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15、謁見
第158話 刺客入り乱れる
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リリスを捕らえた、壁の中の男が短剣の刃をリリスに向ける。
「あっ!」
「やめろ!!」
皆が息を飲んだその時、
ドーーーンッ!!
ズシンと空気が震え、そして次の瞬間隣室とを隔てる壁が凄まじい勢いで吹き飛んだ。
風圧で椅子やテーブルがひっくり返り、窓が吹き飛ぶ。
ろうそくの火が消え、暗闇の中ででたじろぎながら、ミスリルの男がとっさに逃れようとするリリスの身体を、片手でギュッと引き寄せる。
「一体……」
つぶやいたその時、ビュンと風を切る音が耳元に響き、鋭い風圧が顔面をかすめた。
「うおっ!」
気がつくとナイフを持っていたはずの男の腕が手首から断たれ、ひるんだ瞬間脇腹に剣が刺さっている。
「うおおっ!く、くそっ!たかが人間が……」
「不埒者め、その手を離せ。」
暗く怒りに満ちた声に、その場にいた一同がゾッとした。
「ザレル!駄目です!殺しちゃ駄目!」
リリスがとっさに震える声で叫ぶ。
キュアの青い炎と雲合いから月の光がこぼれ、共にそれが穏やかに室内を照らす。
そこにはザレルが風をまとい、鬼神のごとき表情で剣を振り上げ、リリスを抱く男の首をはね飛ばそうとしていた。
とっさに、リリスが男の手をふりほどこうともがきながら叫ぶ。
「駄目です!殺しちゃだめ!僕は大丈夫!だから……うっ」
「リリス!」
男の血が顔にかかり、血に含まれる毒気にリリスの気が遠くなる。
リリスがガクリと気を失い、思わずザレルの手が止まった。
「兄者、引くぞ!」
男は痛む脇腹を押さえ、気を失った彼を抱き込んだまま壁に飲まれて消えた。
「しまった!」
もう1人のミスリルも、ミランの剣を跳ね返してそれを追いかけて壁に消える。
「外へ!早く!」
慌てる皆を横目に、なぜかキュアは動かず黙って成り行きを見ている。
ザレルの背後から、突然全身を覆う黒装束に仮面を付けた男が現れ、風圧に吹き飛び壊れた窓に身を滑らせた。
「お任せを!恐らく相手は血に毒が、始末にお気を付け下さい!」
「お前は誰か?!」
「あるお方にリリス殿をお守りするよう仰せつかりました!どうかお任せ下さい!」
仮面の男は、そう言って窓から飛びだしてゆく。
ザレルはそれを見送りながら、苦々しい顔でドンと壁を拳で叩いた。
「すぐに!すぐに追いましょう!」
ミランがガーラントに詰め寄る。
ガーラントは唇を噛み、辺りを見回して無言で剣を戻し、上着を取ってキュアの元に行く。
そして、鳥を睨め付けその首をギュッと掴んだ。
「貴様の主人は誰だ!なぜ動かない!」
細い首をギリギリ絞めてもまるで手応えがない。実体があるのか無いのか、いいや、自分たちはこれに乗ってここに来た。
はずだ!
が、彼の握る手は、力を入れるとするりと抜ける。
キュアは笑うようにくるくると喉を鳴らし、ようやく気がついて身を起こすブルースに目を移した。
「ブルース殿、正気に戻られたのか?」
ミランが恐る恐る彼に手を伸ばす。
「す、すまん。俺のせいで……うう……む、くそっ」
ブルースは、どこかはっきりしない様子でふらりと立ち上がる。
だが、ザレルがキッと振り向く。
これほどの騒ぎというのにまだ廊下の兵が入ってこない。
「まだだ、まだ終わっておらぬ。」
ザレルの言葉にニッと笑い、ブルースがミランの腰から剣を抜いた。
「ブルース殿!」
ブルースはザレルに向き合い、剣を向ける。
思わず止めようと駆け寄ったミランに、躊躇無く剣を振り下ろした。
「あっつっ!」
「ミラン!」
肩口から胸を切られ、よろめくミランの襟首をとっさにグイと後ろからガーラントが掴み引き倒す。
そして再度ミランに振り下ろされる剣を、ガーラントが剣で受け止めた。
「貴様は誰だ!」
ブルースの瞳の奥の、水盤を覗き込む魔導師がククッと笑う。
背後にいるローブの男は、横のミスリルにヒソヒソささやく。
そのミスリルらしい男が、魔導師に強く命じた。
「皆殺しにしても構わん、ザレルを確実に殺せ。
良いか、これを成し遂げれば、お前には城を与えようと仰せだ。
今、ここで確実に討つのだ。」
「お任せを。ククク……この男、私の術と相性が良いようでございます。
たとえ死しても屍を動かして見せましょうとも。」
水盤の中、呪詛で黒く濁りつつある水面に映るガーラントが、剣に押されて後ろによろめく。
これはブルースの目に写る光景なのか、ザレルは手を出す気もないらしく、剣をおろして成り行きを見ている。
元より、彼が手を出せば一瞬でブルースは命を落とすだろう。
ガーラントはなんとか、自分で彼を止めたい。
ふと、ブルースの視線がキュアと合った。
ブルースの瞳の奥の、魔導師ゼルダをキュアが見つめる。
「キアアアアアッ!!!」
突然キュアが叫びを上げ、身体をボウと青く燃え上がらせる。
そして大きく羽ばたき、ブルースの顔にその鋭い爪を向けた。
「あっ!」
「やめろ!!」
皆が息を飲んだその時、
ドーーーンッ!!
