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22、城の地下道
第235話 地龍の腹の中
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数十歩進むと通路が3つに分かれ、すべてが曲線で先が見えない様になっている。
ホムラは立ち止まりリリスの指示を待つ。
来たことがあるのか無いのか、良くわからない奴らだとブルースがまたヒゲをザリザリ言わせる。
「……右に、この方向へ進む道はどれでしょう?」
リリスが指さす。
ホムラが迷い無く中央の道を行く。
「右なら右じゃ無いのかい?」
ブルースが、首をひねって訪ねた。
「そう思うのが人間の浅はかさよ。ここはヴァシュラムの作らせた道だ。
当たり前は通じぬ。」
「はあ、なるほど。ひねた精霊王様だ。」
歩いていると、ぐるりと回っている感覚がある。
普通なら方向感覚がわからなくなるが、リリスはエリンの上着の裾を握り、目を閉じて感じる方角をじっと指さしている。
指は次第に左を指し、そして後ろを、また右に戻り、そして前になる。
「一体何だってんだ?!一回りしたって言うのか?」
登りになり、下りになり、息を切らせてブルースがたまらず声を上げる。
急に道は狭く、脇道も無く一本道が延々続く。
「……ここは……この道は、生きている。」
ホムラが不意につぶやいた。
「はあ?まさかなんかの腹の中とでも言うのかい?ここは城の真下だぜ?」
「そうだ、人間のくせに良くわかったな。
さて、ここから出るのは至難ぞ。」
ブルースが、口をあんぐり開けて思わず立ち止まった。
皆、息をのんで足を止め振り返る。
背後は暗く、松明で照らしてもまるで灯りが吸い込まれるように先が見えない。
「ば……バカな……」「一体、いつから?」
ブルースが青くなり、ガーラントが冷静に訪ねる。
ホムラがため息交じりに見回した。
「怖じ気づいたか、真ん中の道に入っただろう、あのあとすぐに地龍の中に入った。」
「うーん、そう言えばなんか様子が変わったと思いましたが、そうでしたか。」
のんびりとリリスがつぶやき、ずっと指さして上げていた手を下ろし、ほぐすように肩を回す。
「なにのんびりと……中に?食われたって事か?
そうでしたか、なんて言ってる場合か!なんですぐ引き返さなかった!
こんな、デカい生き物が動いたら城なんか一気に崩れちまわないか?
俺たちは出られるんだろうな?」
「出られるかどうかは地龍の心一つ、今我らは試されている。
食われたままでいたくなければ静かにせよ。」
「静かに?静かにか。ううむ、……わかった。
で、進むのか?それとも戻るのか?どうするんだ?巫子様よ。」
低く静かに返すホムラと違ってブルースの声が酷く焦る。
他の皆、周囲を見回しリリスを見た。
うーーーーん………
「あ」
考えていたリリスが顔を上げ、パンと一つ手を叩く。
音が反響し、思わず皆がドキリとした。
「ここが地龍様の腹の中とは!これ以上安全な場所がありましょうか!」
急に両手を掲げ、胸に手を当て暗闇にお辞儀する。
「は?何言って……」
ブルースのあごが落ちた。
「慈悲深き地龍様、我ら迷い人を大いなる庇護の元において頂き感謝致します。
ですが、私は火の巫子、指輪のありかを探さねばなりません。
私はそれが無くては前に進めないのです。
その為にはたとえ何かがございましても、指輪のある場所を確認しなくてはなりません。
どうか、このまま城下の道を先に進むことをお許し下さい。」
手を合わせ、どんどん狭くなる道の先に願う。
だが、反応は無い。
「ふざけ………」
口を開こうとするブルースに、しいっと指を立てる。
ガーラントや神官達は、じっと様子を見て待つ。
タッタッタ……タッタッタ……
道の先から、軽い足音が聞こえる。
目をこらすと、額に短い一本の角を生やした小さな小狐のような動物が姿を現した。
少し離れて立ち止まり、ブルリと身体を震わせると一回り大きくなったように見える。
反射的に騎士二人は麻に包んだ剣に手が行き、リリスがサッと手で制した。
「どなた様でございましょう?」
見た目の可愛らしさに惑わされること無く、リリスの声が固い。
小狐はじっとこちらを見ている。
しばしの静粛のあとに、ようやく小狐が口を開いた。
「ククク、カカ……ツイテ、コイ」
抑揚の無い笑い声のような声を出し、奥へと歩き出す。
だが、リリスはきっぱりと言い放った。
「あなた様が何者か存じませぬうちは信用出来ません、付いていけば何があるというのでしょう。」
「………………」
思わぬ問いに、それに答える知能があるのか無いのか、振り返り呆然と口を開けている。
