Baseball Side Story

榊 海獺(さかき らっこ)

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感染症クライマックス

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 2022年。流行病の第何波か覚えていないが、僕も例に漏れず見事に感染した。
 当時は感染するとその状況や症状に応じて、自宅療養やホテル療養、あまりに症状の酷い人は入院となっていた。
 僕は症状がそこまで酷くはなかったので、ホテル療養ということになった。迎えに来た専用のタクシーに乗り込みホテルへ。ホテルの裏口からエレベーターに乗り3Fにあった受付へ。一通り説明を聞き、食事を取りに行く以外はホテルの一室で過ごす監禁生活が幕を開けた。10日間の。
 最初の2~3日は熱も上がったり下がったりで、咳や鼻水も止まらず辛かったのだが、その後は症状も落ち着き、ほぼ全快にまで回復した。

 しかしながら、あと7日間は監禁生活は続く。当然のことなら、暇を持て余しまくる。持参したPCで映画やドラマを見たりしていたが、それも次第に飽きてくる。引き篭もるということの辛さを知った。
 そんな時に、部屋にテレビがあることに気付く。自宅でも普段はほぼ観ないテレビを点け、番組表を見ていたら、まぁなんとスカパー!が観れるではないか。

 時期的に夏の終わりだった為、丁度クライマックスシリーズの時期だった。支給された揚げ物がこれでもかと詰まったお弁当と、お茶またはアイスコーヒーをお供に観戦する日々が始まった。今でこそ僕はDAZN民だが、当時は契約していなかったので、テレビで野球を観るのは久し振りのことだった。また、クライマックスシリーズとあって1試合1試合の緊張感が違った。日ハムの試合の時は、例のマッチングアプリで知り合った子と連絡を取りながら観戦をしていた。

 日ハムのクライマックスシリーズ最終戦の試合後。光の演出と共に何やらセレモニーが始まった。
「ん? これはなんだ?」
「え。何これ。何が始まるの?」
 画面に映し出される背番号1。
「BIGBOSSのセレモニーなんじゃね?」
「どうなるんだろうね?」
「辞めるかね? それとも続投かね?」
「個人的には残って欲しいけどなぁ。」
「あと一年くらいはやって欲しいよね。」
 そんなことを話していたら、BIGBOSSはあっさりと引退を宣言し、代わりにSHINJOがやってきた。一瞬ヒヤッとしたけど、結末が結末だけに笑った。笑った。

 クライマックスシリーズ終了とほぼ同時に僕の監禁生活は終わりを告げた。仕事もせず引き篭もってクライマックスシリーズを観る日々。なんだかんだ満喫してしまったが、もうあの生活には戻りたくないかな。もうDAZN民になったことだしね。






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