誕生日にほしいものは

京 みやこ

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(11)その体に、じっくりと教えてあげるからね

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 エディフェルドが注挿を繰り返すことで、シリルは少しずつではあるが、快感を得られるようになっていた。

「ん、あっ……、あぅ……」

 可愛らしい嬌声には、次第に甘さが含まれていく。

 とはいえ、まだナカの刺激だけでは達することができないのは、当のシリルだけではなく、エディフェルドにも分かっていた。

 エディフェルドはシリルの腰を掴んでいた右手を外すと、注挿の動きに合わせてユラユラと揺れているシリルの性器へと手を伸ばした。

 次いで、腰を止めることなく、シリルの性器を扱いてやる。

 途端に、シリルが得る快感が倍増した。

「やっ、あぁっ!」

 甲高い嬌声と共に、シリルの体がビクンと跳ねる。

 まずは一度目の絶頂だ。

 その反応に満足そうな笑みを浮かべたエディフェルドは、腰を振り、右手を動かし、シリルに快感を与えた。

「ん、くっ……、あぅっ……」

 シリルはまぶたを固く閉じ、感じるままに声を出していた。

 このようにして、エディフェルドは内側と外側からシリルに快感を与え続ける。

 ひっきりなしに嬌声を上げるシリルは、二度目の絶頂もほとんど間を空けずに迎えていた。

 それからややあって、エディフェルドがシリルのナカに精を放つ。

「は、ぁ……」

 静かな吐息と共に動きを止めたエディフェルドは、微笑みながらシリルへと視線を向けた。

 そんな彼を、浅い呼吸を忙しなく繰り返しながらシリルが見上げる。

「ルド……、も……、おわり……?」

 寂しそうな表情で、シリルが呟く。

 シリルはすでに二度射精しており、初めで抱かれた身としては、かなりキツい状態だろう。

 それでも、彼の茶色の瞳が切実に続きを求めている。



 当然、エディフェルドは恋人の甘く艶やかな誘いを断る気はなかった。



「まさか、これからが本番だよ」

 エディフェルドの長大な性器に慣れ、少しずつ快感を拾うことがうまくなってきたシリルを喜ばせるのは、むしろ今からなのだ。

 にっこりと笑うエディフェルドの瞳には、情欲の炎が激しく揺らめいている。

 そんな恋人の様子に、シリルはホッと息を吐いた。

「よかった……、俺の体がつまらないから、もう、おわりかと思った……」

 ボソボソと呟く声は小さいが、エディフェルドの耳はしっかりと聞き取る。

「シリルの体がつまらない? 馬鹿言わないで。僕にとって、世界一魅力的な体だよ」

 即座に言い返すと、シリルがおもむろに視線を外した。

「……俺以外の体を知らないくせに、世界一だなんておかしい」

 シリルの言い分は、何人もの体と実際に比べてこそ、世界一だと分かるというものである。

 十歳の時にシリルと出逢って一目で恋をして、今日まで誰とも恋愛も性的経験もしてこなかったエディフェルドが言えることではないのだと。

 たしかに比較対象がない状態で、誰が一番なのかは分からないだろう。



 だが、エディフェルドの理屈は違う。



「これまでもそうだったけど、この先もずっと、僕はシリルしか抱かない。だから、シリルが世界一ということで合っているよ」

 つまり、比較しないからこその一番だと、エディフェルドは言いたいのだ。

「それ……、屁理屈だって……」

 視線を逸らしながら呟くシリルの耳が、とてつもなく赤い。今のエディフェルドの言葉が、相当嬉しかったようだ。

 背けた顔をなかなか戻さないシリルにかまわず、エディフェルドは甘い声で囁く。

「屁理屈だろうとなんだろうと、僕が誰よりもシリルを愛しているのは事実だよ。それだけは、なにがあっても絶対に忘れないでね」

「……もし、忘れたら?」

 小さな呟きに、エディフェルドはクスッと笑う。

「その時は、思い出してくれるまでシリルを抱きまくるよ。シリルが嫌だって言っても、どんなに泣いても、抱いて、抱いて、抱きまくるからね」

 それを聞いて、シリルの耳がさらに赤みを増した。

「……なんだよ、その脅し文句は」

 不機嫌そうに呟くが、シリルの赤い耳が彼の心根を正直に語っている。

 エディフェルドはふたたびクスッと笑う。その顔は嬉しそうで、楽しそうで、だが、獲物を仕留めるオスのものだった。

「そのくらい、シリルを愛してる。……ということで、続きを始めるよ。ちょっと話している間に、復活したからね」

 そう言って、エディフェルドは軽く腰を揺する。

 射精したことで多少は柔らかくなっていた彼の性器は十分すぎる硬さを取り戻しており、ゴリゴリとシリルのナカを刺激した。

