最弱召喚士:練習で召喚したら出て来たのは『魔王』でした

もかめ

文字の大きさ
69 / 91
第五章:「大陸到着」

第67話 「作戦会議」

しおりを挟む
 あれから暫く歩いていると、当初の目的で街が見えてきた。
どうやらここから先が『西の隣国』らしい。

足元には大きな岩が置いてあり、そこには国境を意味する文字が書いている。

ここの街で具体的にどの様に止めるのか考えよう。

「見えて来たな?」

「ふふっ、そうだな?」

だが、街に来たものの…

そこには異様な光景が広がっていた。

綺麗な街には似つかわしく無い。
街自体を囲む様に高い頑強な壁で覆われており、その上には背中に弓矢を担いだ見張りの兵士が居る。

「やっと着いたな…」

「ふふっ、そうだな?」

すると、街の中からマントを靡かせ、鎧を着込んだ騎士団が現れた。

馬にも甲冑を着させている。

それにしても…あのマントの紋章…どこかで見た事があるな…

俺は懐から旅に出る時から受け取った短刀を出し、鞘の部分に視線を移した。

同じ紋章だ。

すると、突然声を掛けられた。

「その短刀…どこで手に入れたんだ?」

声のする方を見ると、そこには騎士団の中の一人の女性が、俺に話し掛けていた。

騎士団だからだろうか?
顔は端正な顔立ちだが、少し男勝り雰囲気を漂わせ
話し方にを感じた。

「これは俺の家のから貰った物です」

だと?少し見せてみろ」

そう言って、騎士は俺の手から短刀を取ると、じっくりと眺めた。

「本物だな…ん?誰のかと思えば…『リーンハルト』の物では無いか!アハハ!」

そう言って俺に短刀を投げ渡した。

「『リーンハルト』…」

「あぁ!そうさ!!」

「彼はこの騎士団のだった!実力がある癖に、『人を殺したくは無い』と言って、偵察とかの任務にも行きたがらなかったからな!てどこにいるのかと思えばをしているとはな!アハハハ!落ちたものだ!」

彼の気持ちも分かる。
人を殺したくは無いだろう…

それに彼は俺の事を案じて、この短刀を渡してくれたんだ。

そんな彼の事を、そこまで言うなんて…
それに…落ちこぼれなのは俺も一緒だ。

「そこまで言う事はないだろう?彼のおかげで俺の家は守られている。それに俺のだ」

俺の言葉に女性騎士は、一瞬驚いた表情を見せた。

「っ!お前…名はなんと言う?」

「サモンだ」

「ふふっ、私はバルバラだ」

「アハハッ!気に入った!!お前達の名…覚えておこう!」

そう言って、仲間の騎士達と共に馬を嘶かせ、走って行った。

すると、一人の女性が騎士達を追う様にして門から出てきた来た。

「あぁ!もう!ギーゼラは!」

そう言って、門の前で地団駄を踏んでいる。
女性は俺達の方に視線を向けると、駆け寄ってきた。

「おや?貴方達旅のお方ですか?」

「えぇ…」

「まぁ!このご時世に旅人なんて珍しいわ!の言い方で、嫌な気分をさせたらごめんなさいね?」

そう言う彼女は少し天然な雰囲気を漂わせている。

「いえ…」

確かに少しだけを感じたのは事実だ。

「ところで…どうしてあの方達を追い掛けて居たんですか?」

俺のその問いに女性は少し考えると、教えてくれた。

「塔に行ったのよ…」

すると何やら女性はあたりをキョロキョロと見渡し、内緒話をするかの様に話し始めた。

「実は…『魔王』が現れたと言う話が、帰って来た兵士達の間で広まっているの…」

恐らくあの時、逃げ去った兵士達だろう。

「それに…『魔王』だけじゃなくて噂では、並ぶ程の『力』を持ったも一緒だったとか…」

並ぶ程の力…恐らく俺の事だろう。

いつの間にか、俺がバルバラと並ぶ程と言われてしまった事に少し驚いてしまった。

「最初は戦争に勝つ為でしたが、今では『魔王』を倒せる物も塔にはあるかも知れないって…でもあの塔って…旅の方なら一度は聞いた事があるでしょう?」

「それで止めに?」

「えぇ、危険なのに…もう何回も行っているんですよ…出来るだけには行って欲しくは無いんですが…聞く耳を持たなくて…はぁ…悩ましいですわ」

俺は妹と言う言葉に、さっきのを思い出した。

ファルシアも帰らざるを得なかったんだ。

騎士団と言えども…次は無事に帰って来れるだろうか…

「そうですか…わざわざ教えて頂きありがとうございます」

そう言って、彼女のお姉さんに挨拶をして街に入った。

聞いていたよりも、治安は良く、すんなりと国に入る事が出来た。

俺はそんな事を思い、少し安心した。

取り敢えず、この街で身体を休めながら考えよう。

そんな事を思いながら、色々と散策していたら、街の端に宿を見付ける事が出来た。

俺達は宿屋に入ると、丁度一階部分は食事が出来るようになっていた。

料理を注文して待っていると。

隣の席から、話声が聞こえて来た。

盗み聞きはあまりしたくは無いが、声が大きくどうしても聞こえてしまう。

――おい!聞いたか!?

――もちろんだ!敗走した兵士が言っていたらしいな!何やら『魔王』が2現れたと!

――それだけじゃない!!『もう一つ』ある!!

――相手の国が近々攻め入るかも知れないぞ!!

――それは本当か!?

「ふふっ、止めるチャンスだな?」

「あぁ、もう二度とあんな悲しい思いはさせない」

人が悲しむのは、もう見たくは無い。

「ふふっ、そう言えば塔には国が互いに躍起になり上り詰めようとしている――そう言っていたな?」

確かにあの人はそう言っていた。

「そうだ」

「噂話と言っていたが、信憑性はあるかもしれないな?」

「どういう事だ?」

「私達が現れた――その事により、お互い塔に上ろうと一層焦るだろう」

確かにバルバラが言っている事は分かる。
追い込まれた国なら、今まで以上に躍起になるだろう。

「もしかすると…相手の国が兵を塔に割いた時に攻め入る気では無いか?」

俺はバルバラの言葉を聞き思わず固唾を飲んだ。

侵攻して真っ先に被害を受ける『この街』では無いか…

隣に座っている客、店員、先程の騎士団、話掛けてくれた女性…

全員被害に遭ってしまう…

俺はそんな事を考えると、心臓が早く脈打つのが分かった。

「バルバラ?」

「ふふっ、どうした?」

――俺達は…『悪』だったな?――

俺の言葉にバルバラは微笑んだ。

――ふふっ、そうだな?私達は『正義の悪』だ――

そう言ってバルバラは運ばれて来た料理を口に運んだ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...