夜だけの異世界英雄伝説

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第4話(上)地獄と魔王

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 数十年くらい前、世界は大きく5つに分かれていた。
 北の大地のノースランド帝国。
 南の大地のサウスランド王国。
 東の大地の極東皇国。
 西の大地のウェストランド共和国。
 そして、中央大地の魔導国家ノートリアス。
「え?俺の名字と同じだって?……そうね、珍しい名字だけど今の世界にも少なからずノートリアスの姓を持つ人はいるわ。みんな、高い魔力を持っているわ。きっと、何かしら関係があるんでしょうね」
  このころ、人類は魔法というものを持っていなかった。
 人類は、魔術と科学を発展させながら生きていた。
 ただ1つの国を除いて。
 ノートリアスだ。ノートリアスの王は生まれながらにして数多くの魔法を使う力を持っていた。
 魔法具なんて持っていなくても使えるのだ。
 そして、その力はノートリアスの王族にだけ、引き継がれていた。
 その力によって作られた堅牢な防壁と、強大かつ、大量に配置されてる神造兵。
 人々はその力を畏れ、敬い、ノートリアスの王が変わる時は各国の王たちは揃って出席し、祝辞を述べていたらしいわ。
 他にも、各国の資源や宝物を献上させた。
 ノートリアスが世界を実質的に支配していたのだ。
 そんな世が続いたある時、ノートリアスの王座にとある王がついた。
 その王は気まぐれか、好奇心か、ウェストランド共和国に魔法の力を持っていなくても、素質がある人間なら魔法が使えるようになる道具、後の魔法具を与えた。
 これが全てのきっかけだった。
 ウェストランドに運ばれた魔法具は解析、改造され、大規模な魔法機械になった。
 至高電脳・エクス・マキナ
 エクス・マキナの魔法は思考。疑問に対し、最も適した解答を出すという魔法だ。
 ウェストランド政府はエクス・マキナに質問した。ウェストランドが、栄華を極める方法を。
 エクス・マキナは解答した。
 人類史において、封印された魔法具を掘り出せと。
 エクス・マキナが指定した座標を掘ると、魔法具が出てきた。
 そして、解析、実用化する。
 ウェストランドはこれを繰り返し、破竹の勢いで発展していった。
 だが、ウェストランドの栄華は長くは続かなかった。
 ノートリアス王が、他の三国にも魔法具を与え、そして魔法具が世界各地に封印されていることを伝えた。
 ノートリアスへの資源の献上が原因で疲弊していた四国は魔法具や資源の奪い合いを始め、それは戦争へと発展していった。
 どうして、ノートリアス王が戦争の火種を撒くようなことをしたのか……詳しいことはわかっていない。
 そんなある時、戦争によって疲弊した四国は集まり、講和会議を始めた。
 四国の代表達は互いに講和条件を出し合った。
 議論は平行線で長く続いた。
 そんな時、出席者の1人が言ったの。
「ノートリアスを終わらせられないだろうか」と。
 そもそも、戦争の原因を作ったのはノートリアス王だったし、このまま講和したところで現状は変わらない。
 ならばこれを機に四国で連合を組んでノートリアスを打倒してはどうか、と。
 反対意見は起こった。
「ノートリアス王の力は絶対だ」
「神造兵はどうする」
「どうやって、あの防壁を崩す?」
 最初は反対意見が多かった。
 だが、四国ともノートリアスに対する不満を持っていたのは事実だった。
 幸いにももうすぐ王座交代の儀式がある。
 この儀式の折に防壁内に大量の兵士を送り込むことが出来る。
 同時に、王を暗殺する機会も。
 それに、既に、魔法の力を持っているのはノートリアスだけではない。
 会議を重ねるうちに様々な問題がどんどん解決されていく。
 難しい課題も、エクス・マキナの解析ですぐに解決した。
 遂に四国の代表達は打倒ノートリアスを決意した。
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