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23、魔導師たちの密かな攻防
第242話 結界の抜け穴
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アデルの話からの急展開に、頭が付いていかない。
「つまりだ。
剣の魔物と昔の王子の悪霊の合わせ技か。
しかも、取り憑いてるのは世継ぎの王子、なんてやっかいな。」
ニードが頭をかきむしる。
「長よ~、どうするんだ?いっそ、火の巫子自ら取りに行かれるように仕向けるかい?」
なんだか投げやりになってくる。
アデルが呆れて首を振った。
「それは無謀というものよ。
指輪の無い火の巫子は、お前たち魔導師が杖の無いのと同じ。
その上、眷族もいまだどこかに封じられている、普通なら魔導などろくに使えん役立たずだ。
リリスは、あの方は、だから特別なのだ。
あの方が今世に現れたのは、アトラーナに与えられた最後の機会。
眷族もない状況で、それでも他の精霊に力を借り、魔導を使いこなしている。
あの子は修行を人の数倍積んでいる。
だからこそ巫子として目覚めた今、フレアゴートも指輪の無いあの子を信頼して力を貸せるのだ。
身分の何の、巫子と認めるとか認めないとか言うているヒマはない。
馬鹿な人間どもの口を縫い付けてやりたい。
あの方を失うことは、アトラーナの滅亡を意味するのだぞ。」
ぶふーっとアデルの口から溶岩でも流れ出そうな勢いだ。
サッと横からオパールが砂糖菓子を差し出すと、ひとつかみ口に入れてバリバリかみ砕く。
「で、では?あの一行をどうなされるので?」
「恐らく今は、指輪が何処にあるかを確認されたいのだろう。
無理はなさらんと思うが、ニードよ、お前の穴だらけの結界に入り込まれたネズミは何匹だ。」
「えっ!?」
グッとニードが一歩下がる。
秘密にしていたのに、なんでここで喋るかと焦る。
「どういうこと?!あなた結界だけが取り柄なんでしょ!
だいたい火の巫子が襲われた時も、どこから入られたのかと思っていたのよ!」
シャラナがルークより怒っている。
ルークがため息をついて、やっぱりとつぶやいた。
「やっぱりな、また結界突破されたのか。
見たぞ、ずいぶん気弱そうな金髪のきれいな子だ。」
「まっ!ルーク、あなた美少年好き?」
ヤレヤレと眉をひそめて首を振った時、ニードがぽつりと白状した。
「あのあと入り込まれたのは2人……かな。」
2人と聞いて、さすがにルークが愕然とする。
「2人?もう合わせると3人じゃないか?!!もう一人は?誰だ?!
だから抜け道を教えろと言っただろう!
それを知ることが防御になるんだ!これは懲罰ものだぞ!」
きゅうっとニードが小さくなる。
大口叩いてきたのに、一気に信頼を壊してしまった。
「えー……と、水霊の紡いだ衣……あれ身につけると水と誤認するらしくて、どうしてもすり抜けられるんだ。
そんな物、滅多に持ってる奴いないと思ったんだよ。……ごめん」
水霊の紡いだ衣とは、文字通り神気の高い水霊が、紡ぐ衣だ。
これを一片でも持つと、水の中でも息が出来るし、水脈を通って移動も出来るというものだ。
ただし、普通の人間が多用すると命を削られると言われている。
「あなたね、ここを何処だと思ってるの?本城よ?王家の総本山よ?
持ってないもの探す方が難しいとか思わないわけ?バッカじゃ無い?
水霊の布っ切れなんて、私の師匠だって持ってるわよ!」
いつも楚々としているシャラナがブチ切れている。
自分たち以外に塔に属さない魔導師が入り込んでいるなど、魔導師の塔の沽券に関わる。
自分たちもこの塔に携わると決まった時から、城の要と決意してきたのだ。
「だいたいあなた、油断だらけよ!
冗談じゃ無いわ、私たちの立ち位置が何なのかもう一度頭剃って考え直しなさい!どれだけ覚悟してきたか、見せてご覧なさいよ!」
ダン!ダン!