「………ツイテ、クル?コナイ?…ノ?」
戸惑うように、ククッと首が180度回る。
不気味さに、リリスを庇いながらホムラが前に出た。
ホムラは立ち止まりリリスの指示を待つ。
来たことがあるのか無いのか、良くわからない奴らだとブルースがまたヒゲをザリザリ言わせる。
「……右に、この方向へ進む道はどれでしょう?」
リリスが指さす。
ホムラが迷い無く中央の道を行く。
「右なら右じゃ無いのかい?」
ブルースが、首をひねって訪ねた。
「そう思うのが人間の浅はかさよ。ここはヴァシュラムの作らせた道だ。
当たり前は通じぬ。」
「はあ、なるほど。ひねた精霊王様だ。」
歩いていると、ぐるりと回っている感覚がある。
普通なら方向感覚がわからなくなるが、リリスはエリンの上着の裾を握り、目を閉じて感じる方角をじっと指さしている。
指は次第に左を指し、そして後ろを、また右に戻り、そして前になる。
「一体何だってんだ?!一回りしたって言うのか?」
登りになり、下りになり、息を切らせてブルースがたまらず声を上げる。
急に道は狭く、脇道も無く一本道が延々続く。
「……ここは……この道は、生きている。」
ホムラが不意につぶやいた。
「はあ?まさかなんかの腹の中とでも言うのかい?ここは城の真下だぜ?」
「そうだ、人間のくせに良くわかったな。
さて、ここから出るのは至難ぞ。」
ブルースが、口をあんぐり開けて思わず立ち止まった。
皆、息をのんで足を止め振り返る。
背後は暗く、松明で照らしてもまるで灯りが吸い込まれるように先が見えない。
「ば……バカな……」「一体、いつから?」
ブルースが青くなり、ガーラントが冷静に訪ねる。
ホムラがため息交じりに見回した。
「怖じ気づいたか、真ん中の道に入っただろう、あのあとすぐに地龍の中に入った。」
「うーん、そう言えばなんか様子が変わったと思いましたが、そうでしたか。」
のんびりとリリスがつぶやき、ずっと指さして上げていた手を下ろし、ほぐすように肩を回す。
「なにのんびりと……中に?食われたって事か?
そうでしたか、なんて言ってる場合か!なんですぐ引き返さなかった!
こんな、デカい生き物が動いたら城なんか一気に崩れちまわないか?
俺たちは出られるんだろうな?」
「出られるかどうかは地龍の心一つ、今我らは試されている。
食われたままでいたくなければ静かにせよ。」
「静かに?静かにか。ううむ、……わかった。
で、進むのか?それとも戻るのか?どうするんだ?巫子様よ。」
低く静かに返すホムラと違ってブルースの声が酷く焦る。
他の皆、周囲を見回しリリスを見た。
うーーーーん………
「あ」
考えていたリリスが顔を上げ、パンと一つ手を叩く。
音が反響し、思わず皆がドキリとした。
「ここが地龍様の腹の中とは!これ以上安全な場所がありましょうか!」
急に両手を掲げ、胸に手を当て暗闇にお辞儀する。
「は?何言って……」
ブルースのあごが落ちた。
「慈悲深き地龍様、我ら迷い人を大いなる庇護の元において頂き感謝致します。
ですが、私は火の巫子、指輪のありかを探さねばなりません。
私はそれが無くては前に進めないのです。
その為にはたとえ何かがございましても、指輪のある場所を確認しなくてはなりません。
どうか、このまま城下の道を先に進むことをお許し下さい。」
手を合わせ、どんどん狭くなる道の先に願う。
だが、反応は無い。
「ふざけ………」
口を開こうとするブルースに、しいっと指を立てる。
ガーラントや神官達は、じっと様子を見て待つ。
タッタッタ……タッタッタ……
道の先から、軽い足音が聞こえる。
目をこらすと、額に短い一本の角を生やした小さな小狐のような動物が姿を現した。
少し離れて立ち止まり、ブルリと身体を震わせると一回り大きくなったように見える。
反射的に騎士二人は麻に包んだ剣に手が行き、リリスがサッと手で制した。
「どなた様でございましょう?」
見た目の可愛らしさに惑わされること無く、リリスの声が固い。
小狐はじっとこちらを見ている。
しばしの静粛のあとに、ようやく小狐が口を開いた。
「ククク、カカ……ツイテ、コイ」
抑揚の無い笑い声のような声を出し、奥へと歩き出す。
だが、リリスはきっぱりと言い放った。
「あなた様が何者か存じませぬうちは信用出来ません、付いていけば何があるというのでしょう。」
「………………」
思わぬ問いに、それに答える知能があるのか無いのか、振り返り呆然と口を開けている。
「………ツイテ、クル?コナイ?…ノ?」
戸惑うように、ククッと首が180度回る。
不気味さに、リリスを庇いながらホムラが前に出た。
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