密にしてください

月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。 見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。 「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

処理中です...