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僕らの番長
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僕が高校生になった頃、僕のクラスには番長と呼ばれている人物が居た。彼の名は加藤君。加藤君は高校入学の時点で、既に身長が185cmあった。野球部の加藤君はその身長とガタイの良さから、番長と呼ばれていた。
加藤君は誰とでも仲良く接し、一瞬でクラスのムードメーカー、というよりは頼れる兄貴分のような存在になった。まぁだから番長なのか。笑
当時の僕はスーパー人見知りで、入学後2週間は誰とも仲良くなれなかった。それどころか、話すらまともに出来ずに居た。そんな僕に優しく声を掛けてくれたのが加藤君だった。彼が居たから、僕はクラスに馴染むことが出来た。
僕と加藤君がより仲を深めたのは、校外学習の時だった。場所は横浜。各班毎に学校から電車で横浜へ向かう。僕と加藤君は同じ班だったのだ。当初の僕らのプランはこうだ。まずは中華街で小腹を満たし、その後山下公園を散策。その後はお土産屋さんを回ったり、街並みを眺めたり。
しかしながら、前日に加藤君から謎の指令が出る。
「グローブ持ってきて。」
最初何を言っているのか分からなかったのだが、よく考えてみたら、ウチの班は半数以上が野球部だったのだ。
僕らは豚まんで小腹を満たし、山下公園へ。少し広めの芝生の上でキャッチボールを開始した。
※今思うと山下公園でキャッチボールをして良かったのか疑問です。違反だったらすいません。
キャッチボールを開始すると、当然近くに居た他の班の人達が寄ってくる。注目の的だった。何処となく嬉しそうな加藤君。その姿を見て、なんとなく彼の考えていることが分かった。
寄ってきた他の班の中から、同じクラスの女子の班に声を掛け始めた加藤君。話が終わると、振り返ってニッコリ。
「みんな。カラオケ行くぞ。」
その後の予定を全て飛ばして、僕らは近くのカラオケへ向かった。もう、ほぼ合コンよ。
結局、あの日僕らは観光らしい観光はほとんどしなかった。でも、それはそれで逆に印象深い思い出となった。楽しかったしね。そこから僕らは仲良くなり、お昼休みにキャッチボールをしたり、教室でチェスをしたりして遊んだ。
しかしながら、加藤君は教室で徐々に影を薄めていった。あの校外学習が原因ではなく、彼の優しくて面倒見の良い性格が、一部から煙たがられてしまったのだ。僕は彼が窮屈な思いを沢山していたのを知っていた。それでも毎日ニコニコして学校にやってくる加藤君。言い争いや喧嘩を嫌い、解決策が出るまで一緒に頭を抱えて悩んでくれる加藤君。僕はそんな彼の存在が気に入っていた。
「番長!番長!」とみんなから呼ばれていた加藤君。あの時代、彼こそが日本で一番優しい番長だったと思う。
加藤君は誰とでも仲良く接し、一瞬でクラスのムードメーカー、というよりは頼れる兄貴分のような存在になった。まぁだから番長なのか。笑
当時の僕はスーパー人見知りで、入学後2週間は誰とも仲良くなれなかった。それどころか、話すらまともに出来ずに居た。そんな僕に優しく声を掛けてくれたのが加藤君だった。彼が居たから、僕はクラスに馴染むことが出来た。
僕と加藤君がより仲を深めたのは、校外学習の時だった。場所は横浜。各班毎に学校から電車で横浜へ向かう。僕と加藤君は同じ班だったのだ。当初の僕らのプランはこうだ。まずは中華街で小腹を満たし、その後山下公園を散策。その後はお土産屋さんを回ったり、街並みを眺めたり。
しかしながら、前日に加藤君から謎の指令が出る。
「グローブ持ってきて。」
最初何を言っているのか分からなかったのだが、よく考えてみたら、ウチの班は半数以上が野球部だったのだ。
僕らは豚まんで小腹を満たし、山下公園へ。少し広めの芝生の上でキャッチボールを開始した。
※今思うと山下公園でキャッチボールをして良かったのか疑問です。違反だったらすいません。
キャッチボールを開始すると、当然近くに居た他の班の人達が寄ってくる。注目の的だった。何処となく嬉しそうな加藤君。その姿を見て、なんとなく彼の考えていることが分かった。
寄ってきた他の班の中から、同じクラスの女子の班に声を掛け始めた加藤君。話が終わると、振り返ってニッコリ。
「みんな。カラオケ行くぞ。」
その後の予定を全て飛ばして、僕らは近くのカラオケへ向かった。もう、ほぼ合コンよ。
結局、あの日僕らは観光らしい観光はほとんどしなかった。でも、それはそれで逆に印象深い思い出となった。楽しかったしね。そこから僕らは仲良くなり、お昼休みにキャッチボールをしたり、教室でチェスをしたりして遊んだ。
しかしながら、加藤君は教室で徐々に影を薄めていった。あの校外学習が原因ではなく、彼の優しくて面倒見の良い性格が、一部から煙たがられてしまったのだ。僕は彼が窮屈な思いを沢山していたのを知っていた。それでも毎日ニコニコして学校にやってくる加藤君。言い争いや喧嘩を嫌い、解決策が出るまで一緒に頭を抱えて悩んでくれる加藤君。僕はそんな彼の存在が気に入っていた。
「番長!番長!」とみんなから呼ばれていた加藤君。あの時代、彼こそが日本で一番優しい番長だったと思う。
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