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第二章
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しおりを挟む騎兵隊の追撃を、ゼロスの捨て身の攻撃で辛うじて退けた二人。
リリアは、傷ついたゼロスの体を手持ちの薬草で手当てしながら、彼の自己犠牲という感情に、深く心を動かされていた。
「もう二度と、私を庇ってあんな無茶をしないで。私のためじゃない。あなた自身のために、完璧でなくてもいいから生きてよ」
リリアは泣きながら言った。ゼロスは、麻痺の残る体で、ただ静かに彼女の目を見た。
「あの時、私の中のシステムは『お前を失うリスク』を『存在意義の消滅』と同等と判断した。回避に成功したため、この行動は成功と見なす」
感情を言語化できないゼロスの不器用な表現に、リリアはため息をついた後、そっと微笑んだ。
「その『成功』の表現が、私には何より嬉しいわ」
トンっと手当てした場所に指先を当てて、「はい、終わり」と続ける。そのまま立ち上がり、背を向けるリリアをゼロスは目で追った。
──夜明け、彼らが次に目指すのは、知識と古代言語の解読に特化した、人里離れた『賢者の隠された地下書庫』だった。
書庫の奥。リリアは、石盤に似たレシピの断片に記された古代の錬金術記号を、ゼロスは古代文明のプログラミング言語を、それぞれ解析した。
リリアの知識が『エネルギーの流れと変容』を、ゼロスの知識が『システムと制御の構造』を読み解く。
二人の知識が融合した結果、彼らは衝撃的な事実を知る。
「……レシピは、この断片だけで完成しない」
リリアが青ざめた顔で言った。
「ああ、そうだ。そして目的地でもある『真の起動装置』。それはアヴァロンの創設者、『管理者』ゼノンの支配下にある遺跡にある」
ゼロスが続けた。
そして、リリアが読み解いた錬金術の記述に、恐ろしい名前が記されていた。
「──狂乱の錬金術師カイン。彼もまた、レシピの全貌を知り、その起動装置の場所を追っている」
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