 不意打ちで与えられた刺激に、シリルは驚き、そして喘ぐ。

「えっ!? ちょ、ちょっと、いきなり……、ん、んんっ……、あ……」

 こみ上げる快感に耐えようとして近くにあった枕にシリルがしがみつくと、それをエディフェルドが容赦なく奪う。

「シリル、駄目だよ。抱きつくなら、僕にして」

 そう言うが早いか、エディフェルドは上体を倒し、シリルに腕を回した。

 次いで軽く反動をつけてシリルを抱き上げると、己の膝の上に乗せる。

 自重がかかることで、エディフェルドの性器がより深い部分まで到達した。

「やっ、あぁっ!」

 ブルブルと体を震わせ、シリルが甲高い声を上げる。

 だが、彼の声は悲鳴ではなかった。

 エディフェルドは恋人の反応に、ニンマリと笑う。

「今度は、こうして下から突いてあげるね。ほら、奥をズンズン刺激されると、気持ちいいでしょ?」

 体格と筋力に物を言わせ、エディフェルドはシリルを膝に乗せた状態でも、力強く腰を弾ませる。

 潤滑油と先ほどシリルのナカに放った精液が合わさり、グプッ、ヌチュッという一段と卑猥な水音が響いていた。

 シリルは自分から続きを望んだものの、予想をはるかに超える快感を与えられ、彼の頭の中は白く霞んでいる。

 思考回路はほぼ停止し、半開きの口からは甘ったるい喘ぎ声しか出てこない。

「は、あぁ……、ん……、く、うぅ……」

「こんなにも蕩けた顔をしちゃって、シリルは本当に可愛いね」

 ガツガツと腰を突き上げながら、エディフェルドはシリルの鼻先にソッと口付ける。

 本当は熟したサクランボのように美味しそうな唇にむしゃぶりつきたかったのだが、シリルの呼吸を妨げてはかわいそうだと思ったのだ。

 このように、エディフェルドは情熱的な注挿を繰り返し、シリルの鼻先や頬に口付けを贈っているうちに、シリルの性器が頭を擡もたげていることに気付く。

 徐々にナカでの快感を得られるようになっているシリルだが、まだ射精に至るまでには及ばない。

 これまでのように、ディフェルドは腰の動きを止めることなく、右手でシリルの性器に刺激を与えてやることにした。

 己の手の平に大部分が収まってしまう可愛らしい性器を、突き上げに合わせて扱き始めた。

 すると、シリルの体がビクンと跳ね、エディフェルドの性器を咥えこんでいるナカがキュウッと収縮する。

「あぅ!」

 二ヶ所から快感が押し寄せてきて、シリルは思わずのけぞった。

 眼前にさらされた首筋にねっとりと舌を這わせながら、エディフェルドは艶めく声で囁く。

「シリルのナカ、僕の性器に絡みついているよ。それだけ、気持ちがいいってことだね」

 まともに働かない思考回路では、エディフェルドの言葉が理解できなくなっていた。

 鼓膜を甘くくすぐる優しい声に、シリルはなにも考えずに、ただただ頷く。

 敏いエディフェルドは、シリルが己の言葉を理解できないことに気付いていた。

 そんなシリルがとにかく可愛くて可愛くて仕方がないエディフェルドは、右手の動きを速めていく。

 得られる快感が増したシリルは、「ん、くっ……」と、くぐもった嬌声を零す。

 切羽詰まっていることを如実に伝えるその声を聞き、エディフェルドの右手が速度を上げ、また、握る力も増した。

 シリルは後ろの刺激だけでは達することができないが、性器とナカを同時に刺激されることで、徐々に達する感覚が掴めることだろうと、エディフェルドは考えている。

 性的なことについてあれこれ記載されている閨術指南本には、そのように書かれていたのである。

「シリルの体は、僕が責任をもって気持ちよくさせてあげるからね。その体に、じっくりと教えてあげるからね」



――ルドが、なにか言ってる……。なんだろ……。でも、きっと、悪いことじゃないはず……。



 この言葉も理解できないシリルは、先ほどと同じようにコクコクと頷き返した。

 無防備なシリルの態度が、よりいっそうエディフェルドの情欲を煽る。



――さっきは、あと三回って思ったけど……。この調子だったら、さらにイケるかもれないな。他にも、試したい体位もあるしね。



 シリルは初めて男性に抱かれたからこそ、彼には最高の快感を与えてあげたいというのが、エディフェルドの願いだ。

 自分に抱かれることで気持ちよくなれるのだと、シリルの体と頭に深く刻み込みたい。

 そうすれば、恥ずかしがり屋のシリルでも自分の誘いを断らないのではと、エディフェルドは密かに企んでいたのである。

 そんな企みなど知らないまま、シリルの素直な体は次第に感度を上げていく。

 なにも考えられないからこそ、快感が直接脳に届いているのだろう。

 今のシリルは、そのような感じだった。



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