『オークヘイヴンの収穫祭』

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第7章 ― 真理の螺旋 ―

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エレノアは、病的な霧の中で、建物の隙間にひそむ狭い路地を見つけた。これまで気づかなかったその路地に向かって、彼女は全速力で走り出した。追手の足音がますます近づき、詠唱は人知を超えた次元の響きとなり、耳が痛むほどの不協和音を奏で始めていた。

その路地は、教会裏にある小さな中庭へと通じていた。中庭では、ねじれた木のシンボルが地面に直接刻まれ、同心円を描くように螺旋状に下へと広がり、無限の深みを錯覚させる光学的錯覚を生み出していた。中央には、見たことのあるシンボルが刻まれた蓋の井戸がそびえていた。

「井戸……」
エレノアは、日記の最終ページを思い返した。
「すべての始まりの深淵。彼らが初めて地中で眠るものを見つけた場所…」

複数の方向から足音が迫ってくる。必死に逃げ道を探すエレノアだが、霧はほとんど実体を持つかのように濃くなり、逃げ場を奪っていた。その向こうでは、歪んだ形状が非人間的な優雅さで動いており――かつての村人たち、あるいはかつての面影を残す存在が、収穫祭のために彼女を迎えに来るようだった。

突然、誰かの手が彼女の腕を掴んだ。エレノアは振り向き、闘う覚悟で構えたが、そこにいたのはジェームズ・モートンで、彼は教会基礎部に半ば隠れた扉へと彼女を引っ張っていた。

「急いで」と彼は囁いた。「納骨室だ。外よりも、こっちのほうがましだ」

二人は狭い石段を降りながら、上方からこだまする声に耳を澄ませた。納骨室は冷たく、土の匂いと共に、どこか甘く腐敗した香りが漂っていた。その香りは、エレノアにピクルス樽を思い出させた。モートンは、古代の石棺が並ぶ通路を進み、その表面には様々なねじれた木の変形が刻まれているのを示しながら語った。

「祖父がここで証拠を掴んだんだ。何世紀にも渡る記録が残っている。最初の入植者たちはこの教会を建てたのではなく、井戸と、地下で眠るものを発見した。シンボルは、もともとここにあった、待っていたものなんだ」

二人は、地下深くの円形の部屋にたどり着いた。モートンがランタンに火を灯すと、壁一面に彫られた図像が浮かび上がった。光が当たるたび、図像は人間から樹木、そして全く別のものへと、次々と変容していくように見えた。

「深淵の者たちが、最初に来たんだ」
モートンは指先で彫刻をなぞりながら説明した。「彼らは千年もの間、ここで古代の夢を見ながら眠っていた。人間が現れると、彼らはその隙を突いた。シンボルや儀式を通して、我々は少しずつ彼らに似たものへと変わっていく。世代を重ねるごとに、我々は彼らに近づいている」

「だが、なぜ……?」
エレノアは、恐るべき図像をじっと見つめながら問いかけた。「彼らは一体、何を望んでいるのですか?」

「帰還だ。かつて彼らのものだったものを取り戻すためだ。しかし、彼らには器が必要だ。人間の身体と心――自由に変形させられる器が。収穫祭はただの餌食ではなく、再生の儀式なのだ」

上階から、奇妙な多重音の詠唱が近づいてくる。モートンの顔には、恐怖とともに諦めの色が浮かんだ。

「できるだけ抗ってきた」
彼は袖をまくり上げ、サラのものとは異なり、色あせほとんど癒されたねじれた木の刻印を露にした。「だが、永遠に抗うことはできない。お茶、シンボル、儀式――それらは、少しずつ人を変えていく。真実を知っても、どうにもならない。鏡を見るたびに、何に変わっているのか分かり、なぜ祖父が……」

彼は突然、音に耳を澄ませるかのように首を傾げ、言葉を止めた。詠唱の音程が変わり、エレノアの視界がかすむほどの不安定さを帯びた。

「彼らが来る」
モートンは低く呟いた。「しかし、ひとつだけ彼らが知らないことがある。祖父は、ここにもうひとつ、隠しものを残していった。それは、お前が理解する助けとなり、チャンスを与えるかもしれない」