杖が折れそうなほど床を突いてニードをにらみ付ける。
ニードは縮こまって、思わず頭を庇った。
「すいません!すいません!これからがんばらせて頂きます!」
魔導師たちが大きなため息をついて、次を考え腕を組む。
魔導師にとって後悔する時はあとが無い。
魔導を使う時、失敗した結果、命が無いか生きてるかの違いだ。
今は生きている、誰も死んでいない。
人の形で考えることも出来る、ならば道を開く手を考える。
「やることはわかったわ、それをどうするかね。
彼らとは協力した方が良くない?」
「その前に侵入を許した二人の魔導師だ。
彼らの動向はどうか?」
「いつの間にかいるのは3人。全て王子の近くにいる。
1人は魔導をまったく使う気配が無い。金髪だと思う。
1人はその側近のようだ、王子の部屋周辺でじっとしている。
もう一人は時々結界に干渉する魔導師っぽい。
この魔導師、こいつが今、とてもやっかいなんだ。」
「王子の部屋が覗ければいいが、制約で王族の部屋は見ることが出来ない。
もう一人に今まで気がつかなかったのは、恐らく王子の部屋を出ることが無かったからだ。」
「そこであたしの出番じゃにゃい?」
皆が振り向くと、闇の中からひょっこりと猫が現れた。
「は?ネコ?」
「なんでネコが喋るわけ?」
シッポをピンと立てて、ぴょんとテーブルに飛び乗った。
ルークがため息ついて、ネコを紹介する。
「王子の旅の同行人、向こうの世界の住人だ。
ヴァシュラム様の気まぐれでこっちに来てる。
先日契約して、王子の周辺を探ってもらっているんだ。」
アイネコがつんと鼻を立てて、シッポをパタンパタンと左右に振った。
「あたし、アイって言うにょ、よろしくニャ。」
ふうんとニードとシャラナが怪訝な目で見る。
あれ?思ったのと違う反応。どうも、信用に欠ける感じ、ちょっと焦る。
だいたい魔導師って引きこもりバッカじゃん?
ちっとも見ないんだもん。
えーと、あれ?なんでここに来たんだっけ?
あっ
すると、急にネコがシッポをボンと膨らませ、思い出したようにルークに叫んだ。
「そうにゃ!こんにゃ事してる場合じゃニャいにゃ!
知らせに来たにゃ!
あいつキアンじゃにゃいニャ!魔法使いの爺さんと、なんか企んでるニャ!」
残念、それは情報屋としては、遅い報告だった。
「つまりだ。
剣の魔物と昔の王子の悪霊の合わせ技か。
しかも、取り憑いてるのは世継ぎの王子、なんてやっかいな。」
ニードが頭をかきむしる。
「長よ~、どうするんだ?いっそ、火の巫子自ら取りに行かれるように仕向けるかい?」
なんだか投げやりになってくる。
アデルが呆れて首を振った。
「それは無謀というものよ。
指輪の無い火の巫子は、お前たち魔導師が杖の無いのと同じ。
その上、眷族もいまだどこかに封じられている、普通なら魔導などろくに使えん役立たずだ。
リリスは、あの方は、だから特別なのだ。
あの方が今世に現れたのは、アトラーナに与えられた最後の機会。
眷族もない状況で、それでも他の精霊に力を借り、魔導を使いこなしている。
あの子は修行を人の数倍積んでいる。
だからこそ巫子として目覚めた今、フレアゴートも指輪の無いあの子を信頼して力を貸せるのだ。
身分の何の、巫子と認めるとか認めないとか言うているヒマはない。
馬鹿な人間どもの口を縫い付けてやりたい。
あの方を失うことは、アトラーナの滅亡を意味するのだぞ。」
ぶふーっとアデルの口から溶岩でも流れ出そうな勢いだ。
サッと横からオパールが砂糖菓子を差し出すと、ひとつかみ口に入れてバリバリかみ砕く。
「で、では?あの一行をどうなされるので?」
「恐らく今は、指輪が何処にあるかを確認されたいのだろう。
無理はなさらんと思うが、ニードよ、お前の穴だらけの結界に入り込まれたネズミは何匹だ。」
「えっ!?」
グッとニードが一歩下がる。
秘密にしていたのに、なんでここで喋るかと焦る。
「どういうこと?!あなた結界だけが取り柄なんでしょ!
