なんでもいい

榊 海獺(さかき らっこ)

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緑のリュウさん

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ONE PICEでモモの助がピンク色の龍になり、カイドウが青い色の龍になった頃、職場側のコンビニに緑色の龍が現れた。
緑色の髪をしたリュウさん(女性)。
恐らく韓国人か中国人のリュウさん。

未だ人種差別的思考がどこかで生きているこの国で、韓国人か中国人で髪の色が緑。
女性にしては高い身長に、少し痩せ気味の体型。切長のクールな目。
なかなかパンチが効いていたと思う。
そして、このご時世でマスクをずっとしていなければならず、マスクとクールな目元が近寄りがたい雰囲気を演出していた。


彼女が働き出した頃は、そのパンチの強さから、お客さんからドライに扱われていた。レジ打ちの機械みたいに。
多分ではあるが、本人も作業的にこなしていたので、その所為もあったのかもしれない。

そんな中、僕は少しずつ気付き始めていた。
リュウがとんでもなく美人であることを。
(というより、今思うとかなりどストライクだったんだと思う。)
正直、ドラマや映画に出れるかどうかと言われれば、髪色的にNGだろうが、モデルやMV出演であれば、かなりいい線をいっていたと思う。
ましてや、痩せていることが美の象徴とされてきた我が国に於いて、リュウさんの体型は完全にモデル体型だった。

そのことに気付き始めてからというもの、僕の”リュウさんと仲良くなれるかな?大作戦”が始まった。
正直下心が全くなかったと言えば嘘になるが、そんなやましい事は考えてなかった。

結果から言うと、挨拶以外会話は出来なかった。唯一分かったことは、リュウさんはめちゃくちゃ照れ屋さんだった。話し掛けたり笑いかけたりすると、顔を真っ赤にして微笑んでくれた。そして、笑顔で「ありがとうございました。」と。声まで可愛かった。
※今思うとザ・マニュアル対応だが、30過ぎるとこういうことで嬉しかったりするのだよ。若者よ。

しかしながら、2021年のお盆休みにリュウさんは居なくなってしまった。
ただ単に辞めてしまっただけなのかもしれないが、もしかしたら母国に帰ってしまったのかもしれない。
ある時リュウさんが丸い眼鏡をしていたので、話のキッカケになればと、僕も丸い眼鏡を買ってみた。その眼鏡が出来る前に居なくなってしまった。

なんだか、凄く寂しい気持ちになってしまった。
その時初めて、自分がリュウさんに恋心を抱いていたことに気付いた。
結局下心かい。男なんてそんなもんだ。
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