なんでもいい

榊 海獺(さかき らっこ)

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プールとおっぱい

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今年も海の日が過ぎ、各地でプール開きが行われた。夏がやって来たのだ。


小学生の頃、大半の同級生がプールの授業を楽しみにしていた中、僕はプールが嫌いだった。
あれは小学四年生の頃だった。僕は女性化乳房症を患っていた。女性化乳房症とはホルモンバランスの乱れで、乳腺が発達してしまう病。そう、小学四年生の僕にはBカップくらいのおっぱいがあったのだ。しかも、タイミングが悪く、それは夏直前に現れた。
当然のことながら、学校指定の水着はボクサーパンツのような形をしていた。つまりは、僕はおっぱい丸出しで水泳に励まなくてはならなくなった。更に、ウチの学校のプールは狭く、2人が横並びで泳ぐのがやっとの25mプールだった。
そして、ウチの学校の授業では、スタートはけのびではなく飛び込みが基本だった。必然的に、スタート地点はお立ち台かの如く注目を浴びる。僕のおっぱいは晒し者だ。
言うまでもないが、僕はプールの授業を参加せず、見学をすることがほとんどだった。(母から止められていた。)

幸いなことに、僕の女性化乳房症は半年で完治した。翌年からは普通にプールの授業が受けられるようになった。それどころか、小学五年生の僕は、好きな女の子のスクール水着姿が見たくて、夏休みの自由参加の授業でさえも皆勤賞を取るまでになった。エロへの目覚めだ。笑

夏も終わりに近づき、プール納めが近付く。ふしだらな想いで皆勤賞を取った僕を待っていたのは、ふしだらな想いへの代償だった。毎年プール納めは、各クラスの代表者が華麗な泳ぎを披露して幕を閉じる。そう。皆勤賞でプールが好き=泳ぎが上手いと勘違いされて、プール納めのクラス代表に任命されてしまった。実を言うと僕は犬掻きしかまともに泳げなかった。最終的に、僕は冷たい視線を浴びながら、溺れかけながら25mを泳ぎきった。それ以来、プールがトラウマになった。自業自得だね。







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