なんでもいい

榊 海獺(さかき らっこ)

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寂しがり屋達のOne Night Carnival(あとがき)

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エッセイの途中で、急に短編小説のようなものを書いて申し訳ない。初のエッセイ作品ということで、ちょっと実験的な試みをしてみました。書き始めた当初は前編・後編もしくは前編・中編・後編くらいに纏める予定でしたが、全然纏まりませんでした。と言うのも、せっかくだから事細かに書いてみたくなりまして。中編①、②辺りで”おや?”と思われたことでしょう。無告知で突然突入してすいません。

今回この『寂しがり屋達のOne Night Carnival』を掲載したのには理由があります。
実は本作に出てくる優が、数年前に不慮の事故で亡くなりました。最後まで優しいやつでした。お通夜で見た安らかなその顔は、今でも忘れられません。綺麗な顔をしたいつもの優でした。笑っても泣いても目が無くなる彼が、真顔でもニッコリ笑ってるように見える彼が、私は大好きでした。
どうしても彼との思い出を何処かに残しておきたかった。なので、誠に勝手ながら私の初のエッセイ作品である本作を掲載しました。読んでいただきありがとうございます。きっと私だけでなく、天国にいる優も喜んでくれているのではないかと思います。


ここからは余談ですが、One Night Carnivalは発表会ライブの1週間後に、新入生歓迎会で再演されます。もちろんグダグダです。そんなにすぐ上手くはなりません。練習とライブは別物です。そして、またすぐ弱音を吐きます。今思うと豆腐メンタルですね。情けない。

しかしながら、その後も味を占めたようにライブをし、最終的には地元の大きなお祭りで1000人近くのお客さんの前で演奏をすることになります。そして、そこにたまたま居合わせた担任の先生により、学校新聞に載ったり、中学の三送会で体育館のスクリーンに大きく映し出されたりと、ちょっと美味しい思いをします。

バンドはと言うと、その頃にはメンバーも変わり、優が発表会ライブ直後に、直樹が新入生歓迎会後に脱退します。そして、本作の『コンソメパンチに殴られるよ』で登場したヒロキがボーカルを務めることになります。またしても目立ちたがり屋のヒロキに美味しいところを持ってかれるんですね。

16年経った今では、健治は家業を継ぎ、ユウジは舞台俳優を得て、バーレスクのダンサーになります。直樹に関しては、地元の熊本に帰ったとか。私は普通の会社員です。各々の人生を歩んでますよね。面白い。ちなみに健治と私は今でも音楽をやっています。僕のサポートで入ってもらったりもします。キーボーディストではなく、凄腕のベーシストとして。
ね。人生って何があるか分からないでしょう。面白い。

さて、次回からまた通常のエッセイに戻ります。
引き続きお楽しみください。
宜しくお願いします。

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