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脅迫状編
2度あることは ※
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項垂れるセシルを、シグルドはドン引きした顔で見下ろした。
間を空けず呼び出された時点で、薄々嫌な予感がしたが案の定。
「君は馬鹿か? 学習能力が無いにも程があるだろう」
シグルドの言う通りだ。辛辣だが彼が正しい。
セシルは薬を塗ると言って相手を油断させて、結局また襲った。
前回とは別の意味で悪質だ。
「2回会って、2回共襲うとか正気とは思えない」
「本当に! 最初は純粋に薬を塗ってたんだ! でもラインハルト様の痴態に我慢が――」
「よくある性犯罪者の言い訳だな。それ絶対に本人には言うなよ」
最初がどうであろうと、同意なく挿入した時点でアウトだ。
しかも言い訳の内容が「被害者がエロ過ぎるのが悪い」ときた。情状酌量の余地無しである。
「今度こそ! 絶対に襲う事なくお詫びしてみせる!」
「……期待しないでおくよ。俺は犯罪者の友人になるつもりはないから、逮捕されたら縁切るからな」
止むに止まれぬ事情があってなら兎も角、衝動的な性犯罪である。
今までは奔放なシグルドをセシルが見捨てない形の友情だったが、一気に立場が逆転した。
**
3度目の顔合わせは、マクガーデン邸ではなかった。
会う度に襲われるという嬉しくない皆勤賞状態なので、ラインハルトは気が進まなかったが前回身分証を彼の部屋で紛失した為渋々会う事にした。
郵送事故が不安であれば、マクガーデン家ともなれば使いの者に持たせれば良い。
しかし「大事な物だから直接渡したい」と言われたら、断ることはできなかった。
心当たりは一ヶ所しか無いので、何の弾みで落としたかは考えない事とする。
今回は外で会うので、いくら彼でも無体な事はしないだろう。
(流石金持ち。貸切って凄いな)
指定された場所は、大学からほど近い美術館の一角だった。
ラインハルトの研究にも関わっているので度々訪問している場所だが、何時もは研究者用パスを使用している。一般客として入るのは学生時代ぶりだ。
マクガーデン家としては人目を避けたいのか、貸切状態でデート(仮)する事になった。
この美術館には以前から多額の寄付をしているようだが、それでも中々できる事ではない。
おそらく追加で金を出したのだろう。
(部屋が物置な割に、服とか貸切とか金は掛けてるんだよな)
ラインハルトは眉を顰めた。
表に出せない子供への対応としては、どうにも違和感を感じる。
*
「重ね重ね申し訳ありませんでした」
素直に身分証を差し出すと、またもや彼は地面に跪いた。
立っているラインハルトは完全に見下ろす形になる。
それだけの事をされているのだが、正直居心地が悪い。
「ラインハルト様に触れると、頭の片隅が痺れて何も考えられなくなるんです。駄目だとわかっているのに、自分の欲望が抑えられなくなる……」
聞いてもいない自白が始まった。
「お恥ずかしながら、以前から俺は貴方をお慕いしています」
「……僕には覚えが無いのですが、」
「きっと貴方にとっては些細な事だったのでしょう。記憶に残っていなくても無理ありません」
訥々と語られる内容に、ラインハルトは首をかしげた。
(いや。君のような男の娘、一度会ったら忘れないぞ)
すっぴんのゴスロリみたいなものだ。
慕われるだけのやり取りがあったなら尚更、記憶に残っているはずだ。
ラインハルトは女の顔は覚えられないが、一定以上の顔面偏差値の男に対する記憶力は良い。
「謝罪は受け入れますから、立ってください」
「いいえ。誠意を見せなければ。自分の欲を完全に抑え込んで、ラインハルト様だけを気持ち良くしてみせます!」
「待て待て待て!!」
ラインハルトの敬語が吹っ飛んだ。
今までのやり取りを全て無駄にする発言。
ラインハルトが止める間も無く、彼はチャックを降ろすと、躊躇なく顔を寄せた。
急所を握り込まれて、ラインハルトは身動きができない。
彼の頭を掴んで引き剥がしたいが、弾みで噛み切られそうだ。
後ろの次は、前に擦過傷とか面白くもなんとも無い。
*
ワザとなのか天然なのか不明だが、派手に水音を立てて舐められる。
彼の顔は完全に蕩けきっており、自分の欲全開である。
これが二次元なら、効果音だけではなく目にも♡が入っているだろう。
一心不乱にラインハルトに奉仕していたが、興奮を隠せなくなったのか彼は自らスカートを捲り上げた。
下着は普通に男物だった。
布で隠されていても、彼の雄が反応しているのは一目瞭然だ。
「ラインハルト様……足で……」
彼は口淫を続行したまま、とんでもない事を要求した。
「自分の欲を封印するんですよね」
「だって……」
(快楽に弱過ぎだろ。足コキとか絶対に嫌だ!)
靴履いたままは流石にマズイ。
じゃあ靴を脱いだらどうなるかと言うと、事後に汚れた靴下の始末に困る事になる。
「我慢できないならもう終わりです」
「嫌です! ――我慢します」
よく分からない流れで、あたかも合意の上の行為のようになってしまった。
これだけ欲に忠実で図太いのだ。
彼が一方的に生家で虐げられているとは思えない。
ラインハルトは、これ以上関わるのを止めようと心に決めた。
間を空けず呼び出された時点で、薄々嫌な予感がしたが案の定。
「君は馬鹿か? 学習能力が無いにも程があるだろう」
シグルドの言う通りだ。辛辣だが彼が正しい。
セシルは薬を塗ると言って相手を油断させて、結局また襲った。
前回とは別の意味で悪質だ。
「2回会って、2回共襲うとか正気とは思えない」
「本当に! 最初は純粋に薬を塗ってたんだ! でもラインハルト様の痴態に我慢が――」
「よくある性犯罪者の言い訳だな。それ絶対に本人には言うなよ」
最初がどうであろうと、同意なく挿入した時点でアウトだ。
しかも言い訳の内容が「被害者がエロ過ぎるのが悪い」ときた。情状酌量の余地無しである。
「今度こそ! 絶対に襲う事なくお詫びしてみせる!」
「……期待しないでおくよ。俺は犯罪者の友人になるつもりはないから、逮捕されたら縁切るからな」
止むに止まれぬ事情があってなら兎も角、衝動的な性犯罪である。
今までは奔放なシグルドをセシルが見捨てない形の友情だったが、一気に立場が逆転した。
**
3度目の顔合わせは、マクガーデン邸ではなかった。
会う度に襲われるという嬉しくない皆勤賞状態なので、ラインハルトは気が進まなかったが前回身分証を彼の部屋で紛失した為渋々会う事にした。
郵送事故が不安であれば、マクガーデン家ともなれば使いの者に持たせれば良い。
しかし「大事な物だから直接渡したい」と言われたら、断ることはできなかった。
心当たりは一ヶ所しか無いので、何の弾みで落としたかは考えない事とする。
今回は外で会うので、いくら彼でも無体な事はしないだろう。
(流石金持ち。貸切って凄いな)
指定された場所は、大学からほど近い美術館の一角だった。
ラインハルトの研究にも関わっているので度々訪問している場所だが、何時もは研究者用パスを使用している。一般客として入るのは学生時代ぶりだ。
マクガーデン家としては人目を避けたいのか、貸切状態でデート(仮)する事になった。
この美術館には以前から多額の寄付をしているようだが、それでも中々できる事ではない。
おそらく追加で金を出したのだろう。
(部屋が物置な割に、服とか貸切とか金は掛けてるんだよな)
ラインハルトは眉を顰めた。
表に出せない子供への対応としては、どうにも違和感を感じる。
*
「重ね重ね申し訳ありませんでした」
素直に身分証を差し出すと、またもや彼は地面に跪いた。
立っているラインハルトは完全に見下ろす形になる。
それだけの事をされているのだが、正直居心地が悪い。
「ラインハルト様に触れると、頭の片隅が痺れて何も考えられなくなるんです。駄目だとわかっているのに、自分の欲望が抑えられなくなる……」
聞いてもいない自白が始まった。
「お恥ずかしながら、以前から俺は貴方をお慕いしています」
「……僕には覚えが無いのですが、」
「きっと貴方にとっては些細な事だったのでしょう。記憶に残っていなくても無理ありません」
訥々と語られる内容に、ラインハルトは首をかしげた。
(いや。君のような男の娘、一度会ったら忘れないぞ)
すっぴんのゴスロリみたいなものだ。
慕われるだけのやり取りがあったなら尚更、記憶に残っているはずだ。
ラインハルトは女の顔は覚えられないが、一定以上の顔面偏差値の男に対する記憶力は良い。
「謝罪は受け入れますから、立ってください」
「いいえ。誠意を見せなければ。自分の欲を完全に抑え込んで、ラインハルト様だけを気持ち良くしてみせます!」
「待て待て待て!!」
ラインハルトの敬語が吹っ飛んだ。
今までのやり取りを全て無駄にする発言。
ラインハルトが止める間も無く、彼はチャックを降ろすと、躊躇なく顔を寄せた。
急所を握り込まれて、ラインハルトは身動きができない。
彼の頭を掴んで引き剥がしたいが、弾みで噛み切られそうだ。
後ろの次は、前に擦過傷とか面白くもなんとも無い。
*
ワザとなのか天然なのか不明だが、派手に水音を立てて舐められる。
彼の顔は完全に蕩けきっており、自分の欲全開である。
これが二次元なら、効果音だけではなく目にも♡が入っているだろう。
一心不乱にラインハルトに奉仕していたが、興奮を隠せなくなったのか彼は自らスカートを捲り上げた。
下着は普通に男物だった。
布で隠されていても、彼の雄が反応しているのは一目瞭然だ。
「ラインハルト様……足で……」
彼は口淫を続行したまま、とんでもない事を要求した。
「自分の欲を封印するんですよね」
「だって……」
(快楽に弱過ぎだろ。足コキとか絶対に嫌だ!)
靴履いたままは流石にマズイ。
じゃあ靴を脱いだらどうなるかと言うと、事後に汚れた靴下の始末に困る事になる。
「我慢できないならもう終わりです」
「嫌です! ――我慢します」
よく分からない流れで、あたかも合意の上の行為のようになってしまった。
これだけ欲に忠実で図太いのだ。
彼が一方的に生家で虐げられているとは思えない。
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