あの日、答えはもらえなかったー納得できなかった記憶達へー

撫子

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学校編「溜息一つに咎を受けて」

夢の中の私

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私は、昔から夢を見るのが不思議と得意だった。
ただの夢ではない。まるで映画のように鮮やかで、色も音も、温度さえも感じる。知らない街、知らない人、だけどどこか懐かしい気配。まるで前世の記憶を辿るかのような夢を、私は子どもの頃から見続けてきた。

あるときは登場人物として、またあるときは傍観者として。
不思議なことに、そのどちらであっても私は夢の中で「あ、これは夢だ」と気づいている。夢の私の心の中では、もう一人の“私”が語りかけてくる。「これは夢だから逃げて」「これは夢だから大丈夫」──そんなふうに。時には夢の中の展開に、まるで監督のように指示を出すこともある。

ホラー映画のような夢では、私は恐怖に打ち勝つために自分自身を励ます。「目を覚ませばいい」「反撃して」。
その声に従って行動すると、物語は変わり、やがて別の夢へと切り替わる。シリーズ物のドラマのように、続編を観ているかと思えば突然の最終回。そのまま目が覚めてしまい、「続きが見たいな」と思って眠ると、また夢の続きを見られることもある。不思議な力を持っているような気さえする。

私は小さな頃から、現実と夢の狭間を行き来していた。
夢の中の世界は、時に残酷で、時に美しく、そして何より私に優しかった。現実では味わえないことを、夢は私に体験させてくれる。けれど、あの夢たちは一体どこから来て、そしてどこへ消えていくのだろう。

まるで心の奥にあるもうひとつの宇宙。
私はその宇宙を、今夜もまた旅している。
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