12 / 60
一章
セカの街の新人冒険者8
しおりを挟む
「ゴートさんおめでとうございます。九級に昇級です。」
装備の受け取りを明日に控えた日、遂に俺は見習いを卒業し下級冒険者の仲間入りを果たした。組合の中だからあまり表には出さないけど小さくガッツポーズをとる。
受付のお姉さんによると、下級から大きく変わるところが二点あるらしい。
一つが違約金が発生する依頼を受けることが出来るということ。
これは期限内に何かを採取、狩猟する等条件の有る依頼に多いようだ。
もう一つが組合にお金を預けられるようになったこと。違約金もここから支払われたりするようだ。またある程度まとまった金額を預けている冒険者は一定の信用があると見なされ難易度の高い依頼や、組合から依頼の相談があったりするらしい。
勿論俺も預ける。
元々大金を持ち歩くのは不安があった。組合になら安心して預けることができる。
「三万エル預けたいと思います。よろしくお願いします」
昇級の際に記入する書類も提出し終わり、初依頼でお世話になった農園のおやっさんの元へ向かう。
以前昇級した時はお祝いしようと約束していたからだ。
農園に着くとおやっさんは作業が一段落したのか従業員と談笑していた。
「おやっさーん!冒険者ゴートこの度九級に昇級しました!」
こちらに気がついたのかおやっさんはこっちを向くと大きく手を振りながら
「おぉゴート!やったじゃねえか!」
と笑顔であたかも自分の事のように喜んでくれている。俺ももっと嬉しくなってくる。
「約束通り、明日の夜うちの農園で宴会でもどうだ?職業がら生産者との付き合いが多いから肉と野菜は売り切れねえくらいあるからな!手ぶらで来ても大丈夫だぞ」
豪快に笑いながらおやっさんが提案する。従業員の皆も盛り上がっている。
「是非!」
今から明日の宴会が楽しみだ。
「陽が落ちるまでに戻らないと手続きが発生して有料になるから気を付けるように」
南門の兵士に外出する際の注意を受けつつ少し遅い時間ではあったけど街の外に出る。目的はこれからの依頼で行く機会が増えるであろう街の南にある平原と森の事前調査と投げ槍製作用の素材を採取することだ。
事前調査に関しては、勿論組合で公開されている資料には目を通してある。でも実際に見てみないとわからないことも多いだろうし、平原と森がどんな環境なのかを把握することが今後の依頼達成に繋がるはずだ。デミ村にいた頃たまに狩りをしていたけどその時も事前の下調べがとても重要だったし。投げ槍も明日になれば鉈が手に入るとはいえ、遠距離からの攻撃手段があった方が良いのは確実だし。それに自分で作れば殆どただなんだから使わない手はない。
「時間もあまり無いし今日は軽く見て回るくらいにしようかな」
その後時間まで平原と森の浅い所を歩き回った。
何となく周辺の地理がわかった気がするし、槍っぽくなりそうな資材や村で使っていた薬草も少し集めることが出来た。
ただ疑問が一つ生まれた。
「何で平原の中にポツンと森があるんだろう?」
森が平原の中で何となく浮いている気がしたのだ。それこそ森の部分だけ違う場所から持ってたような違和感。
気にはなったが今は帰りを急がなければ。お腹も食料を要求し始めている。
今日のバーガーは何味だろうな。
装備の受け取りを明日に控えた日、遂に俺は見習いを卒業し下級冒険者の仲間入りを果たした。組合の中だからあまり表には出さないけど小さくガッツポーズをとる。
受付のお姉さんによると、下級から大きく変わるところが二点あるらしい。
一つが違約金が発生する依頼を受けることが出来るということ。
これは期限内に何かを採取、狩猟する等条件の有る依頼に多いようだ。
もう一つが組合にお金を預けられるようになったこと。違約金もここから支払われたりするようだ。またある程度まとまった金額を預けている冒険者は一定の信用があると見なされ難易度の高い依頼や、組合から依頼の相談があったりするらしい。
勿論俺も預ける。
元々大金を持ち歩くのは不安があった。組合になら安心して預けることができる。
「三万エル預けたいと思います。よろしくお願いします」
昇級の際に記入する書類も提出し終わり、初依頼でお世話になった農園のおやっさんの元へ向かう。
以前昇級した時はお祝いしようと約束していたからだ。
農園に着くとおやっさんは作業が一段落したのか従業員と談笑していた。
「おやっさーん!冒険者ゴートこの度九級に昇級しました!」
こちらに気がついたのかおやっさんはこっちを向くと大きく手を振りながら
「おぉゴート!やったじゃねえか!」
と笑顔であたかも自分の事のように喜んでくれている。俺ももっと嬉しくなってくる。
「約束通り、明日の夜うちの農園で宴会でもどうだ?職業がら生産者との付き合いが多いから肉と野菜は売り切れねえくらいあるからな!手ぶらで来ても大丈夫だぞ」
豪快に笑いながらおやっさんが提案する。従業員の皆も盛り上がっている。
「是非!」
今から明日の宴会が楽しみだ。
「陽が落ちるまでに戻らないと手続きが発生して有料になるから気を付けるように」
南門の兵士に外出する際の注意を受けつつ少し遅い時間ではあったけど街の外に出る。目的はこれからの依頼で行く機会が増えるであろう街の南にある平原と森の事前調査と投げ槍製作用の素材を採取することだ。
事前調査に関しては、勿論組合で公開されている資料には目を通してある。でも実際に見てみないとわからないことも多いだろうし、平原と森がどんな環境なのかを把握することが今後の依頼達成に繋がるはずだ。デミ村にいた頃たまに狩りをしていたけどその時も事前の下調べがとても重要だったし。投げ槍も明日になれば鉈が手に入るとはいえ、遠距離からの攻撃手段があった方が良いのは確実だし。それに自分で作れば殆どただなんだから使わない手はない。
「時間もあまり無いし今日は軽く見て回るくらいにしようかな」
その後時間まで平原と森の浅い所を歩き回った。
何となく周辺の地理がわかった気がするし、槍っぽくなりそうな資材や村で使っていた薬草も少し集めることが出来た。
ただ疑問が一つ生まれた。
「何で平原の中にポツンと森があるんだろう?」
森が平原の中で何となく浮いている気がしたのだ。それこそ森の部分だけ違う場所から持ってたような違和感。
気にはなったが今は帰りを急がなければ。お腹も食料を要求し始めている。
今日のバーガーは何味だろうな。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。
発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。
何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。
そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。
残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる