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第一話 クズ勇者、改心する
その三
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人類滅亡の日から『死に戻り』したオレは、破滅を回避するため、マルタをパーティに引き留めた。
その翌日――
いつもの店で朝食を取り、冒険者ギルドに向かうと、すでにパーティのメンバーが揃っていた。
「なんだ? いつもより早いじゃないか?」
そうたずねたのだが、誰ひとり返答しない。重い雰囲気がひしひしと伝わる。
「全員揃いましたね。それでは勇者パーティのみなさん、こちらへ」
ギルドの受付嬢がそう言う。
こちらへ――って、どちらへ?
「ギルドマスターが呼んでいるそうだよ」そう、ロゼルは説明してくれた。
ギルドマスターが呼んでいる? こんな朝っぱらから? 全員、受付嬢のうしろをついて行こうとすると――
「マルタさんはここに残ってください」
「――えっ?」
マルタだけ、ここに残る?
「ギルドマスターからの指示です」
いったい、なんだっていうんだ?
オレたちは言われたとおり、マルタを残して、ギルドマスター執務室に入った。
中には坊主頭にヒゲを生やした屈強な男がムッとした顔でソファーに座っていた。冒険者ギルドマスターのマコーミックである。全員、向かいの席に座ると――
「おい、グエル。どういうことだ?」
挨拶もなく、不躾にマコーミックは質問してきた。
どういうこと――って?
「オマエ、昨日は運び屋をクビにするって言っていただろ?」
「ああ……」
思い出した。マルタをクビにした日――その前にマコーミックから呼び出され、「マルタをクビにしろ」と言われたんだ。
あの時は、役立たずの運び屋なんて勇者パーティに不要だとオレも思っていたから、コイツの指示にふたつ返事で従ったんだっけ?
オレは頭を掻きながら――
「まあ――気が変わった」そう、素っ気なく応える。
「なっ!?」
オレの回答で、マコーミックの顔がゆでタコのように真っ赤になった。
その勢いで前のテーブルを両手でドンッと叩く。
「ふざけるな! 非戦闘職の運び屋なんてこのギルドに必要ない! 昨日はキサマも同意しただろ!」
ああ、そうそう。そんな話をしていた。戦わないくせに、報酬だけ一人前にもらっているマルタにオレも不満を持っていたんだよなぁ。だから、マコーミックの考えに同意したんだ。
「そう思ったんだけど、運び屋がいるといろいろ助かるんですよ。重い荷物を持たなくてイイし、道案内もしてくれる。料理だって作るしな」
そんなふうに言いわけしてみる。
まさか、『マルタは将来、人類を滅ぼすほどの能力を手にする』なんて言うわけにいかないもんなぁ。
それに、今から思い直せば、運び屋としてのマルタもけっこう役に立っていた。アイツをクビにしてからの惨状を知ってれば一目瞭然だ。
『運び屋は戦わずにラクして報酬をもらう、冒険者の面汚し――』そういう風潮が冒険者の仲間ウチでは昔からあったし、オレもそんなふうに考えていた。
しかし、非戦闘員がサポートしてくれるから、戦闘員は戦いに集中できる。今ならそれがわかる。前の人生では、気づくのに遅すぎた。
だが、こうして『死に戻り』したのなら、運び屋に対する間違った見識は改めるべきだろう。
「オマエ……本気でそんなことを言っているのか?」
マコーミックが威圧的な態度でそう声にしてきた。
「ああ、もちろんだ」と応える。
「――わかった。それでは勇者パーティを冒険者ギルドから除名する」
その翌日――
いつもの店で朝食を取り、冒険者ギルドに向かうと、すでにパーティのメンバーが揃っていた。
「なんだ? いつもより早いじゃないか?」
そうたずねたのだが、誰ひとり返答しない。重い雰囲気がひしひしと伝わる。
「全員揃いましたね。それでは勇者パーティのみなさん、こちらへ」
ギルドの受付嬢がそう言う。
こちらへ――って、どちらへ?
「ギルドマスターが呼んでいるそうだよ」そう、ロゼルは説明してくれた。
ギルドマスターが呼んでいる? こんな朝っぱらから? 全員、受付嬢のうしろをついて行こうとすると――
「マルタさんはここに残ってください」
「――えっ?」
マルタだけ、ここに残る?
「ギルドマスターからの指示です」
いったい、なんだっていうんだ?
オレたちは言われたとおり、マルタを残して、ギルドマスター執務室に入った。
中には坊主頭にヒゲを生やした屈強な男がムッとした顔でソファーに座っていた。冒険者ギルドマスターのマコーミックである。全員、向かいの席に座ると――
「おい、グエル。どういうことだ?」
挨拶もなく、不躾にマコーミックは質問してきた。
どういうこと――って?
「オマエ、昨日は運び屋をクビにするって言っていただろ?」
「ああ……」
思い出した。マルタをクビにした日――その前にマコーミックから呼び出され、「マルタをクビにしろ」と言われたんだ。
あの時は、役立たずの運び屋なんて勇者パーティに不要だとオレも思っていたから、コイツの指示にふたつ返事で従ったんだっけ?
オレは頭を掻きながら――
「まあ――気が変わった」そう、素っ気なく応える。
「なっ!?」
オレの回答で、マコーミックの顔がゆでタコのように真っ赤になった。
その勢いで前のテーブルを両手でドンッと叩く。
「ふざけるな! 非戦闘職の運び屋なんてこのギルドに必要ない! 昨日はキサマも同意しただろ!」
ああ、そうそう。そんな話をしていた。戦わないくせに、報酬だけ一人前にもらっているマルタにオレも不満を持っていたんだよなぁ。だから、マコーミックの考えに同意したんだ。
「そう思ったんだけど、運び屋がいるといろいろ助かるんですよ。重い荷物を持たなくてイイし、道案内もしてくれる。料理だって作るしな」
そんなふうに言いわけしてみる。
まさか、『マルタは将来、人類を滅ぼすほどの能力を手にする』なんて言うわけにいかないもんなぁ。
それに、今から思い直せば、運び屋としてのマルタもけっこう役に立っていた。アイツをクビにしてからの惨状を知ってれば一目瞭然だ。
『運び屋は戦わずにラクして報酬をもらう、冒険者の面汚し――』そういう風潮が冒険者の仲間ウチでは昔からあったし、オレもそんなふうに考えていた。
しかし、非戦闘員がサポートしてくれるから、戦闘員は戦いに集中できる。今ならそれがわかる。前の人生では、気づくのに遅すぎた。
だが、こうして『死に戻り』したのなら、運び屋に対する間違った見識は改めるべきだろう。
「オマエ……本気でそんなことを言っているのか?」
マコーミックが威圧的な態度でそう声にしてきた。
「ああ、もちろんだ」と応える。
「――わかった。それでは勇者パーティを冒険者ギルドから除名する」
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