だいたい火の巫子が襲われた時も、どこから入られたのかと思っていたのよ!」
シャラナがルークより怒っている。
ルークがため息をついて、やっぱりとつぶやいた。
「やっぱりな、また結界突破されたのか。
見たぞ、ずいぶん気弱そうな金髪のきれいな子だ。」
「まっ!ルーク、あなた美少年好き?」
ヤレヤレと眉をひそめて首を振った時、ニードがぽつりと白状した。
「あのあと入り込まれたのは2人……かな。」
2人と聞いて、さすがにルークが愕然とする。
「2人?もう合わせると3人じゃないか?!!もう一人は?誰だ?!
だから抜け道を教えろと言っただろう!
それを知ることが防御になるんだ!これは懲罰ものだぞ!」
きゅうっとニードが小さくなる。
大口叩いてきたのに、一気に信頼を壊してしまった。
「えー……と、水霊の紡いだ衣……あれ身につけると水と誤認するらしくて、どうしてもすり抜けられるんだ。
そんな物、滅多に持ってる奴いないと思ったんだよ。……ごめん」
水霊の紡いだ衣とは、文字通り神気の高い水霊が、紡ぐ衣だ。
これを一片でも持つと、水の中でも息が出来るし、水脈を通って移動も出来るというものだ。
ただし、普通の人間が多用すると命を削られると言われている。
「あなたね、ここを何処だと思ってるの?本城よ?王家の総本山よ?
持ってないもの探す方が難しいとか思わないわけ?バッカじゃ無い?
水霊の布っ切れなんて、私の師匠だって持ってるわよ!」
いつも楚々としているシャラナがブチ切れている。
自分たち以外に塔に属さない魔導師が入り込んでいるなど、魔導師の塔の沽券に関わる。
自分たちもこの塔に携わると決まった時から、城の要と決意してきたのだ。
「だいたいあなた、油断だらけよ!
冗談じゃ無いわ、私たちの立ち位置が何なのかもう一度頭剃って考え直しなさい!どれだけ覚悟してきたか、見せてご覧なさいよ!」
ダン!ダン!
杖が折れそうなほど床を突いてニードをにらみ付ける。
ニードは縮こまって、思わず頭を庇った。
「すいません!すいません!これからがんばらせて頂きます!」
魔導師たちが大きなため息をついて、次を考え腕を組む。
魔導師にとって後悔する時はあとが無い。
魔導を使う時、失敗した結果、命が無いか生きてるかの違いだ。
今は生きている、誰も死んでいない。
人の形で考えることも出来る、ならば道を開く手を考える。
「やることはわかったわ、それをどうするかね。
彼らとは協力した方が良くない?」
「その前に侵入を許した二人の魔導師だ。
彼らの動向はどうか?」
「いつの間にかいるのは3人。全て王子の近くにいる。
1人は魔導をまったく使う気配が無い。金髪だと思う。
1人はその側近のようだ、王子の部屋周辺でじっとしている。
もう一人は時々結界に干渉する魔導師っぽい。
この魔導師、こいつが今、とてもやっかいなんだ。」
「王子の部屋が覗ければいいが、制約で王族の部屋は見ることが出来ない。
もう一人に今まで気がつかなかったのは、恐らく王子の部屋を出ることが無かったからだ。」
「そこであたしの出番じゃにゃい?」
皆が振り向くと、闇の中からひょっこりと猫が現れた。
「は?ネコ?」
「なんでネコが喋るわけ?」
シッポをピンと立てて、ぴょんとテーブルに飛び乗った。
ルークがため息ついて、ネコを紹介する。
「王子の旅の同行人、向こうの世界の住人だ。
ヴァシュラム様の気まぐれでこっちに来てる。
先日契約して、王子の周辺を探ってもらっているんだ。」
アイネコがつんと鼻を立てて、シッポをパタンパタンと左右に振った。
「あたし、アイって言うにょ、よろしくニャ。」
ふうんとニードとシャラナが怪訝な目で見る。
あれ?思ったのと違う反応。どうも、信用に欠ける感じ、ちょっと焦る。
だいたい魔導師って引きこもりバッカじゃん?
ちっとも見ないんだもん。
えーと、あれ?なんでここに来たんだっけ?
あっ
すると、急にネコがシッポをボンと膨らませ、思い出したようにルークに叫んだ。
「そうにゃ!こんにゃ事してる場合じゃニャいにゃ!
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