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マシロ編
陸話 無課金攻略計画ノート③《精霊の契り》Ⅰ
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マシロはゆっくりと辺りを見回す。鼻腔を擽る草の香り。吹く風で、足下の草がカサカサと音をたてる。獣の咆哮。鳥の鳴き声、羽ばたきの音。振り返れば、古めかしく威厳たっぷりな石造りの神殿が建っている。
「これが、《精霊の神殿》。意外と大きい‼」
マシロはステータス画面を確認しようとした。
「何をしている?《精霊の契り》の最中に。早く、中へ戻れ‼」
突然現れた、エルフの男性はマシロを《精霊の神殿》の中へ引っ張っていく。
「???」
訳も判らないまま、マシロは神殿の最奥、祭壇のある広い部屋に連れて来られた。
「オババ様。皆、《精霊の契り》の為にここに控えております‼」
祭壇のすぐ横の階段脇に控えていったエルフのオジサマが、祭壇の前で瞑想していった初老の女エルフに声をかける。
「うむ。皆、よう集まった。今日は、そなた達が精霊様達と契りを結ぶ、よき日じゃ‼心して、臨むがええ‼」
マシロは絶叫をかろうじて飲み込んだ。
(攻略サイトで見た、チュートリアルと違う‼‼)
マシロは気づかれない様に、小声で「ステータス・オープン」と呟いた。
すると、左上に簡易ステータスが表れ、キャラアカウント名とHP、MPバーの下に『クエスト進行中につき、コマンド操作出来ません‼』と表示されている。
「‼‼‼‼」
マシロは再度、絶叫を飲み込み、周囲のエルフ達を見る。
(紫色のアイコン。っていうことは、祭壇にいるオババ様と祭壇の下に控えているエルフ達は、NPCか。で、祭壇を仰ぎ見てるのは、紫色のアイコンと青色のアイコン。ってことは、NPCとわたしみたいなプレイヤーが混じってるってことか)
マシロは更に詳しく視てみることにする。すると、紫色のアイコン ー NPCには、キャラネームと職業が表示された。
青色のアイコン ー プレイヤーには、マシロと同様の簡易ステータスが表示されている。
「ねぇ、キミも今日始めてログインしたの?」
思考の海に浸かっていったマシロは、後ろから小声で声を掛けられ、我にかえった。ゆっくりと振り返る。
そこには、今のマシロと変わらない年齢のエルフの少年が不安そうに、マシロを見ていた。
(『年齢設定』なんてシステムがあるから、上なのか下なのか、同い年なのか判断出来ない‼)
マシロは、少年を注視する。青色のアイコンと左上に、キャラアカウント名とHP、MPバー。
「『コリン』?あんた、コリンっていうの?」
マシロは小声で少年の名を呼ぶ。少年が返事をする前に、《精霊の契り》という儀式が始まった。
「それでは、一人ずつ、この祭壇に置かれた水晶玉に手を翳しなさい。水晶の色が赤に変われば、炎の精霊《イフリート》と、青に変われば、水の精霊《ウンディーネ》と、緑に変われば、風の精霊《シルフ》と、茶色に変われば、地の精霊《ガイア》と、それぞれ契りを交わし、その眷族を授かれる。
それでは、これより《精霊の契り》を開始する‼」
マシロは胸中に、どす黒い不安が広がるのを感じた。
(こういったファンタジーゲームでは、《精霊》は力を示さないと、契約を交わしてくれない‼スキルも、魔法も無く、神に等しい相手に実力勝負。敵うはずないよ‼‼)
いきなりの難関クエストに、マシロは胸中で舌打ちする。
「これが、《精霊の神殿》。意外と大きい‼」
マシロはステータス画面を確認しようとした。
「何をしている?《精霊の契り》の最中に。早く、中へ戻れ‼」
突然現れた、エルフの男性はマシロを《精霊の神殿》の中へ引っ張っていく。
「???」
訳も判らないまま、マシロは神殿の最奥、祭壇のある広い部屋に連れて来られた。
「オババ様。皆、《精霊の契り》の為にここに控えております‼」
祭壇のすぐ横の階段脇に控えていったエルフのオジサマが、祭壇の前で瞑想していった初老の女エルフに声をかける。
「うむ。皆、よう集まった。今日は、そなた達が精霊様達と契りを結ぶ、よき日じゃ‼心して、臨むがええ‼」
マシロは絶叫をかろうじて飲み込んだ。
(攻略サイトで見た、チュートリアルと違う‼‼)
マシロは気づかれない様に、小声で「ステータス・オープン」と呟いた。
すると、左上に簡易ステータスが表れ、キャラアカウント名とHP、MPバーの下に『クエスト進行中につき、コマンド操作出来ません‼』と表示されている。
「‼‼‼‼」
マシロは再度、絶叫を飲み込み、周囲のエルフ達を見る。
(紫色のアイコン。っていうことは、祭壇にいるオババ様と祭壇の下に控えているエルフ達は、NPCか。で、祭壇を仰ぎ見てるのは、紫色のアイコンと青色のアイコン。ってことは、NPCとわたしみたいなプレイヤーが混じってるってことか)
マシロは更に詳しく視てみることにする。すると、紫色のアイコン ー NPCには、キャラネームと職業が表示された。
青色のアイコン ー プレイヤーには、マシロと同様の簡易ステータスが表示されている。
「ねぇ、キミも今日始めてログインしたの?」
思考の海に浸かっていったマシロは、後ろから小声で声を掛けられ、我にかえった。ゆっくりと振り返る。
そこには、今のマシロと変わらない年齢のエルフの少年が不安そうに、マシロを見ていた。
(『年齢設定』なんてシステムがあるから、上なのか下なのか、同い年なのか判断出来ない‼)
マシロは、少年を注視する。青色のアイコンと左上に、キャラアカウント名とHP、MPバー。
「『コリン』?あんた、コリンっていうの?」
マシロは小声で少年の名を呼ぶ。少年が返事をする前に、《精霊の契り》という儀式が始まった。
「それでは、一人ずつ、この祭壇に置かれた水晶玉に手を翳しなさい。水晶の色が赤に変われば、炎の精霊《イフリート》と、青に変われば、水の精霊《ウンディーネ》と、緑に変われば、風の精霊《シルフ》と、茶色に変われば、地の精霊《ガイア》と、それぞれ契りを交わし、その眷族を授かれる。
それでは、これより《精霊の契り》を開始する‼」
マシロは胸中に、どす黒い不安が広がるのを感じた。
(こういったファンタジーゲームでは、《精霊》は力を示さないと、契約を交わしてくれない‼スキルも、魔法も無く、神に等しい相手に実力勝負。敵うはずないよ‼‼)
いきなりの難関クエストに、マシロは胸中で舌打ちする。
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