彼は急ぎ、石棺のひとつに近づいて特定の順序でシンボルを押すと、隠しコンパートメントが開き、小さな木箱が保護符号に覆われた状態で現れた。

「これは、祖父の研究だ」
モートンはその箱をエレノアに押し付けながら語った。「彼が学んだ、彼らの真の姿、弱点。そして何より、今年の収穫祭のために育てられている『子』についてだ」

「『子』とは?」
エレノアは息をのんだ。

「今年の収穫祭に向け、彼らが育て、血と儀式で養っているものだ。……その『子』が――」

突然、地下室内に軋む音が鳴り響き、上階の扉が開いた。あまりにも多くの足音が、完璧な調和を保ちながら降りてくる。

「隠れろ」
モートンはエレノアを暗い隅へと押し込んだ。「何が起ころうとも、見たものは一言も発するな。そして、忘れるな――『子』こそが鍵だ。『子』を止めれば、収穫祭も止められるかもしれない」

エレノアは、最初の足音が部屋に入る直前、必死に隅に身を潜めた。古びた石の割れ目越しに、エルダー・トーマスが率いる村人の行列が見えた。彼らの顔は、もはや人間らしさを保とうともせず、完全に異形へと変わり果てていた。

「ジェームズ・モートン」
エルダー・トーマスの声は、ありえぬほどの響きで部屋に広がった。「お前の祖父の血は、いまだに我々と戦っている。しかし、今夜、お前は完全に我々に加わるのだ。深淵の者たちは、長きにわたって待ち続けた」

モートンは誇らしげに立っていたが、その瞳は震えていた。「俺の身体は奪われようとも、魂は決して奪えはしない」

「ああ、ジェームズ」
エルダー・トーマスは、あまりにも多くの歯を浮かべた不気味な笑みで告げた。「お前の魂は、生まれたその瞬間から我々のものだった。変容は既に完了している――お前が受け入れるだけだ」

村人たちは詠唱を始め、その声は現実すらも歪めるかのように混ざり合った。モートンは膝を屈め、身体がねじれ、腕に刻まれたブランドが生きた墨のように皮膚に広がっていくのが見えた。

エレノアは箱を胸に抱き、叫びたくなる衝動を必死に抑えながら、ジェームズ・モートンの人間らしさが消え去っていく様を見守った。彼が跪いた場所から這い上がったものは、もはや人間の姿をしていなかった。

「ようこそ、我が兄弟よ」
エルダー・トーマスの声が、信じがたいほどの重みで告げた。「さあ、今度は人類学者を探し出すのだ。『子』は空腹だ。そして収穫祭が迫っている」

変貌したモートンは、エレノアが隠れている隅に向かって振り返った。その新たな顔は、グロテスクな笑みを浮かべながらも、どこか奥には未だ人間の残り香を宿しているようだった。

「彼女はここにはいない」
モートンは、暗い水面が泡立つかのような声で呟いた。「霧の中へ逃げたに違いない」

行列は方向を変え、階段を上りながら、恐るべき詠唱と共に去っていった。エレノアは、すべての音が完全に消えるまでじっと待ち、やっと身を起こすことができた。箱は彼女の手の中で重く、救いにも狂気にもなる秘密を秘めていた。

外では、夕日が沈むにつれて霧が血のような赤みに染まり、ドラムの音が再び鳴り始めた。畑のどこかで、何かが育ち、餌を与え、誕生の準備を進めているのが感じられた。

エレノアは、その恐ろしい箱を固く抱きしめながら、計画を練り始めた。明日の収穫祭までに、『子』の謎、深淵の者たちの真実、そしてオークヘイヴンのねじれた畑の下に眠るものの全貌を解明しなければならないのだ。

太陽が地平線の向こうに沈むと、闇の中でねじれた樹々が、まるで生き物のように動き出した。
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