ズシンと空気が震え、そして次の瞬間隣室とを隔てる壁が凄まじい勢いで吹き飛んだ。
風圧で椅子やテーブルがひっくり返り、窓が吹き飛ぶ。
ろうそくの火が消え、暗闇の中ででたじろぎながら、ミスリルの男がとっさに逃れようとするリリスの身体を、片手でギュッと引き寄せる。
「一体……」
つぶやいたその時、ビュンと風を切る音が耳元に響き、鋭い風圧が顔面をかすめた。
「うおっ!」
気がつくとナイフを持っていたはずの男の腕が手首から断たれ、ひるんだ瞬間脇腹に剣が刺さっている。
「うおおっ!く、くそっ!たかが人間が……」
「不埒者め、その手を離せ。」
暗く怒りに満ちた声に、その場にいた一同がゾッとした。
「ザレル!駄目です!殺しちゃ駄目!」
リリスがとっさに震える声で叫ぶ。
キュアの青い炎と雲合いから月の光がこぼれ、共にそれが穏やかに室内を照らす。
そこにはザレルが風をまとい、鬼神のごとき表情で剣を振り上げ、リリスを抱く男の首をはね飛ばそうとしていた。
とっさに、リリスが男の手をふりほどこうともがきながら叫ぶ。
「駄目です!殺しちゃだめ!僕は大丈夫!だから……うっ」
「リリス!」
男の血が顔にかかり、血に含まれる毒気にリリスの気が遠くなる。
リリスがガクリと気を失い、思わずザレルの手が止まった。
「兄者、引くぞ!」
男は痛む脇腹を押さえ、気を失った彼を抱き込んだまま壁に飲まれて消えた。
「しまった!」
もう1人のミスリルも、ミランの剣を跳ね返してそれを追いかけて壁に消える。
「外へ!早く!」
慌てる皆を横目に、なぜかキュアは動かず黙って成り行きを見ている。
ザレルの背後から、突然全身を覆う黒装束に仮面を付けた男が現れ、風圧に吹き飛び壊れた窓に身を滑らせた。
「お任せを!恐らく相手は血に毒が、始末にお気を付け下さい!」
「お前は誰か?!」
「あるお方にリリス殿をお守りするよう仰せつかりました!どうかお任せ下さい!」
仮面の男は、そう言って窓から飛びだしてゆく。
ザレルはそれを見送りながら、苦々しい顔でドンと壁を拳で叩いた。
「すぐに!すぐに追いましょう!」
ミランがガーラントに詰め寄る。
ガーラントは唇を噛み、辺りを見回して無言で剣を戻し、上着を取ってキュアの元に行く。
そして、鳥を睨め付けその首をギュッと掴んだ。
「貴様の主人は誰だ!なぜ動かない!」
細い首をギリギリ絞めてもまるで手応えがない。実体があるのか無いのか、いいや、自分たちはこれに乗ってここに来た。
はずだ!
が、彼の握る手は、力を入れるとするりと抜ける。
キュアは笑うようにくるくると喉を鳴らし、ようやく気がついて身を起こすブルースに目を移した。
「ブルース殿、正気に戻られたのか?」
ミランが恐る恐る彼に手を伸ばす。
「す、すまん。俺のせいで……うう……む、くそっ」
ブルースは、どこかはっきりしない様子でふらりと立ち上がる。
だが、ザレルがキッと振り向く。
これほどの騒ぎというのにまだ廊下の兵が入ってこない。
「まだだ、まだ終わっておらぬ。」
ザレルの言葉にニッと笑い、ブルースがミランの腰から剣を抜いた。
「ブルース殿!」
ブルースはザレルに向き合い、剣を向ける。
思わず止めようと駆け寄ったミランに、躊躇無く剣を振り下ろした。
「あっつっ!」
「ミラン!」
肩口から胸を切られ、よろめくミランの襟首をとっさにグイと後ろからガーラントが掴み引き倒す。
そして再度ミランに振り下ろされる剣を、ガーラントが剣で受け止めた。
「貴様は誰だ!」
ブルースの瞳の奥の、水盤を覗き込む魔導師がククッと笑う。
背後にいるローブの男は、横のミスリルにヒソヒソささやく。
そのミスリルらしい男が、魔導師に強く命じた。
「皆殺しにしても構わん、ザレルを確実に殺せ。
良いか、これを成し遂げれば、お前には城を与えようと仰せだ。
今、ここで確実に討つのだ。」
「お任せを。ククク……この男、私の術と相性が良いようでございます。
たとえ死しても屍を動かして見せましょうとも。」
水盤の中、呪詛で黒く濁りつつある水面に映るガーラントが、剣に押されて後ろによろめく。
これはブルースの目に写る光景なのか、ザレルは手を出す気もないらしく、剣をおろして成り行きを見ている。
元より、彼が手を出せば一瞬でブルースは命を落とすだろう。
ガーラントはなんとか、自分で彼を止めたい。
ふと、ブルースの視線がキュアと合った。
ブルースの瞳の奥の、魔導師ゼルダをキュアが見つめる。
「キアアアアアッ!!!」
突然キュアが叫びを上げ、身体をボウと青く燃え上がらせる。
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