恋と首輪

山猫

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首輪の役割

2-3

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"放課後、部屋に来て"

呼び出し用のスマホにメッセージが届く。
珍しいな。今まで、放課後呼び出されることはなかった。

主人は、仕事のはずなのに…。
そんな疑問を浮かべながらも、いつもの大きい扉を開ける。

「あ、みゆ来た?」

ニコッと笑う主人は、今日も変わらず美しい。

「今日はお仕事行かれないんですか?」
「行くよ、今から。」
「え?じゃあ私はなんで…」
「みゆも一緒に行くから。」

「…え?私もですか?」
なんで私が主人の仕事場に……

「蓮様、お車の用意出来ております」
南雲さんが丁寧に頭を下げる。

「おっけ、じゃあ行こっか」
そう言って主人は、私の手を引いて外へ向かう。

「とりあえず、ついて来ればわかるよ」
ニヤッと意味ありげに笑う主人の後ろをついて行き、止めてあったピカピカの高級外車に、乗り込んだ。

「…ここって、」
着いた先は、日本を代表する一流ホテルだった。
周りには、華やかなドレスを着た人達が大勢いる。

そこを通り過ぎる制服の主人と私は、完全に浮いている。

「今日ここでパーティーがあるんだ、西園寺財閥の令嬢の誕生日パーティー。」
「…パーティー、ですか?!」
急に言われたその言葉に、面食らう。

「うん、父さんの代わりに出なきゃいけなくなってさ」
「…え、あの私パーティーとか、出たことないですけど…」
「そんなこと知ってるよ。みゆは、ただ俺のそばにいてくれればいい。」

尚更わからない。
主人が、私をここに連れて来た意味が。

ホテルの奥の方へ入ると、主人はある部屋を、開けた。

「ここで、着替えてメイクとかやってもらってて、俺も準備してくる。」
「あ、はい、」

この子に、合わせてセットしてあげて、とそこにいたスタイリストさんらしき人に、声かけた主人は、私を残して、部屋を出た。

「すっぴんなのに、何でこんなに肌綺麗なの!?」
「あー、羨ましい!若いっていいわー!」

試着室のようなところで、渡された服に着替えた後、2人のお姉様方に、ヘアメイクをしてもらう。
今まで化粧をしてこなかった完成した私の姿は、まるで別人のようで。
本格的なプロのメイクって、すごい。

鏡に映る自分が、まるで知らない誰かみたいで。
でも、それが少しだけ嬉しかった。
「これが…私?」

じっと鏡を見る私にお姉さんたちは私の肩にそっと手を置く。

「すごく綺麗よ」
「蓮様もきっと驚かれるわね」

そんなこと、普段言われないからお世辞でも嬉しい。

お姉さん達に、お礼を言ったその時、部屋の扉が開いた。
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