なんでもいい

さようなら

僕たちは学校教育の中で、ある程度の常識やマナーを培う。挨拶や上下関係、生活の習慣などなど。しかしながら、個人的に一つ疑問に思うことがある。それは、帰りの会やホームルームの終わりにみんなで言う「さようなら。」という言葉だ。当たり前かのように植え付けられた、その習わし。しかしながら、大人になった今なら分かる。日常生活で「さようなら。」という言葉はほとんど使わないのだ。

例えば仕事終わりの帰り際には「お疲れ様でした。」や「お先に失礼します。」と言うケースが多い。寧ろ常識とさえされている。コンビニやスーパーで買い物をした帰りは「ありがとうございました。」。人生の別れ目なんかは、「今までありがとう。」や「元気でいてね。」と伝えることご殆どだ。

では、「さようなら。」はいつ使う言葉なのだろうか。僕が知る中で唯一「さようなら。」と言う場面。「さようなら。」が似合う場面。それは、恋の終わりなんじゃないかと思っている。一つの恋の終わり。「今までありがとう。幸せになってね。”さようなら。”」と。そう考えるとなかなか面白いことが見えてくる。
そう。それは、、、

僕らは幼少期より、人生の酸（すい）ばかりを植え付けられていたことになるのだ。※ことわざの『酸も甘いも』より。
恋という甘い時間を過ごした後の、ほろ苦いコーヒーのような酸味。それを生まれて間もない頃から習慣として植え付けられる。ね。そう考えるとなかなか面白いでしょ？

僕は物凄い特殊な人間なので、きっと他にも「さようなら。」という場面はあるんだろうと思う。でも、今僕の頭にパッと浮かんだのが失恋だった。人は出逢いと別れの数が必ずイコールになるのだけれど、”さようなら”はもう口にしたくないかな。