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流行りには乗れない

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 僕が小学生の頃、同級生のみんながアニソン(アニメソング)に夢中な中、僕は1人ZARDを聴いていた。

 元はと言えば、お袋の影響で僕は音楽が好きだった。お袋のお気に入りの曲を入れたカセットテープが親父のデリカの中で流れていた。KinKi Kidsや嵐などのジャニーズ系、宇多田ヒカルなどなど。その中で1番多かったのがZARDだった。
 ZARDはシングルカットされた曲から、Beingグループのアーティストや長嶋茂雄等とコラボレーションした曲まで入っていた。その流れから、いつのまにか僕の好きなアーティストはZARDになっていた。なかなかレアな小学生だったよね。

 中学に上がるタイミングで、B'zやサザンオールスターズを挟み、僕も流行りにちょっとだけ乗る。僕らの中でCDTVを観る文化が出来、BUMP OF CHICKENや3B LAB、RADWIMPSなどにハマる。しかし、僕の場合それも一瞬で過ぎ去ってしまう。
 そもそも、多数決で多数に属することが嫌いだった僕は、まだ同級生の知らない音楽を追い求めるようになる。そして、同じ陸上部のシャーシン(男子)とプレゼンをし合うように。プレゼンのネタを集める為に音楽番組を片っ端から観ていく。深夜の洋楽チャンネルとかも観てたな。その時僕がプレゼンしたのは、フジファブリック、音速ライン、BoysLikesGirls。My Chemical RomanceとかCold Playなんかは妹にプレゼンした覚えがある。

 高校に入ると、アイドルブームが来る。AKBグループやEXILE系グループがムーブメントを起こす。その中で僕が聴いていたのが、WANDS、DEEN、FIELD OF VIEW、T-BOLANらBeing系アーティストと、Jun sky walker(s)、BLANKEY JET CITY、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTらを聴いていた。もうね、同級生より先生方の方が話が合ったくらい。

 二十歳を過ぎてからは、下北沢のライブハウスによく足を運ぶようになった。歌ものミュージシャンからロックバンドまで、メジャーではないけどいい歌を歌うアーティストを追い求めた。

 最近はこの前書いたbonobosやBialystocks、Tempalayのライブに参戦。ちょっと流行りに寄ったかな。
 今年は某感染症も明けたことだし、改めて自分の好きを追い求めたいと思っている。流行りには乗れないなら、自ら自らの中に波を生み出せばいいのだ。



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