見合い相手が女装した男だった。しかも僕のストーカーらしい。

一一(カズイチ)

文字の大きさ
8 / 39
脅迫状編

お医者さんごっこ ※

しおりを挟む
 時は無情に流れ、2度目のマクガーデン家訪問の日がやってきた。

 前回は日当たりの良いサロンだったが、今回は私室へ通された。
 常識的には、令嬢の部屋に易々と男性が招かれる事は無いのだがラインハルトは縁談相手。本日は廊下にメイドが待機する事で、扉を閉めて過ごす事が許可された。
 重厚な扉だが防音ではない。要は室内で大きな音がすれば、即座に使用人達が駆けつけることのできる状態だ。
 ラインハルトとしても願ったり叶ったりである。
 前回の様な事があれば派手に音を立てることになるので、ラインハルトの貞操は守られる。

 よく考えれば、前回の見合い会場は外から丸見えだった。
 庭木に隠されているが、サロン自体はガラス張りのサンルームなので、青姦もしくはマジックミラー号状態だった。

(今更ながら恐ろしい。なんて危険な状態だったんだ)



 今回も彼は女装していた。
 鬘なのであろう少し不自然な髪と、既製品なのだろうか体に合っていないドレス。
 化粧っ気はなし。
 どちらも真新しく見えるが、裕福な家の令嬢にしてはチグハグだ。

 部屋も年頃にしては飾り気が無く、寄宿舎の男子部屋と大差ない。
 絵が飾ってあったのか、壁の所々に日焼けの跡があるが部屋には一枚の絵画もない。

(もしかしてここは使われなくなった部屋で、彼は冷遇されているのかもしれない)

 彼を見た瞬間、ラインハルトの後孔がひくついたが全力で目を背けた。

(フラッシュバックだ。きっとトラウマになってるんだ!)



 挨拶もそこそこにラインハルトを椅子に座らせると、ドレスが汚れるのも構わず彼は正面に跪いた。

「あの……」

 謝罪する気なのだろうが、こうまでされるとラインハルトも困ってしまう。

「ラインハルト様、先日は申し訳ございませんでした。パニックになってしまってつい……」

(ついで強姦するのか。本格的にヤバいな)

 力になりたいと思っていたが、ラインハルトは全力で逃げたくなってきた。

「その……先日帰られた後に血が。俺が傷付けてしまったんですよね」
「ええ、まあ」

 どこに血が付いていたのか聞いたら負けな気がするので、ラインハルトはスルーした。

「これ薬です。化膿予防と炎症止めの軟膏で、粘膜にも塗れる安全性の高い物です」

(粘膜とか言うな)

 市販のラベルが貼られていないので、マクガーデン家の専属医が調剤した物なのだろう。ラインハルトとしては喉から手が出る程欲しいが、このまま受け取るのは癪だ。

「君は自分のした事を分かっているんですね」
「はい。取り返しのつかない事をしたと反省しています」
「自覚があるなら結構です」
「ですから、お詫びさせてください」

 言うな否や、ラインハルトの膝を開いて持ち上げる。
 肘掛けに足を掛けられ、椅子の上でM字開脚状態になった。

「ちょっと! 反省したんじゃなかったんですか!?」
「償いとして薬を塗らせてくださいッ!」
「ありがた迷惑ですッ!」
「でもご自分では塗れないでしょう?」
「でも君の手を借りるつもりは――こらベルトから手を離しなさい!」

 両者一歩も譲らず。
 暫くガタガタと椅子が動いたが、使用人が飛び込んでくる気配は無し。

(本当に待機してるんだろうな!?)

 彼がこの家で冷遇されていて、この縁談が体の良い厄介払いなら廊下が無人である可能性が高い。



 彼は一歩も退く気が無いようだし、ラインハルトも患部の状態が気になる。
 1日、2日ならまだしも数日続くと深刻な状態なのかと不安になるものだ。

 結局ラインハルトが根負けして薬を塗ってもらう事になったのだが、続き部屋――寝室のベッドに横になった時点で、彼は自分がとてつも無くチョロいんじゃないかと思った。

(いやいやこれは医療行為。イスだと不安定で危ないからベッドへ移動しただけ)

 渋々トラウザーを下げ、患部だけ露出させる。
 枕を差し出されたので抱えた。
 セシルに仰向けで寝るように言われたが、その状態だと正常位もしくは四十八手の白光錦になるので拒否した。絵面として大変よろしくない。
 代わりにうつ伏せを要求したが、顔が見えないと痛みがあるのか確認し難いとセシルに却下された。
 歯医者もだが、処置中の痛みは自己申告し難いのでラインハルトもその辺は納得した。
 仕方なしに横向きになる。言っておくが、いすか取りではない。

「はぁ……綺麗可愛い」

(コイツ反省してないな!)

 思わず漏れたのであろう声に、ラインハルトはキレそうになった。枕を抱きしめた間抜けな図だが、せめてもの意思表示として思いきり声の主を睨みつける。

「さっさとしてください」
「優しくしますね」

(変な含みを持たせるのを止めろ!)

「迅速に済ませてください」
「痛かったり、気持ち良かったら言ってください」
「後半おかしいでしょう。ふざけるなら止めます」
「待ってください! 調子に乗りました。すみません」

 殊勝な表情で謝罪されても、ラインハルトの怒りはおさまらなかった。

(「気持ち良かったら」って何だよ! 絶対に言わないからな!)



 ラインハルトの後孔に、丁寧に薬が塗り込まれる。
 だいぶ治っているが、入り口の一部が切れていた。
 内壁は無事のようだが、奥の方を指が擦った際にラインハルトの体が跳ねた。

 一瞬の出来事だったし、声には出さなかったがそれを見逃す彼では無い。

「痛かったですか?」
「いえ」
「でも反応してましたよね」
「大丈夫です。問題ないです」

 早口で否定した。

(前立腺を刺激されたとは、口が裂けても言えない)

 羞恥でラインハルトの白い肌が赤く染まる。

「……さっきの場所は指では長さが足りないので、別の方法で塗りますね」

 ラインハルトは、クッションに顔を埋めていたので、気付くのが遅れた。
 スカートを捲り上げた彼はそそり立つ己に薬を塗ると、無防備なラインハルトに突き立てた。
 指で丁寧に解していたので、今回はすんなり入った。

「何してるんですか!?」

 ギョッとして結合部を見るが、角度的にハッキリとは見えない。
 だが覚えのある感覚に、挿入されているのは確かだ。

(いや本当に何してくれちゃってるんだ。また生かよ!)

 俗に丁字引きと呼ばれる対位になった。

「あッ…気持ちいぃ♡ ラインハルト様ッ♡ 好きッ…好きです♡」

(何でお前が♡喘ぎするんだよ!!)

 男性向け同人の様な展開。ストーリーも無しに、ひたすらエロ。
 結局治療行為と称したイメクラになった。

 当然の様に今回も中出しされた。

(薬を塗った意味が無くなった……)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

率先して自宅警備員してたら宅配業者に両思い判定されてた話

西を向いたらね
BL
[配達員×実家暮らしニート] ・高梨悠斗 (受け) 実家住みのニート。常に家にいるため、荷物の受け取りはお手の物。 ・水嶋涼 (攻め) 宅急便の配達員。いつ荷物を届けても必ず出てくれる受けに対して、「もしかして俺のこと好きなのでは…?」となり、そのままズルズル受けの事が好きになる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

処理中です...