【完結】追放された錬金術師、現代の「食品添加物知識」で辺境の村をたった3日で救う

ふじ朔太郎

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 ユウキが村に来て一週間。

 ゼインは息を切らせて、ユウキの前に立った。村は、以前とは比べ物にならないほど活気に満ちている。

「ユウキ! よくやったぞ! お前の技術はやはり王都にこそ必要だ!すぐさま私の下に帰還し、この功績は私がまとめて王に報告する!」​

 傲慢な物言いは変わっていなかった。

 ユウキは、静かに笑う。

「ゼイン様。残念ながら、私はもう王都には戻りません」
「な、なぜだ!お前のような無能に、拒否する権利などな……」
「無能?」

 ユウキは首を傾げた。

「私は貴方の下で、自分のこの知識が活かせないとわかったのです」

 彼は、新しい貯蔵庫の鍵を隣にいたリナに渡した。

「この村は私の知識と、村の皆さんの実直さがあってこそ繁栄できる。貴方の下に戻れば、私はまた『地味で効率の悪い薬草茶』を作らされるでしょう」

 そう言って、一歩前に出る。ゼインはたじろぐように下がった。

「ぐっ……」
「私が欲しいのは、穏やかでゆっくりとした生活です。そして、この村は、私の求める条件をすべて満たしました」

 ユウキは騎士たちに向かって、高らかに宣言する。
​「私を追放した判断こそ、ヴェルナー家にとって最も『非合理的』で『愚かな判断』だったと、主様にお伝えください」

 ゼインは、目の前で自分の失策と愚かさを突きつけられ、顔を赤くし、何も言い返せずに立ち尽くすことしかできなかった。

 これこそが、ユウキが求めた結果だった。武力ではなく、経済力と合理性による、完璧な知的の完勝だった。

 ユウキは振り返り、リナと共に、彼らを待っている村の仕事小屋へ向かって歩き出した。

 彼の顔には、王都にいたときにはなかった、穏やかで充実した笑みが浮かんでいた。





────​完
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