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祭りの国
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前にも書いたが、僕は生まれも育ちも東京は浅草。祭りの国浅草。そんな街に恥じぬよう、僕は子どもの頃から常に祭りと共にあった。
我が家は代々祭り好きの家系。親父も爺ちゃんも祭りが大好きだったこともあり、僕も小さい頃から祭りっ子だった。祭の度に、祭り衣装に身を包み、子ども神輿を担いだり山車を引いたりしていた。毎年祭の時期になるとうずうずしたものだ。
小学生の頃は、土曜日が普通に学校だったこともあり、三社祭も漏れなく学校だった。しかしながら、半日授業だったので、四時間目のチャイムが鳴るのを今か今かと待ち侘びていた。その後のホームルームなんてソワソワとウズウズでおかしくなりそうだった。
そんな祭り大好きな僕だったのだが、僕が小学5年生の時に事件が起こる。
友達と一緒に三社祭に行くことになり、祭り衣装に身を包み、意気揚々と待ち合わせ場所へ向かった。すると、友達は全員私服を着ていた。あまりの光景に凄いショックを受けたと同時に、祭り衣装が堪らなく恥ずかしくなってしまった。着替えに行くにも時間が無かったので、この日は一人だけ祭り衣装で友達と遊んだ。思春期真っ只中の僕には、非常に辛い経験となった。
結局この日の出来事がトラウマとなり、それから十五年間、お祭り恐怖症のような状態になってしまった。
そして、二十代も後半に差し掛かった頃、再びお祭りに参加出来るようになる。
その頃は近所の児童館で楽器を教えるボランティアをしていたのだが、三社祭の時期は皆三社祭に行ってしまい、教える相手が居ない。そう。退屈だったのだ。
そこで、偶然を装い教え子達に会いに行くことにした。街中至る所で流れるお囃子の音。独特で軽快なリズム。少しずつ子どもの頃の記憶が戻ってくる。
「来年は俺も祭り行くよ。」
この日の夜、気付いたら親父にそう伝えていた。
「じゃあ、お前の分も祭りの服買わないとな。」
「うん。」
翌年は祭り衣装に身を包み、親父と妹に着いて回った。流石に復帰一年目から神輿を担ぐことは出来なかった。その翌年少し担ぎ、そのまた翌年もう少し担ぎ、そのまた翌年は某感染症の襲来。祭りそのものが自粛となってしまった。
そして、今年。四年振りの開催。今までで一番がっつり神輿を担いだ気がする。二日間フル参戦だったしね。親父も妹も一緒に。今回改めて思ったのは、やはり祭りは楽しいということと、神輿を担いでいる親父は世界一格好いいということ。いつかは僕もそうなれるだろうか。来年も頑張らねばな。
我が家は代々祭り好きの家系。親父も爺ちゃんも祭りが大好きだったこともあり、僕も小さい頃から祭りっ子だった。祭の度に、祭り衣装に身を包み、子ども神輿を担いだり山車を引いたりしていた。毎年祭の時期になるとうずうずしたものだ。
小学生の頃は、土曜日が普通に学校だったこともあり、三社祭も漏れなく学校だった。しかしながら、半日授業だったので、四時間目のチャイムが鳴るのを今か今かと待ち侘びていた。その後のホームルームなんてソワソワとウズウズでおかしくなりそうだった。
そんな祭り大好きな僕だったのだが、僕が小学5年生の時に事件が起こる。
友達と一緒に三社祭に行くことになり、祭り衣装に身を包み、意気揚々と待ち合わせ場所へ向かった。すると、友達は全員私服を着ていた。あまりの光景に凄いショックを受けたと同時に、祭り衣装が堪らなく恥ずかしくなってしまった。着替えに行くにも時間が無かったので、この日は一人だけ祭り衣装で友達と遊んだ。思春期真っ只中の僕には、非常に辛い経験となった。
結局この日の出来事がトラウマとなり、それから十五年間、お祭り恐怖症のような状態になってしまった。
そして、二十代も後半に差し掛かった頃、再びお祭りに参加出来るようになる。
その頃は近所の児童館で楽器を教えるボランティアをしていたのだが、三社祭の時期は皆三社祭に行ってしまい、教える相手が居ない。そう。退屈だったのだ。
そこで、偶然を装い教え子達に会いに行くことにした。街中至る所で流れるお囃子の音。独特で軽快なリズム。少しずつ子どもの頃の記憶が戻ってくる。
「来年は俺も祭り行くよ。」
この日の夜、気付いたら親父にそう伝えていた。
「じゃあ、お前の分も祭りの服買わないとな。」
「うん。」
翌年は祭り衣装に身を包み、親父と妹に着いて回った。流石に復帰一年目から神輿を担ぐことは出来なかった。その翌年少し担ぎ、そのまた翌年もう少し担ぎ、そのまた翌年は某感染症の襲来。祭りそのものが自粛となってしまった。
そして、今年。四年振りの開催。今までで一番がっつり神輿を担いだ気がする。二日間フル参戦だったしね。親父も妹も一緒に。今回改めて思ったのは、やはり祭りは楽しいということと、神輿を担いでいる親父は世界一格好いいということ。いつかは僕もそうなれるだろうか。来年も頑張らねばな。
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