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第10章 いつか。聞いてはくれないか?
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「零...私はずっとお前の事が...ずっと...」
その時だった。
「ずっと...なんです?」
と急に聞こえてきた声に珠羅の言葉は全て遮られ零の耳には何も届かなかった。
零がその声に驚いている中、珠羅は背後を振り返り「誰だ...って大智(ダイチ)か...帰ってきたのか?」ときく。
声音とは反対に珠羅の顔にあった照れた表情はもはや無く、怒り...というより殺気が見え隠れしていた。
「陛下?どうしました?そんな顔して。」
と悪意無く聞き返す大智と呼ばれた男は黒い着物を着こなし、腰には剣を刺した、黒い前髪の左側をかきあげた小柄な好青年だった。
そんな大智は珠羅へ人懐っこい笑顔を見せる反面、珠羅の顔は仏頂面...ではなくもはや般若の顔だった。
「それでどうしたんですか?陛下。」
「いや、それといった事は何もないが...」
「なんですか?タイミングでしたか?」
「は...?」
思いがけない大智の返答に珠羅は戸惑う。
「なんの事だ?」
「またまた~。そんな見え張っちゃって!見てましたよ。陛下がそちらの娘さんに告白を」
その瞬間、珠羅は目にも止まらない速さで大智の口を押さえる。
あまりの速さに大智の言葉は聞き取れず何が起きているのかも零には分からなかった。
「...お前、いつからいた?」
「えっと、陛下が娘さんに袖を握られる所辺りですかね。」
と大智が大きく笑みを浮かべると珠羅は大きくため息を漏らし、「それで?何用だ?ちゃんとした理由があるんだろうな。」と大智へ詰め寄る。
「え、えぇ。もちろんですよ!まぁ、そちらの娘さんに用があるんすけども...」
「え?私...ですか?」
思いがけない話の振られ方に零は思わず驚く。
「按司補佐官に言われたんですよ。零殿に年迎えの儀式に出て欲しいって。」
ーーーー年迎えの儀式...?
そう零が考えていると珠羅は「今年もか...」と大きく息を吐く。
「それって一体...?」
あまりの出来事の回り方に着いていけず零はすっかり恥ずかしさは忘れていた。
「あぁ、言っていなかったな。もうすぐ1年も終わるだろ?だから毎年至る所から偉い人や王宮内の人間が集まる。いわば忘年会だな。」
「それにどうして私が...?」
確かにここへ来てしばらく時が経つ。しかし、あまり妃として動いた事はなく毎日珠羅を後宮で待つ日々である。
それなのに何故王宮内の忘年会にら呼ばれるのだろうか。
そんなことを考えていると頭が回らなくなる。その時、
「その会には最後に妃が関わっていてな。それで一時は延期していたが...今年はやるのか...まあ、零。少し落ち着け。」
と珠羅が声をかけてくれた事で零は少し落ち着きを取り戻す。
「えっと...つまりはどういう事...ですか?」
零が、尋ねると「あ、それについては政務室で。」と大智が言うので一同は政務室へと向かった。
(それより私...さっきとんでもない事を言ってしまったのでは...!?)
政務室へ続く廊下を歩きながら零は1人頬を赤く染める。
いくら、ここへ来てから妃っぽい事を全くしていないから自分がバイトの身分という事を忘れていた、というワケではなく思わず漏れてしまったのだ。
そして1人恥ずかしがっていると、隣を歩いていた珠羅が不意に零の手を優しく握り、ぽつりと小声で話す。
「今は政治で忙しくて言えないが、いつか。零に伝えたい事があるんだ。その時になったら...聞いてくれるか?」
それに対して零はにこりと微笑み、
「はい。待ってます。」
この時の珠羅の手はいつもより暖かかった。
その時だった。
「ずっと...なんです?」
と急に聞こえてきた声に珠羅の言葉は全て遮られ零の耳には何も届かなかった。
零がその声に驚いている中、珠羅は背後を振り返り「誰だ...って大智(ダイチ)か...帰ってきたのか?」ときく。
声音とは反対に珠羅の顔にあった照れた表情はもはや無く、怒り...というより殺気が見え隠れしていた。
「陛下?どうしました?そんな顔して。」
と悪意無く聞き返す大智と呼ばれた男は黒い着物を着こなし、腰には剣を刺した、黒い前髪の左側をかきあげた小柄な好青年だった。
そんな大智は珠羅へ人懐っこい笑顔を見せる反面、珠羅の顔は仏頂面...ではなくもはや般若の顔だった。
「それでどうしたんですか?陛下。」
「いや、それといった事は何もないが...」
「なんですか?タイミングでしたか?」
「は...?」
思いがけない大智の返答に珠羅は戸惑う。
「なんの事だ?」
「またまた~。そんな見え張っちゃって!見てましたよ。陛下がそちらの娘さんに告白を」
その瞬間、珠羅は目にも止まらない速さで大智の口を押さえる。
あまりの速さに大智の言葉は聞き取れず何が起きているのかも零には分からなかった。
「...お前、いつからいた?」
「えっと、陛下が娘さんに袖を握られる所辺りですかね。」
と大智が大きく笑みを浮かべると珠羅は大きくため息を漏らし、「それで?何用だ?ちゃんとした理由があるんだろうな。」と大智へ詰め寄る。
「え、えぇ。もちろんですよ!まぁ、そちらの娘さんに用があるんすけども...」
「え?私...ですか?」
思いがけない話の振られ方に零は思わず驚く。
「按司補佐官に言われたんですよ。零殿に年迎えの儀式に出て欲しいって。」
ーーーー年迎えの儀式...?
そう零が考えていると珠羅は「今年もか...」と大きく息を吐く。
「それって一体...?」
あまりの出来事の回り方に着いていけず零はすっかり恥ずかしさは忘れていた。
「あぁ、言っていなかったな。もうすぐ1年も終わるだろ?だから毎年至る所から偉い人や王宮内の人間が集まる。いわば忘年会だな。」
「それにどうして私が...?」
確かにここへ来てしばらく時が経つ。しかし、あまり妃として動いた事はなく毎日珠羅を後宮で待つ日々である。
それなのに何故王宮内の忘年会にら呼ばれるのだろうか。
そんなことを考えていると頭が回らなくなる。その時、
「その会には最後に妃が関わっていてな。それで一時は延期していたが...今年はやるのか...まあ、零。少し落ち着け。」
と珠羅が声をかけてくれた事で零は少し落ち着きを取り戻す。
「えっと...つまりはどういう事...ですか?」
零が、尋ねると「あ、それについては政務室で。」と大智が言うので一同は政務室へと向かった。
(それより私...さっきとんでもない事を言ってしまったのでは...!?)
政務室へ続く廊下を歩きながら零は1人頬を赤く染める。
いくら、ここへ来てから妃っぽい事を全くしていないから自分がバイトの身分という事を忘れていた、というワケではなく思わず漏れてしまったのだ。
そして1人恥ずかしがっていると、隣を歩いていた珠羅が不意に零の手を優しく握り、ぽつりと小声で話す。
「今は政治で忙しくて言えないが、いつか。零に伝えたい事があるんだ。その時になったら...聞いてくれるか?」
それに対して零はにこりと微笑み、
「はい。待ってます。」
この時の珠羅の手はいつもより暖かかった。
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